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| タイトル | 作者 | コメント | 出版社 |
![]() 新潮日本文学12 佐藤春夫集 | 佐藤春夫 |
先々週だかの朝日新聞の書籍欄で佐藤春夫の「女誡扇綺譚」を 某氏が絶賛していた記事を見て 読みたくなって 新朝日文学12「佐藤春夫集」を衝動買いした。 10代の頃 ちらと「田園の憂鬱」を読みかけた記憶が あるのだが 何だか甘過ぎたような・・ 「詩」はまだきちんと読んでない 「田園の憂鬱」は何だか退屈 「掬水譚」うーん 「西班牙犬の家」 散歩がてらに飼い犬が歩くまま、雑木林に入って行くと その奥方に 思いがけなく古い西欧風の家がある。 窓から室内を覗くと部屋の真ん中に石盤があり そこからこぼれ落ちた水が屋外の薔薇の間からきらきらと 流れ出している仕組みになっている。 石で出来た青白い床や 白木の卓上の吸い指しの煙草から 煙が上がっているのを見た私はこの異風の家に 入ってみたくなり 開いていた玄関から侵入すると 階段の前に大きな真っ黒の西班牙犬が横たわっていた・・・ 何ともノスタルジックでロマンティックな物語。 ラストがいいたった7ページの珠玉の短編。 「女誡扇綺譚」 台湾の台南市の西端れにある安平の廃港辺りの 湿っぽい泥沼に沿った貧民窟のような禿頭港 (クットウカン)を訪れた私は小規模な古城の廃墟の ような館を見つけて 好奇心にかられて 友人と中に入っていくと 豪華だった名残を残す 廃屋の2階から 「どうしたの?なぜもっと早くいらっしゃらない」 という女の声を聞く。 幽霊屋敷の声の主の言い伝えを町の老婆から聞いた私は ある推理をするが真相は意外にも・・・・ 「F・O・U」 若い画家イシノマキオがパリの旗亭ラリュウから 出てみると眼の前にすばらしいロオルスロイスが 耀いているのを見つけ、 それに乗りたくなった 彼は心のままに運転席に滑り込み、 コンコルド広場のオベリスクからシャンゼリゼ、 ポア・ド・ブウロオニュまで来ると故障してしまった。 元の場所まで何とか戻ると持ち主の紳士が心配していたが イシノの笑顔を見ると怒る気持ちが失せて走り去った。 イシノは自分の哀れなシトレインに乗ろうとすると 警官に肩を叩かれる。 警察署で尋問を受けていると愛人のフロオランス ・ド・タルマがやってきて 彼女はイシノに見えないように 署長に机に指で「F・O・U」と書いて見せる。 天使のように純粋無垢なイシノと天性の悪女 フロオランスを描く滑稽で哀しいパリ物語。 「のんしゃらん記録」 遠い未来、裕福な人々は地上階に、下級層は地下の奥底で 太陽にも当たらず、新鮮な空気も吸えず 高さ1mの身動きが 取れない住宅で暮らしている。 ある日祝賀会の恩恵で下級層は地上に出られる事になるが 地上に出るにはグルグルと捻じ曲がった一条の梯子しか なく 衰弱した下級層の人々は途中で力果てて墜落して行く。 元 地上階で暮らしていた彼はやっとの思いで地上に たどり着くが、皆が集まった広場で 植物に変身して 地上で暮らすように宣告され彼は薔薇となって ある店のショーウィンドウに飾られるが 町には恐ろしい伝染病が流行りだす。 ファンタジックでリアルで恐ろしい童話の ような短編。 「小妖精伝」 ある芸術学校に現れた小悪魔的女学生を巡る 予想可能な話。 | 新潮社 |
| 石の血脈 | 半村良 |
吸血鬼の解説書には絶対出てくる本作。 一度読んでみようと手に入れたけど予想通り。 最初の部分は複雑でつまらなくて読み飛ばし。 リーマン隅田の美しい新妻が突然失踪する辺りから 真面目に読み始める。 した新妻を探す隅田の周辺で起こる奇怪な事件。 古代イスラムから現代に伝わる奇奇怪怪な永遠の生命を 持つ一族。 吸血鬼、古代アトランチスのクロノスの壺、狼男、 ありきたりな性の狂宴、巨石、謎の伯爵とあらゆる 非現実的な事物が、超現実的な一企業のサラリーマンから 繋がってしまうこの支離滅裂さ、 それをラストでまとめてしまう奇天烈さにもう眼が点。 しかも激ベタなピンクい描写入り。 それにしても途中まではいいけど 岩にもなりたくないし 2千年後に蘇っても地球既に廃墟なような。 吸血鬼幻想を削がれる小説だった。 | 祥伝社 |
| 髑髏検校 | 横溝正史 |
文化八年。 鯨の腹から瓶の中には、孤島で蘭学生が遭遇した恐るべき 髑髏検校が江戸に向かうと書き記されていた。 髑髏検校は松虫鈴虫を引き連れて、将軍家斉の陽炎姫を襲う。 ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」を元に江戸時代を 舞台にしたまんまドラキュラ。 ストーリー知ってるせいか 話が短くて単純なせいか今いち。 美姫、陽炎はあっさりやられちゃうし。 表題より長い「神変稲妻車」は名笛争奪をテーマにした伝奇小説。 よくいえば痛快、悪く言えば単純なアクションでしかない 誰が誰だかわからなくなる程早く軽い展開。 妖怪 鳥羽姫もあっという間も無い程速い最期。いと単純。 面白い素材なのでもっと練ってほしい。 | 角川文庫 |
| 孤独の賭け (上) | 五味川 純平 |
TVドラマ化すると聞いて上巻を読む。 松本清張の「けものみち」か一条ゆかり「デザイナー」 みたいな感じかと思ったけど、 これまた昔のオヤジがスキそうなベタな展開。 実業家 千種悌二郎は美しく強気なお針子、百子に 強く惹かれるが 百子が悌二郎に求めたのは 男女の関係ではなく、叔父への復讐と 自らの成功の為の資金となる大金だった。 借金返済不可能な場合は肉体関係を持つという条件なのに すぐに関係してしまってつまらん。 本著が書かれた1962年には百子のような自己主張する 強い女が少なかったから新鮮だったので面白かったの かもしれないが、現代では珍しくも無い。 あまりにつまらないので続きはドラマで見る予定だが この古臭さをいかに現代を舞台に新鮮に見せるのか、 楽しみなような全然期待出来ないような (その点、松本清張原作のドラマの「黒皮の手帖」は 面白かったけど「悪いやつら」と「けものみち」は 失敗していた; | 幻冬社文庫 |
| テレサ・テン 十年目の真実 私の家は山の向こう | 有田芳生 |
実はテレサ・テンは顔は知ってるけど歌は知らない のにどうして読んだかというと 女の生き様に非常に関心があるから。 10余年前に若くして急死、TVでスパイだったとか 怪死だとか騒いでいたのは知っていたけどTVを ほとんど見ないので詳細もわからなかった。 つまり 「謎の急死」に惹かれたから。 著者はオウム事件の時に毎日TVに出てて冷静な態度に けっこう好印象を持っていた。 テレサ・テンは中国人だが台湾で育ち 子供の頃から 歌手の才能が開花した。 台湾での人気に眼をつけた日本人プロデューサーが 日本でのデビューを持ちかけ演歌歌手として売れたそうだが 故郷ではもちろん演歌歌手ではないそう。 順調な歌手生活は 支援していた天安門事件の衝撃後、 14歳年下の仏人の恋人と共に旅に明け暮れるようになり タイのホテルで喘息発作により死亡。 TVや週刊誌、書籍でスパイ説が真実のごとく 報道された事に対して疑問を持った有田氏が証言したと される情報局高官の谷正文氏を訪ねて台湾に行くが 谷氏は「テレサ・テンはスパイではない。 記者が勝手に書いた事だ」と断言する。 何故 テレサ・テンは予知されていた死に向かって 突き進んでしまったのだろうという疑問への答えと 彼女の真面目な性格が想像できる作品に仕上がっている。 見る予定は無いが今春 ドラマ放映されるそうである。 | 文春文庫 |
| 血 吸血鬼に まつわる八つの物語 | 大原まり子他 |
「13」大原まり子 大原まり子の「吸血鬼エフェメラ」が気になっているのだが 本作はよくわからなかった。 「かけがえのない存在」菊池秀行 菊池秀行は何冊読んでもよくわからない。 小池まり子「薔薇船」 タイトル最高・・でもこれまた何が言いたいのか よくわからない。 「エステルハージ・ケラー」佐藤亜紀 佐藤亜紀は以前数冊読んだけどまあまあ面白かった。 ウィーンの裏町にある怪しいレストランを 舞台に少しヒネた眼で描いた変わった魅力を持つ短編。 「アッシュ Ashes」 佐藤嗣麻子 世紀末ロンドンを舞台に女吸血鬼に魅入られた少年を 描くゴシックロマンス。 やっぱりこれが1番好み。 著者のデビュー作である18世紀ロンドンの吸血鬼を 描いた劇場用映画「ヴァージニア」が気になる。 「一番抵当権」篠田節子 借金まみれの中年作家が遭遇する究極の吸血鬼ホラー爆 「スティンガー」 手塚眞 吸血鬼狩りをテーマにしたゲーム感覚のSFもの。 「血吸い女房」 夢枕獏 陰陽師の1作。 女が主人公の怪奇伝記話大好き。 でも晴明って態度デカいよな。 | ハヤカワ文庫 |
![]() わが心、南瞑に消ゆ | 西本正明 |
インドネシアのスカルノ大統領のかの有名な 第3夫人デヴィ夫人の前に幻の日本人女性の 第3夫人がいたという昭和の裏歴史を描いた作品。 昭和30年代 インドネシアへの戦後賠償の利権を 巡って、木下産商社長木下茂の手によって スカルノに取り入る為の手段としての人身御供のように 嫁いだ女性が主人公で、その1年後に東日貿易(鉄鋼会社) 社長久保正雄によってインドネシアに送り込まれたのが デヴィ夫人である。 大統領の寵愛は先の女性からデヴィ夫人にまたたくまに 移り、悲観した女性は自殺して歴史から消された。 彼女の名前は周防咲子(仮名)、松竹主催「ミス明眸」で 準ミスとなりニューフェイス候補生だった(これは真実らしい) が他の結婚前の大部分は詳細が不明なのだろう、 著者の創作なので絵に描いたようなありきたりな 恋物語に終始する。 美人の咲子は高3で医学生丹野と知り合い、愛し合うように なり、丹野の為に高校を中退して銀座のホステスNo.1になり 医者への道を援助しながら結婚を夢見るが 丹野が故郷で医者の娘との結婚を決めたのを知り、 悲観して全てを捨てて家出する。 大統領の寵愛がデヴィ夫人に移った時もあっさり 人生を捨ててしまう。 女としてのプライドが高く 媚びない反面 一途でけなげなのだが、将来と男を見る眼が無い女。 漁色家の大統領を繋ぎ止めるにはプライドを 曲げてでも媚びないととか思ったり。 その点 デヴィ夫人のしたたかさは やはり強かったと思える。 | 集英社文庫 |
| 三面記事の 男と女 | 松本清張 |
昭和30年代、浮気、出世、不倫、カルト宗教に はまって堕ちていく男と女をテーマにした短編集。 殺した女が記憶喪失になって生き返る「たづたづし」 はラストがいかにも昭和風。 改めて読むと松本清張はやはりすごい男尊女卑で ムカつく。 | 角川文庫 |
| 悪魔のトリル | 高橋克彦 |
「眠らない少女」は幼女の描き方が好みじゃなかったので 真剣に読んでない。 週刊誌に掲載されてるような軽い読み物かと思って 読み進む内に面白くなってきた。 「妻を愛す」は哀しい夫婦愛の話。 「悪魔のトリル」 昭和40年代まであった「衛生博覧会」という 見世物小屋で見たトランクに詰まった 蝋人形のバラバラな美少年を巡る怪奇。 「卒業写真」 数十年ぶりの同窓会に初恋の女性に会うのを 楽しみに参加した主人公の当惑。 ラストが哀しく美しい。 「陶の家」 作者が好きな(私も好きだが)ドールハウス、 しかも珍しい陶器製のドールハウスの中の 小さなベッドに寝ている少女に魅入られた 主人公が遭遇する恐怖。 ラストが怖い。 「飛縁魔」 行き詰ったホラー短編を依頼された作家が 編集者に自分の故郷に伝わる怪談を取材するように勧め 共に訪れた人里離れた民宿で起きる妖しく怖い話。 | 祥伝社文庫 |
| オードリー・ ヘップバーン物語上下 |
バリー・パリス |
オードリー・ヘップバーンは特に好きじゃないんだけど 女性の人生に非常に興味があるので読んだ。 上巻は戦争の影に怯える少女時代から またたく間に映画スターの道を進んで行きながら 人気女優とメル・ファラーとの結婚生活の 両立に悩む姿を描く。 下巻は2度目の結婚で夫の浮気に悩み、離婚、 そして生涯を共にする年下の男性と巡りあい、 ユニセフの活動に献上した晩年、そして思いがけない 突然の死までを描く。 ヘップバーンはオランダ貴族出身。 この本では彼女はとてもいい人で常に周囲を気遣い 少し神経質。 男を見る目が無いというか 2度の結婚で一生懸命家庭生活を守っているのに 相手に恵まれていない。 マール・オベロンやシャルル・ボワイエ、キャプシーヌ オートクチュールデザイナーなど有名人の逸話が 興味深い。 イメージを壊さない綺麗な物語に仕上がっている。 | 集英社文庫 |
| 鳥 | デュ・モーリア |
「レベッカ」の著者デュ・モーリアのサスペンス傑作集。 まるでその場に居るようなリアルな感覚で日常と その平穏な日々に忍び寄る狂気と幻想を見事な描写で 読ませる。 「恋人」 軍隊帰りの青年が一目惚れした映画館の案内嬢との 短い恋の果てに待つ衝撃。 「鳥」 ヒチコックが映画化した有名な「鳥」の原作。 映画は観ていないが 鳥が襲って来る話と単純に 思っていたのが デュ・モーリアの筆にかかると 怖いの何の・・・リアル過ぎ。 「写真家」 多忙な夫にかまってもらえず、海辺のリゾート ホテルで気だるく日々を過ごす美貌の侯爵夫人。 愛する夫、可愛い娘達、彼女が現れるだけで 賛美のため息が広がるほどの美貌を持ちながら 彼女は贅沢な生活が生み出す退屈を我慢出来ず ちょっとしたひと夏の刺激を味わうつもりが・・ 「モンテ・ヴェリタ」 主人公とヴィクターは親友で登山家である。 やがてヴィクターはウェールズ出身の神秘的な 美しいアンナと結婚する。 最初は登山を嫌がっていたアンナがヴィクターと 登ったモンテ・ヴェリタでヴィクターは 最愛の妻を失う。 彼女は山頂にある謎めいた僧院に真実を手に入れる為に 永久に入ってしまったのである。 ひそかにアンナを愛していた主人公が流転の末に モンテ・ヴェリタのふもとで親友に再会した時 ヴィクターは瀕死の重体だった・・ 「林檎の木」 けっこうどこにでもいそうな陰気で嫌味ぽい妻が 急死して 自由を得た男を悩ませる1本の林檎の木。 「番」 ラストのオチが意外です。美しく哀しくシニカルな 見事な短編。 「裂けた時間」 いつものように散歩から帰ってみると見慣れた 我が家は他人に占領されていた。 警察で必死に自分について説明するヒロインは精神病院に 収監されそうになる。 「動機」 夫から愛され、待望の第一子の出産を控えた若妻が 突然 自殺する。 妻の死に納得出来ない夫から 原因を突き止めるように 依頼された探偵は妻の過去を辿る旅に出る。 明らかにされた悲しい事実とは・・・ | 創元推理文庫 |
| 皇妃ウージェニー 第二帝政の栄光と 没落 | 窪田般彌 |
皇妃ウージェニーの肖像画が地味なのであまり興味がなく 長年本棚に放置していたのだが、なかなか情熱的で 自由奔放な人物でけっこう波乱万丈な人生の上 私がフランス第二帝政時期の歴史を把握していなかったので 面白かった。 ずっと詳細が知りたかった謎のカスティリオーネ夫人の記述が 出てきたので満足。 | 白水社 |
| 白髪鬼 | 岡本綺堂 |
怪談コレクション。 「鷺」よりは面白かったが やはりちくま文庫の「岡本綺堂妖術伝奇集」と 怪奇探偵小説傑作選1岡本綺堂集 青蛙堂鬼談」の方がお薦め。 まあ上記2冊とだぶらない作品を読みたかったので 良しとしよう。 | 光文社文庫 |
| 鷺 | 岡本綺堂 |
怪談コレクション。 どれも今いち 謎があやふやなままで消化不良。 | 光文社文庫 |
| レイチェル | デュ・モーリア |
「レベッカ」の作者デュ・モーリア著。 本棚に長い間放置してあったのをふと読み始めたら 最後が気になって一気読み。 フィリップを育てたコーンウォールの一領主の従兄 アンブローズは独身主義だったが、 健康の為に赴いたイタリアで思いがけなくレイチェルと いう未亡人に魅せられ電撃結婚するが フィリップへ当てた手紙はじょじょに陰鬱に レイチェルへの不審を悲痛に訴える内容に変わり、 アンブローズは急死する。 夫の遺品を持って訪ねて来るレイチェルを アンブローズの遺産を継いだフィリップは憎しみを抱いて 待ち構えていた。 そしてフィリップもまたレイチェルに心を奪われ・・ アンブローズの死因もラストも最初から読めるのだが 作者はそれを明確には見せない。 ファムファタルと嵌められていく初心な男を独特の雰囲気で ねっとりと描いた佳作。 | 創元推理文庫 |
| 李香蘭 私の半生 |
山口淑子 藤原作弥 |
元女優 後政治家だったエキゾチックな容貌の 山口 淑子が李香蘭という名を持っていたのは 知っていたが 子供心に本当は日本人なのか中国人なのか 謎に包まれていた。 山口淑子は1920年旧満州で生まれ 撫順で育った。 父文雄は佐賀県出身の中国通で、満鉄で中国語や 中国事情を教えたり撫順県顧問をしていた。 父が親日派の知り合いと義兄弟の誓いを結んだので 淑子も儀礼上の養子縁組を結び 李香蘭という中国名を得た。 仲良しのロシア人リューバの紹介でロシア人マダム・ポドレスに 声楽を学んだ淑子は初リサイタルが縁になり、奉天放送局に スカウトされ、植民地政策を文化面で推奨する国策会社と 思われていた満映で中国人として女優となる。 満映の初代理事長は清朝粛親王の王子で川島芳子の兄金璧東氏、 第2理事長は「ラストエンペラー」で坂本龍一が演じた 甘粕正彦大尉である。 皇帝溥儀の弟溥傑、浩夫妻、など満州皇族一族、吉岡中尉、 川喜多長政、かしこ夫妻、ジェームス・ディーン、 チャップリンなどとの有名人の逸話満載だが 最も面白いのが数箇所に出てくる川島芳子の リアルな描写である。 李香蘭として日本に来た時は 中国人として差別され 戦後は中国で死刑判決まで受け、その後日本で女優、 ハリウッドで修行、イサム・ノグチとの結婚 (彫刻家イサム・ノグチ氏のこだわりなども興味深い) 外交官大鷹弘氏と再婚して女優引退、政治家として 活躍するまでの祖国は日本、故国は中国という二つの国の 狭間で送った波乱万丈な半生を描いている。 後書きにあるが藤原 作弥共著のせいで 自己礼賛でも 自己陶酔でもなく冷静に激動の時世を書いているので 読み応えがある。 少女時代の友達リューバ一家が突然行方不明になり10数年後に 再会し、リューバは淑子の中国脱出をひそかに助けるが その後再度行方知れずとなっている事や 中国を愛した父が帰国してから人が変わってしまい 孤独の内に病死する話なども時代に翻弄される人間の 哀しみを残す。 | 新潮文庫 |
| 血染めの部屋 |
アンジェラ ・カーター |
童話をモチーフに残酷でエロティックな 世界を展開する連作集。 知る人ぞ知る「赤ずきんの森」ニール・ジョーダンの原作, 「狼たちの仲間」収録。 最初 漠然としていてぬるーい感じなので 放置してたんだけど,原作は「白雪姫」である「雪の子」が 軽く衝撃的だったのでまた読み出した。 雪の中 馬に乗った伯爵とその妻が走る。 そこに伯爵の欲望から生まれた少女(雪の精)が現れ、 嫉妬した伯爵夫人は薔薇をつむことを命令する。 少女は棘に刺されて死ぬ。 伯爵は死んだ少女と性交する。 美しい緊張感を持ったこの作品は2ページで 氷の結晶のような冷たい空気が張り詰めたまま終わる。 作者の狼に対する愛着なのか「狼人間」 「狼たちの仲間」「狼アリス」は濃い。 この3作の中で1番好きなのは「狼人間」。 でもやはりお気に入りは「眠りの美女」を原作とした ゴシックロマンス「愛の館の貴婦人」 休暇中の英国士官がルーマニア旅行中に ある館で遺伝性の病気に悩む美少女 (とはいえ彼女はヴァンパイア)に出会う。 彼女はあらゆる動物を殺戮し生き血を 飲む自分を嫌悪し、昼間は血痕が付着したレースの ネグリジェで棺の中で眠り、夜は母の遺した古めかしい ウェディングドレスを纏ってタロットカード占いに耽る。 獲物になるはずだった無邪気な若い士官は・・・ 傾向としてはタニス・リー「血のごとく赤く 幻想童話集」に似ている。 | 筑摩書房 |
| 見知らぬ夫 | リサ・ ジャクソン |
南米の小さな島の病院で意識を取り戻したニキは 夫だと名乗る男も自分の名前も全て忘れていた。 記憶喪失のまま ホテルに移動するが・・ 薄いだけあってネタはまあ安易だが ロマンティックでミステリアス& 記憶喪失ネタ好きなので面白かった。 | ?文庫 |
| クォ・バディス | シェンキェヴィチ |
ネロの時代の物語。 アウルス・プラウティウスの家で世話になった 軍団将校ウィニキウスは そこでリギ族の姫 でローマの人質であるリギアに恋をする。 どうんかして我が物にしたいウィニキウスは 暴君ネロの側近の一人である伯父の ペトロニウスに相談を持ちかける。 ペトロニウスはネロに頼んでアウルス夫妻から 実の娘と同じに育てたリギアを奪い、いったん 宮殿に入れた後、ウィニキウスの家に連れて行こうと するが、ネロの宴会の席で酔った ウィニキウスの 狼藉におびえたリギアは 彼女を守るリギ族の 巨人ウルススに連れられて姿を消してしまう。 探し回るウィニキウスは リギアがキリスト教徒に 匿われている事を突き止め、奪還に赴くが 逆にウルススに重症を負わされる。 キリスト教徒とリギアに看病される間に 傲慢でわがままだったウィニキウスは少しづつ キリスト教に目覚めていく。 ウィニキウスとリギアが愛を確かめ合った頃 リギアに嫉妬したネロの后ポッパエアや ウィニキウスに恨みを持つキロンの陰謀で ローマを焼いたのはキリスト教徒であるという罪で キリスト教徒は捉えられ 凄惨な集団処刑が始まる。 ウィニキウスはリギアを救おうとするが・・ 爛れ切ったネロ、魔性の女ポッパエア、 使徒ペテロ、腐りきったキロンなど個性豊かな 面々の中でも、「趣味の審判者」と呼ばれる粋な 生き方を貫くペトロニウスの存在が興味深い。 政治的出世欲も無さそうに見える美を愛し 芸術を愛する粋人はなぜネロの側近でいるのか。 最初 忠実にドラマ化したDVDを観てとても良かったので http://www.pravmir.ru/article_266.html 原作を読んだけど 下巻のキリスト教徒処刑の 場面は映像より 文章で読む方がもっと恐ろしい。 昔のローマの作家かと思っていたら、シェンキェヴィチ (1846年-1919年)のポーランド人で 古代の異教徒の世界とキリスト教世界との 抗争において 後者の勝利を描いた本作は 実は当時独立を奪われ、列強の圧制に苦しむ ポーランド人に 希望と慰めを与えようと する目的で書かれたそうである。 それにしてもどの時代もどの作品も 宮廷に入るとろくな事が無いな。 | 岩波文庫 |
| インド旅行記 北インド編 | 中谷美紀 |
旅行記はあまり読まないのだが、インド旅行記だけは 山ほど読んだ。 「ガンジス河でバタフライ」が1番面白かったかな。 この本は中谷美紀が「嫌われ松子の一生」を撮影後 精魂尽き果たして リフレッシュの為に北インド 一人旅に出るのだが、豪華なホテルに泊まって 観光して ヨガをして・・ まあ女優さんだし 特に個性的な旅でもなくつらつらと 印度な日々を素直に綴る。 ちょっと神経質で潔癖症なのかな。 中谷美紀はインド料理が好きなようで 料理の描写が とても美味しそうで良いというか羨ましい; | 幻冬舎文庫 |
| 淑やかな悪夢 | シンシア ・アスキス他 |
英米女流怪談集。 ディルク夫人の「蛇岩」はわけのわからない呪いと 母娘の愛憎を描く日本風怪談。 マージョリー・ボウエン「故障」はラストがロマンティック。 シャーロット・パーキンズ・ギルマンの 「読む者の正気を失わせる小説」と評された「黄色い壁紙」は 怪談というより神経症を内面から生々しくに描いた感じが怖い。 他はまあまあ。 それにしてもメアリ・E・ウィルキンズ・フリーマンの「空地」 を訳した倉坂鬼一郎 よろず屋の店主のセリフで1ページの2行だけ いきなり「違いおまへん」とか「いわくがあるねん!」と 大阪弁で訳すのはいかがなものか; | 創元推理文庫 |
| 薔薇色の 恋が私を | コニー・
ブロックウェイ |
「薔薇の狩人三部作」の一部。 19世紀初頭。 地方貴族の娘である若い未亡人ケイトは父が仏で客死後 残された母と2人の姉妹と共に困窮した暮らしを送っていた。 そこへケイトの父に仏で命を救われたというスコットランドの 若者3人が訪れ、父への恩義を果たすため、遺族の力になると 誓って珍種の黄色い薔薇の苗木を置き去る。 3年後、事故死した従姉妹の義兄の侯爵に無心をするため ケイトは冬のスコットランド荒野を越える過酷な旅に出たが 途中 その青年の内の1人クリスチャンに出会う。 途中までは荒野を見知らぬが頼りになる男と 旅をする間に恋が芽生えるというロマンス小説によくある パターンなのだが、後半 目的地で起こる意外な様々な 事件が読ませる。 貴族の娘が売春婦の息子と結ばれるか?とか 気位が高いのにいきなり情熱的に結ばれたりするけど とにかくこの作家 ストーリー構成、感情の複雑で微妙な 襞、読者をひやひやさせるすれ違い、主役2人以外の 人物設定が上手く ラスト近くになるとページをめくる手が 止まらない。 引き続き2部にも出てくる兄弟の契りを結んだ 青年4人の運命を狂わせた裏切り者は誰なのか。 全ては仕組まれた罠だった。 | ライムブックス |
| 愛が薔薇色に 輝けば | コニー・ ブロックウェイ |
「薔薇の狩人三部作」のニ部。 これはタイトルからしてダメだと思っていたのが 意外に当たりというか久々のロマンス小説のHIT。 19世紀ロンドン。 地方貴族出身だが両親の死で没落した美しい娘 ヘレナは 口うるさい嫌味な初老の貴族 レディ・ティルポットの話し相手として何の自由も無く その地位の低さに対して嫌味を言われ続けながら 暮らしていた。 仮面をし、男装して夜の町に出かけていた。 目的はレディ・ティルポットの姪フローラと 彼女の恋人の借金取りから追われているオズワルドとの 連絡だった。 ある夜、若い貴族に絡まれたヘレナを剣術学校の 教師マンローが助ける。 ヘレナとマンローは惹かれ合うが 品行方正なヘレナは 仮面を付けてコリーと名乗っている間だけは大胆になれるが、 放蕩者のマンローに本名を明かせない。 マンローは密偵としてフランスに潜入した先で 投獄され拷問されあわや死刑の寸前にヘレナの父が身代わりと なって救われた経験を持つ。 彼は投獄の原因となった仲間内にいる裏切り者を探していた。 マンローはヘレナの父への恩から、ヘレナ3姉妹を見守ると いう誓いを立てていたので、すぐにコリーをヘレナと 見抜いているが言い出すまで黙っている。 互いに自尊心が高くトラウマがあり、純情で不器用な 美しい二人はすれ違いを繰り返して・・・ ナポレオン時代に后ジョゼフィーヌが愛した薔薇を モチーフにしたサスペンス仕立ての3部作の2部。 なかなかのストーリーテラーでヒストリカル ロマンスミステリとして複雑にニ転三転させ、 面白く読ませる。 現代に通じる神経症とストーカを扱っているのも 興味深い。 貴族の人間性とは無関係な嫌味極まりない優越意識を 上手く批判していて面白いが、マンローが目的の為に あっさり貴族になるのは少しがっかりな事と ラストのロマンス小説によくある「その後」は不要かも。 | ライムブックス |
| 日本人はなぜ 多重人格なのか | 中山治 |
日本人を「農耕民族」、欧米人を「狩猟民族」と分けて 徹底的に日本人のダ弱点を繰り返し熱弁をふるう。 多神教より一神教の方が優れているように書いているが 「日本人のための宗教原論/ 小室直樹 」が一神教の怖さと 多神教の良さを書いたのと対照的である。 江戸時代の鎖国の影響や昭和初期の狂気など歴史的観点や 狩猟気質と農耕気質の分析、農耕民族の祭りが現代の 宴会に繋がったという分析は興味深い。 ただ 日本人を「多重人格」で「鬱」だと表現する のは個人的に適切ではないような・:・ でどうしたらいいのか?というと 日本人の詰め込み教育と欧米の自分の頭で考え行動する教育を 合体させればいいといった結末になるのだが それは賛成だが 誰がそんな教育を確立出きるのだろう? | 洋泉社 |
| 残酷な女たち | L・V・S・ マゾッホ |
マゾッホの軽妙かつ見事なストーリーテラーぶりを 見せる短編集。 「ルボミルスカ侯爵夫人の熊」 ルボミルスカ侯爵夫人の持ち城であるヴォルディン城で 暫く空だった檻にまた熊が飼われ始めたと聞いて 裁判所の執達吏が庭内に入り込むと 檻の中の熊達が ラテン語で話していた。 事実、その熊達は大変教養が高い学識豊かな熊だった のである。 「鴉」 傲慢な総督の若い妻マリア・カシミーラは夕闇迫る墓地に 母に引き裂かれた初恋の人の母ドムビンスカヤ夫人の墓に 参りに行くと偶然 恋人が居合わせ激しく動揺する。 夫と帰る途中、また鴉が橇の上を飛ぶ。 コサックの夫を愛する若妻の眼を見張る腕前を見せる 「コサックの妻」 拷問が誘導尋問に繋がると廃止を提案したC公爵夫人に 反論するT伯爵は公爵夫人に言葉巧みに誘われたゲームに ・・・「指責め」 潔癖なマリア・テレジアが始めた風紀委員会に 人々の色恋沙汰に巻き込まれた清純な針子の娘の 運命は・・・「風紀委員会」 一風変わった障害者の画家は恋した美しい従妹への 想いを諦めようとするが・・「醜の美学」 他。 マゾッホは金髪美女崇拝。 ヒロイン達はこの時代ならともかく、現代の女性として見たら 決して残酷ではない。 むしろ、美人で才女で勇敢で実行力があって、痛快である。 | 河出文庫 |
| 聖母 | L・V・S・ マゾッホ |
マゾッホは急激な科学・技術の発展を魂の危機とみなす人々や 土着信仰や秘教に救いを求める東欧の精神風土を描いた。 19世紀後半のロシアのカルト教団を描く作品としては 「ドラミゴラ-魂を漁る女」と同じだが 本作はある農村を舞台に自らを神と名乗る女教祖に恋をして 破滅していく農夫の青年を描く比較的単純なストーリーで、 駆け引き、謎解き、4角関係、冒険などが複雑怪奇に入り混じる スリル満点な「ドラミゴラ-魂を漁る女」の方が格段に面白い。 マゾッホが取り上げた状況と問題は現代にも十分通じ、先日書いた 「DEATH NOTE」にも通じるものがあって興味深い。 (以下ねたバレあり) ソリスコ村の農夫サバディルはある日森で 美女マルドナに会い恋に落ちる。 がマルドナは土着のカルト教の教祖でサバディルを 愛しながらも自分を神と崇めるように諭す。 決して自分のものにはならないマルドナへの サバディルの想いは、やがてマルドナに罰せられて 恨みを持つソフィアの企みな罠に捕らえられる。 サバディルは信者ニンフォードラを愛しながらも 多情なソフィアとも関係を持ち、それはマルドナの 知るところになる。 嫉妬にかられるマルドナの神を サバディルは否定する。 神を冒涜した罪でサバディルは十字架に架けられ・・・ 前半はのんびりした農村の平凡な生活に終始し、 中だるみするが,後半の堰を切った如く悲劇に陥る流れは さすがストーリーテラー、マゾッホである。 おぞましい結末とは言えども 19世紀のウクライナや ロシアの宗教事情では珍しい事件でもないらしく、 実際に集団自殺した「逃亡派」というカルト教団名を マゾッホは連作集「カインの遺産」で使用しているそうである。 | 中央公論新社 |
| DEATH NOTE1-12 | 大場つぐみ 小畑健 |
高校生夜神月(やがみらいと)は拾ったノートが 死神リュークの落し物で名前を書くだけで相手を 殺せると知り、犯罪者の名前を書き込んで世の中を 正そうとする。 夜神月の父親夜神総一郎指揮する警察は天才探偵Lを 招き、頭脳対決が始まる。 殺人ノートなぞ趣味では無いが正直最近の小説より 面白い。 あまりに優秀な人間の欠けた部分というものや、 だんだん リュークが人間ぽく、月の方が死神のように 見えるのがおかしい。 (ここから映画後) 映画「DEATH NOTE」を観てしまったら3巻で停滞していた もう原作の続きが気になってまた読観始めて5,6巻辺りから ノンストップで読んでしまった。 後半の展開がスピーディー、国際規模企業規模に 発展して読ませる。 要所要所の鋭い分析図星だし 死神陣の方が人間陣より ずっと人間的だし、先の先の先を読むキラとニアの頭脳合戦は 面白いし、基本テーマは昔からある義賊だが 現代にリアルにマッチさせた見事な作品。 最終巻かなり読み応えあり 原作は言うまでも無いが 小畑健の絵 上手い。(コミック) | 集英社 |
| 虚栄の市3.4 |
ウィリアム・ サッカレー |
絵描きの父と舞台歌手の母の娘レベッカ(ベッキー)は 美貌と才知、嘘等あらゆる手持ちの札を使って 上流社会にのし上がっていく。 彼女は自分の地位、自分の楽しみ、社交界しか 興味が無い女。 学校の友達である裕福な商人の娘アミーリアは お人好しでおっとりした娘。 自己中心的な夫の本当の姿を見抜けず、夫が戦死した後も 夫を想い 自分を見守るドビンの愛に気づかない。 ベッキーの夫ロードンは反対されたベッキーとの 結婚のせいで叔母から受け継ぐはずだった遺産を 取り消され、除隊した後はベッキーの世話になって 放蕩生活を送っている。 19世紀初頭のロンドンの社会と人間の虚栄心を 決して冷たい眼ではないがシニカルに描いた軽妙な小説。 ストーリー展開は面白いし 時々小説に参加する作者の 冷めた視線がニヤッとさせる(それにしてもとても 読みやすいというか深みがないとうか読み心地が軽い。) 先に映画を観てベッキーの夫に対する気持ちなどが わからなかったので原作を読んでみたが、本筋は 同じだが微妙に違って興味深かった。 | 岩波文庫 |
| 悪魔のような 女たち |
ジュール・ バルベー・ ドールヴィイ |
昔買った「世界のオカルト文学(幻想小説目録)」に 掲載されていて、悪女マニアとしてはかなり気にはなって いたのだが、あまりの字の小ささに悩んでいたのが お気に入りのブログの筆者さんが先頃読んだ 「魂を漁る女/マゾッホ」と共に推薦していたので即買い、 一気読み。 ジュール・バルベー・ドールヴィイ(1808年〜1889年)は フランスの小説・批評家。 19世紀を生きたジュール・バルベー・ドールヴィイは ノルマンディの貴族の家柄の出身、 既にフランス革命は終わり、ナポレオンの時代が過ぎ、 ブルボン王政復古が始まるものの 復古王朝は自分達を支持した 旧貴族階層を冷遇した。 ジュール・バルベー・ドールヴィイは生粋の貴族主義者で その反時代的思想は幻想だったのだが、閉鎖的な貴族社会に 派手な衣装で出入りし ダンディと呼ばれたそうである。 「悪魔のような女たち」は66歳の時の作品だが当初12人の悪女を 書く予定があまりの過激さに検察が介入し 廃棄処分になった為 6編に終わったらしい(残念) 若い陸軍士官と下宿先の全く胸の内を見せない令嬢アルベルトとの 激しい恋の衝撃的な結末を描く「深紅のカーテン」 色男ドン・ジュアンが語る生涯最高の恋とは 「ドン・ジュアンの最も美しい恋」 パリの植物園手袋で黒豹を打つ黒衣の女剣士オートクレールに 寄り添う黒衣の男・・・二人の隠された過去は・・「罪の中の幸福」 美貌の娼婦の驚くべき正体と復讐を描く「ある女の復讐」 など 徹底した貴族趣味、強烈な攻撃性、皮肉を秘めた退廃的な バロック小説集。 「罪の中の幸福」と「ある女の復讐」が好き。 「罪の中の幸福」は澁澤龍彦訳が「怪奇小説傑作集4」 (創元推理文庫)に載っていたらしいが この全集 中学生の時の愛読書なんだけど 忘れた; 「深紅のカーテン」はアヌーク・エーメ主演で 映画化されたそうです。 それにしても女は怖いw、 | ちくま文庫 |
| 人びとの中の私 | 曽野綾子 |
始めて曽野綾子の本を読んだ。本棚から引っ張り出して来て 読んだので大分以前の本である。 「私の言ってる事はほとんど間違っていると自覚した」という 潔い序文から始まるこの本、(あくまで私的に)正しい事も 違うんじゃないな事もズバズバ斬り捨てていくこの女史の はっきりした物言いにもうラスト辺り感心というか 日本人には珍しいタイプというのが最終的な感想に なってしまった。(もちろんいい事も言ってるけど) 1つ心に残ったのが「5分辛抱したら死ねると思う事にしている」 | 新潮文庫 |
| 令嬢クリスティナ | ミルチャ・ エリアーデ |
東欧の小説は独特の匂いがあって引き込まれる。 Z村の貴族の館に滞在する青年画家エゴールは モスク夫人の娘サンダに恋をしている。 館は妖しげな雰囲気に包まれ、母娘が口にする 若くして惨死した母の妹クリスティナの肖像画を 見たエゴールは現世に未練を持つ吸血鬼or幽霊?に 取り憑かれる。 まだ子供であるサンダの妹シミナの残酷な少女ぶりが 効果的に怖い。 クリスティナが年代物の馬車に乗ってシミナに送られて去る シーンが好きv | 作品社 |
| 科学とオカルト | 池田清彦 |
副題「際限なき「コントロール願望」のゆくえ」 中世の錬金術などの秘術は「再現可能性」と 「客観性」を獲得して「科学」になった。 科学が一般人に理解し難くなった今 オカルトは「かけがえのない自分」探しの道具になった。 人はなぜオカルトに走るのか。またカルトまで論じた 興味深い一冊。 | PHP新書 |
| 日本人のための 宗教原論 | 小室直樹 |
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、仏教の解説書 というか、聖書には「キリスト教信者でない異民族は 皆殺しにせよ」と明記しているとかなかなか センセーショナルな内容。 最初は面白いがだんだん随所に 著者の「日本人は宗教が わかっていないから駄目なんだ」という偉そうな 態度が鼻についてくる本。 という著者はキリスト教の学者でも難解だという 聖書を理解して言ってるのだろうか?とか 思えてくる。←そういう箇所は引用多いし。 宗教に恐怖心を持たせるには格好の本。 | 徳間書店 |
| <狂い>と信仰 | 町田宗鳳 | ★★★★ | PHP新書 |
| イスラム世界が よくわかる本 | 岡倉徹志 |
いくらイスラム教が女性を擁護していると言われても 現実 アラブ諸国で女性の地位は低そうに見える と反論したくなる本。 | PHP文庫 |
| 魂を漁る女 | マ
レオポルト ・フォン・ ザッハー= マゾッホ |
19世紀後半、キエフ。 青年士官ツェジムは再会した幼馴染ドラゴミラの 妖艶な美しさに心を奪われ、恋をする。 可憐な娘アニッタはツェジムに恋するが、 放埓なソルチュク伯爵の求婚を喜んだ母親に伯爵との 結婚を強く押されて困り果てる。 ソルチュク伯爵もまたドラゴミラに魅せられ、 彼女を我が物にしようとするがドラゴミラには謎が多い。 町の連続殺人事件にドラミゴラは関係しているのか・・・ 退屈な性愛小説かと思いきや、四角関係、推理、カルトを 盛り込んだスリル満点の展開で読ませる。 (以下ネタばれあり) ドラミゴラが帰属する「天の寄進者」の教えは 「人は罪を贖うためこの世に生きている、この世の生を 途方も無い苦痛を伴った死によってに終える者だけが 神の元で永遠の至福を得られる。 「天の寄進者」の教えに改宗しない者を策略と暴力による あらゆる手段を使って網にかけ神の名において拷問虐殺する。 信者達は常に犠牲者を漁っている。」 ドラミゴラは魂を漁る女だったのである。 マゾッホといえば「毛皮のヴィーナス」しか知らず =マゾヒズムとばかり思っていたが、歴史小説、 東欧ユダヤ人の生活、ロシアの異端宗教、女性の 教育向上など社会改良作家だったそうである。 フランスでは彼の作品は高い評価を得たが ドイツ語圏ではプロイセンを矮小化し揶揄した事や、 スラブ人、ユダヤ人の世界を愛した為に無視された。 生活の為に書いた被虐嗜好的世俗的作品と 精神病理学者リヒャルト・フォン・クラフト= エービングが生み出したマゾヒズムという用語が 一人歩きし、マゾッホという作家は忘れられていった。 「毛皮のヴィーナス」も実は「カインの遺産」の中の 第一部の中の「愛」の一編だそうである。 現代にも通じるがいくら自然科学や技術が進歩しても 実証主義は、制限されたとは神の役割や蒙昧や迷信を 排除出来なかった。 ドラミゴラは西欧の合理主義に対抗する非合理主義 (=土着の神秘主義)の象徴で、19世紀のスラブ人は ロシアの既成宗教と教会の堕落、西欧の合理主義の 狭間で異端宗教の勢力は広がり この作品でも描かれる 宗教的陰惨な殺人は後を絶たなかった。(解説より) | 中公文庫 |
| 暗闇の プリンセス | マギー・ シェイン |
マギー・シェインのヴァンパイアシリーズ。 前作で人間だった父とヴァンパイアになりたての 母から生を受けたアンバー・リリーのその後の物語。 彼女は18歳までは普通に成長したが バンパイアハンターの 実験台にされて以来 成長が止まり、人間でもヴァンパイア でもない自分に不安を感じていたが その上に繰り返し見る 悪夢に苦しんでいた。ある日 夢に出てくる青年エッジに 会ったアンバーは危険を感じながらも惹かれていく。 ロマンティックでかつ超常現象も交えたヴァンパイアアクション ロマンス。今作のネタはあり得ないけど発想は面白い。 リンダ・ハワード並の我が子想いの若い父親出現。 | MIRAブックス |
| 奴隷にされた 少女メンデ | メンデ・ ナーゼル |
現代に未だ奴隷が存在する事実は知っていたものの 奴隷にされていた人間のノンフィクションは始めて読んだ。 アフリカのスーダン中部の山岳地帯に住む少数民族ヌバ族は 北部のアラブ系イスラム教徒に差別されてきた。 1983年頃から内戦が激化し、政府軍に武器を供与された民兵の 襲撃を受け始める。 男性は虐殺、女性と子供はレイプされ 性的奴隷家事奴隷と して売られる。 1章では愛情深い両親の元で兄弟姉妹との生活を描く。 13歳で結婚した姉が出産した赤ん坊が死んだ事や ヌバ族のレスリングや 毒蛇に噛まれて死んだ叔母の話、 幼いメンデが幸せな結婚をする為に強制された 割礼の中では最も苛酷と言われる性器封鎖 (古い剃刀による麻酔無しの性器とクリトリスの切除、 残されるのは小指の先が入るほどの穴のみ。 メンデの村でも何人もの少女がこの施術で死に 出産時に妊婦と赤ん坊が死ぬ原因になっている。)の 過酷な描写。 メンデは医者を目指し 父は学校で差別されながらも 成績優秀なメンデを理解し応援している。 12歳だったある夜の襲撃でメンデは父母とはぐれ、 アラブ人の男に誘拐されレイプされ 奴隷商人に引き渡される。 そしてあるアラブ人富裕家庭に売られたメンデは外から鍵を かけられた納屋での睡眠時間以外家事奴隷として休日も無く 働かされる。 その家の主婦ラハブはサディスティックでミスをしたメンデを 死ぬ程虐待し続ける。 じょじょに恐怖で 諦め、メンデは人間としての尊厳を 失っていく。 ラハブは従順になったメンデを姉の家の奴隷として ロンドンに送る。 ラハブの姉の夫はスーダン大使館員だった。 スーダン政府は奴隷制度を黙認している。 2000年メンデはついに同じ部族の男性に 声をかけて身の上話を打ち明け 決死の逃亡を図る。 逃亡は成功したものの イギリス政府はメンデの亡命を 認めず、スーダンに強制送還されると殺されるという 窮地に陥る。 メンデは彼女の支援者達と亡命を再度申告しメディアに 取り上げられ、2000年メンデはついに自由を勝ち取るが 1番大きな目的である故郷の両親に再会するという夢は スーダン政府によって未だに実現されていない。 またスーダンで家族は迫害されているそうである。 現代において「人身売買」(奴隷売買、強制労働、性的搾取)は 先進諸国でも横行し、毎年240万人以上(内子供120万人) が売買の犠牲になっている。 | ヴィレッジ ブックス |
| 日本人はなぜ 成熟しないのか |
クライン孝子 曽野綾子 | please wait | 角川出版 |
| 黄金の獣 | タニス・リー |
不思議な宝石を手に入れた美青年が人狼になって 赤毛の美しい人妻と会い、でどうなるんだと 読み進めてもどうにもならない というだけの話なのですが さすがというのか何というのかタニス・リー、 展開が遅い小説が好きではないのに 絢爛たる文章で最後まで読まされてしまった というのが感想な本。 | ハヤカワ 文庫 |
| 血のごとく赤く 幻想童話集 | タニス・リー |
グリマー姉妹が語る美しく邪悪で残酷な童話集。 「白雪姫」に題材をとった「血のごとく赤く」 リアル過ぎる「いばらの森」、「姫君の未来」 不思議でもう一筆あればもっと面白くなりそうな 「狼の森」、「墨のごとく黒く」、 SF&ロマンス要素の「緑の薔薇」など佳作揃い。 美少女の生贄など相変わらず古い男性社会を感じさせるが 御伽噺には良いのかもしれない。 加藤俊明のビアズリー風モノクロイラストが美しいです。 | ハヤカワ 文庫 |
| 堕ちたる者の書 パラディスの秘録 | タニス・リー |
パラディスの秘録U。 「紅に染められ」「黄の殺意」「青の帝国」 吸血ものの「紅に染められ」 なかなか耽美な文章で滑り出しがかなり期待大 だったのだが、あとひといきで盛り上がらなかった。 良い題材なので惜しい。 「黄の殺意」 ジュアニーヌが義父のレイプから殺人者に堕ちていき そして聖女になるまでを描く。 二作とも「オーランドー」やマルキ・ド・サドを思わせる。 タニス・リーはストーリーテラーだが出来の差が気になる。 | 角川書店 |
| ゴルゴン -幻獣夜話 | タニス・リー |
表題作の「ゴルゴン」は世界幻想文学賞をとったらしい。 幻想小説なのだが 現代における異常な夢のような小説。 こういう意外性はとても好きだ。 一時ハマっていた「残酷なグリム童話」?というレディコミ誌が 似たような作風だったのを思い出した。 このマンガ誌はグリム童話などを素材に各マンガ家が自在に 怪奇幻想ホラー異常心理を描いていて中にけっこう上手い 作品が潜んでいた。 で「ゴルゴン」に話が戻るが 古代の悪魔的怪物を描いた 「シリアムニス」や「海豹」が面白かった。 でも個人的に1番好きなのがラストの「白い王妃」である。 白い王妃は100も離れた王が初夜の床で急死したので 掟に従って庭園奥深くの白々とした高い塔に 幽閉の身となった。 何年も何年も過ぎたある日 一匹の鴉が窓辺に飛んで来て 中に入れてくれと言う。 王妃は人の言葉が喋れる不思議なカラスを部屋に招きいれ 都の新しい王が妃を探している話を聞く。 その話を聞いている内に白い王妃は馬車に乗って宮殿に 向かっている。 待っていた漆黒の王は白い王妃を見た途端 待ち人が 現れたと喜び二人は愛し合う。 夜明け前に白い王妃は一夜だけの愛を振り切るように塔に去る。 鴉は王妃に意外な真実を告げる・・・・ 加藤俊章の押し絵もなかなかいい感じである。 先日読んだ歴史の悪女の本に、「闘うヒロインが出現した 現代において悪女というのは既に時代遅れな存在と なったと書いてあった。 でも悪女は好きv 小沢淳氏が後書きに書いているが フェミニズムを 強く押し出すとエロティシズムが 失われるというのはタニス・リーの場合 頷ける。 | ハヤカワ 文庫 |
| パラディスの秘録 幻獣の書 | タニス・リー |
ヨーロッパのとある幻想の都パラディス。 地方から学業のために上京したラウーランは 凋落貴族デュスカレの館に下宿する。 ある夜 美しい幽霊に出会い 魅入られる。 やがて彼女はエリーズ・デュスカレと知るが その名は都中で恐れられていた。 (以下ネタばれあり) 古代から人の身体に宿り伝染病の如く 生き延びている怪物を巡る幻想怪奇物語。 ネタは既存だが 好きなジャンルだし、 異教の女神やキリスト教への挑戦とも思える (ダ・ヴィンチコードを思わせる)テーマなど楽しめた。 もっと豪華絢爛な言葉を散りばめた文章だったような気が するんだけど・・ それにタニス・リーの性に関わる小説は始めて読んだ。 巧いんだけど深みが無い、怪物との闘いが簡単に終わるのが 残念。 タニス・リーは「平たい地球シリーズ」以来10何巻を 愛読したがだんだんつまらなくなって読むのを やめてしまったので久々。やはり「闇の公子」を上回る 傑作は無い。 | 角川ホラー 文庫 |
| ふしぎ文学館 白昼艶夢 | 朝山蜻一 |
コルセットの妖艶な話に惹かれて買ったのだが 耽奇SM、ボンテージミステリだそうで なんとも変わった小説集です。 ・くびられた隠者 ・女(すけ)には尻尾がある ・白昼艶夢 ・楽しい夏の想出 ・不思議な世界の死 ・ひつじや物語 ・巫女(みこ) ・死霊(しれい) ・人形はなぜ作られる ・泥棒たちと夫婦たち ・虫のように殺す ・変面術師 ・矮人博士の犯罪 ・掌(てのひら)にのる女 ・僕はちんころ ・天人飛ぶ 最初は著者のボンテージフェチの妄想のような 世界の中に迷い込んだような不思議な感触で 中頃の「人形はなぜ作られる」 「矮人博士の犯罪」辺りは江戸川乱歩調で 「掌(てのひら)にのる女」でまたヘンテコなフェチが 出てきて「僕はちんころ」は普通の通俗小説。 顔を変えてしまうというテーマが好きなので「変面術師」 新興宗教の話が好きなので「巫女」、 天の羽衣の話が好きなので「天人飛ぶ」 の3つは好き。 でもやっぱり「白昼艶夢」の女がコルセットで 締め上げられていくシーンが1番妖しくて妖しくて 上手い。 | 出版芸術社 |
| ドラキュラ ドラキュラ | 種村季弘 |
吸血鬼小説のミニアンソロジー。 ・吸血鬼/ジャン・ミストレル ・グスラ/プロスペル・メリメ ・吸血鬼/ジョン・ポリドリ ・吸血鬼の女/E・Th・A・ホフマン ・カルパチアの城/ジュール・ヴェルヌ ・吸血鳥/マルセル・シュオップ ・サセックスの吸血鬼/コナン・ドイル ・吸血鬼/ルイージ・カプアーナ ・吸血鬼を救いにいこう/ベレン ・受身の吸血鬼/ジェラシム・ルカ ・ドラキュラ ドラキュラ/H・C・アルトマン 前半は貴族の美しき婚約者が吸血鬼の犠牲となる というロマンティック?なストーリーが多い。 1番面白かったのが「サセックスの吸血鬼」コナン・ドイル、 ジェラシム・ルカの「受身の吸血鬼」 文体がシュルレアリスムぽくてすごくいい。 他の著作も読みたいけど著者の詳細がわからないらしい。 | 河出文庫 |
| うろこの家 | 皆川博子 |
沼太夫,崖楼の珠,朱鱗の家,傀儡谷,闇彩の女褂(ドレス) 朧神輿,水恋譜,双笛,孔雀の獄,繊夜,寵蝶の歌,葬蘰/収録。 前半 詩の様な書き方に慣れるまで著者の世界に 入り込めなかったのが後半からけっこう楽しめた。 「朧神輿」の無残さ、「双笛」の耽美な物語から一気に 暗澹なラストに永遠に放置されてしまう読み手、 「孔雀の獄」の豪華絢爛な閉塞された世界。 「寵蝶の歌」は哀しくて残酷で上手い。 華麗な言葉遣いと日常に在る異常、残酷+女性特有の粘着性。 詩的な文章のせいか短編のせいかあまり深みは無く 軽くまとまった感が多いが長編だとどうなのだろう。 この短編集は「野生時代」連載時は「絵双紙花魍妖」 単行本では「絵双紙妖綺譚」だったそうで言うまでもなく 著者は「絵双紙花魍妖」が1番好きだそうです。 角川はホラー文庫から出たので 中の一編「うろこの家」を タイトルにしたんだろうけど絶対「絵双紙花魍妖」がいい。 | 角川ホラー 文庫 |
| 何者 暗黒星 | 江戸川乱歩 |
「何者」は普通の推理小説。ラストがシニカル。 「暗黒星」は昔読んだかも(アルツ 館が舞台で美形揃いでけっこう好き。 二編とも少年向けの冒険小説みたい。 | 創元推理 文庫 |
| 銀魂 3年Z組 銀八先生 | 大崎知仁 空知英明 |
小説編「銀魂」。やっぱマンガが面白いです。 笑えたのは「男は皆な狼の皮かぶった変質者よ」 「皮かぶる必要ねぇ」 本編の方が名セリフ多い。 というか学校が嫌いなんだ^^; | 集英社 |
| 算盤が恋を 語る話 | 江戸川乱歩 |
乱歩初期短編推理小説集。さすが地味ながら読ませる。 「双生児」が入ってたので嬉しい、でも映画の方が まだ面白かったような気もする; | 創元推理 文庫 |
| 銀魂 -ギンタマ No.1-12 | 空知英秋 |
爆爆爆 もうマンガは卒業したんだと言いつつまたハマってら; 作者曰く「SF人情なんちゃって(ブラック)コメディ時代劇」。 話は・・・ってもう支離滅裂なんだけど 江戸時代、20年前に宇宙からやって来た天人(あまんと)に びびった幕府が開国して天人はどんどん文明を発達させ 廃刀令を出した為、隆盛を極めた侍は衰退している。 その中でかつて天人と戦った攘夷にも参加していた 独自の侍魂を堅持する坂田銀時は万事屋 (よろずや=便利屋)を営んでいる。 そこへ転がり込んだ新八と神楽、ペットの貞春、 幕府の警察である真撰組一行他全員どこか壊れてる キャラが織り成すギャグあり人情ありシリアスあり シモネタあり何でもありーの中にナゼか人生の真髄を ついているマンガ。 最初は大河ドラマ「新撰組」で始まったそうだけど 途中「夜王嬢王」「電車男」入ってるし爆 こういう生き方が好きv(コミック) | 集英社 |
| 人生讃歌 愉しく自由に 美しく 又のびやかに | 美輪明宏/斎藤孝 |
美輪明宏も最近どの本もほとんど同じ事を書いてるので 特にどうという感想も無い。 石原慎太郎について(特に三島由紀夫と美輪明宏の 会話はうけるw) 日本人の美意識が昭和初期の軍国主義以来 駄目になった話、「いじめ」は「恐喝、脅迫、暴行」、 「戦争」は「大量殺人大量破壊」と言うべき(生ぬるい言葉 で表現しない、事実個人の殺人は大騒ぎするのに戦争は 何となく認められ、いじめは事実は恐喝、脅迫、暴行である) という言葉の話は賛同出来る。(個人的には暴行も強姦と 言うべきだと思う) | 大和書房 |
| とらんぷ譚 /薔薇への供物 | 中井英夫 |
仏映画「LeRomand’unTricheur」の邦題「とらんぷ譚」に 魅せられた中井英夫が紡ぐ短編集、連作「幻想博物館」 「悪夢の骨牌」「人外境通信」「真珠母の匣」を一冊に 集成したもの。 最初読み辛くて放置してたのだが、「人外境通信」の 「薔薇の縛め」から読むとけっこうすんなり入り込めて 正直すごく好きではないけど1回その中に入ってしまうと いつでも抜け出せるのについつい迷路を彷徨ってしまうような。 残酷で耽美に徹する事無く、現実と幻の狭間を揺れる狂気の ような感覚。 「悪夢の骨牌」(謎めいた瑠璃夫人と柚香が繰るタイムトラベル) と「人外境通信」が良い。 「薔薇への供物」は「とらんぷ譚」中にほとんど入ってる薔薇モノ。 薔薇の短編は耽美なのでお勧め。 というか短編が多過ぎて感想書けない; | 創元ライブラリ |
| 悪女入門- ファム・ファタル 恋愛論 | 鹿島茂 |
「マノン・レスコー」アベ・プレヴォ 「カルメン」メリメ 「フレデリックとベルヌレット」ミュッセ 「従妹ベット」バルザック 「椿姫」デュマ・フィス 「サランボー」フローベール 「彼方」ユイスマンス 「ナナ」ゾラ 「スワンの恋」プルースト 「ナジャ」ブルトン 「マダム・エドワルダ」バタイユ それぞれのファム・ファタルの手管を分析した男の狂わせ方?w でもあまりに安易過ぎて読んだらわかるやんという章が 多くて 今流行の世界文学をあらすじで読む、みたいな。 でも私は読みが浅いので「スワンの恋」と 「マダム・エドワルダ」だけは参考になった。 当り前だが 男から見た女性像って女性から見た視覚と 少し角度が違う。 最近、講談社現代新書つまんなくない?; | 講談社 現代新書 |
| 血と薔薇 コレクション1 エロティシズムと 残酷の総合研究誌 | 澁澤龍彦 責任編集 |
1968年に発刊されたエロティシズムと残酷の綜合研究誌 「血と薔薇」の文庫復刻版。 執筆陣は三島由紀夫、稲垣足穂、塚本邦雄、植草甚一etc... 現代においてもはやあまり斬新さは無いが一時は入手激困難 だったらしい。 稲垣足穂何十年かぶりに読んだけど相変わらずで笑えた。 「斜めになった狭い道を歩いていくと」植草甚一が面白い。 武智鉄二「八重桜」が著作権者の許可が下りなかったのか 掲載不可なのが残念。 図版が文庫なのでどうしても真ん中が切れて見え難いのが難。 野中ユリの画がすごく気に入ったんですが検索してもほとんど 何も出て来ない; | 河出文庫 |
| ラプソディ | マギー・ シェイン |
寿命が短い人との愛に苦悩するサラフィナ 「暗闇のプワゾン」のヴァンパイア、ダンテの叔母)と シルエットロマンスから発売された「暗闇のマドンナ」や 「暗闇のファンタジー」と連携していてヴァンパイアの女王 リアノンや転生したジェイムズとアンジェリカの娘アンバー 父親から転生前に採取された精子で生まれたヴァンパイアと 人間の混血)のヴァンパイアハンター、スタイルズによる 誘拐事件を巡る物語。 今作はロマンス色より家族愛がメイン。 マギー・シェインのヴァンパイアシリーズで シリーズで個人的に好きなのは「暗闇のプワゾン」と ジェイムズとアンジェリカを描いた「暗闇のマドンナ」。 | MIRA文庫 |
| 私は高級 コールガール 休日はムダ毛を 忘れる |
ベル・ ドゥ・ジュール |
2003年に英国の「ガーディアン紙」の最優秀賞を取った 匿名の自称コールガールのブログ日記。 仕事内容を省くと普通のブログ。 ブログ本は買うのをやめようとつくづく思った本。 | ヴィレッジ ブックス |
| アレキサンドライト | 山藍紫姫子 |
悪魔城ドラキュラのイラストレーター小島文美氏の美麗表紙に クラッと来てBL?;といったんは思いとどまったものの お友達のレビューで激私好みの【秘密】が存在した事を知り即買い。 いわば既存の耽美ロマンス+既存のハードSMですが 久々に妖しく耽美な世界に酔いしれました。 文体は美しいですが ところどころいきなり展開する 細やかさが無い(途中経過の省略)荒さが少々気になりますが 読ませます。 ちなみに14年前の作品だそうです。 以下ネタバレあり。 流れる金髪とエメラルドの瞳を持つ美貌の貴族シュリルは 隣国の軍人マクシミリアンに捕らえられ 復讐の名のもとに 陵辱の限りを受ける。 シュリルはこれまで両性具有という秘密の為に 何人も近づけぬ感情を持たない人間だったのが 序々に官能を覚え、マクシミリアンを愛してしまう。 が二人には別れが待っていた・・・。 | 角川文庫 |
| 自閉症だった 私へ | ドナ・ウィリアムズ |
一時期心理学に関心があって色々読み漁ったのだが 自閉症だけはなぜか地味で暗いイメージがあって 放置していたのを読み始めた。やはり途中で本を 置きかけたけど いつのまにか文章に引き込まれた。 最初はあまりに奇怪な世界が理解し難く、その内 自分はある種の幻想と狂気(もちろん決して狂って いるのではないのだがそう思える程の異様な感受性の 世界なのである。)の小説を読んでいるのかと錯覚し (それだけ著者は優れた表現力を持つ) 著者の長い長い出口が無い苦しみを共に味わいながら 聡明な彼女は外界と交流するための複数の人格を 作って少しずつ外界と接触していき、ついに自らの力で 殻を打ち破る。 著者は自閉症は(先天性の脳の発達障害だが)、 自らの体験から外界との接触に対する過剰反応と パニックではと書く。 ラスト近くの外界と交流出来るようになった著者が 自閉症の子供達と会うシーンを読んで私は始めて 自閉症児を少し理解できた。 後書きの自閉症の子供達との接触方法を読んで また少し理解できた。でも未だ理解し難い世界である。 自閉症の方は想像を絶する苦労だと察せられる。 なお、著者は高い知能を持ちながら 母親に狂人 無能扱いされ虐待され、それがいかなる弊害を与えたかは ともかく 自閉症児にとっては愛と優しさという直接的な 感情はパニックを起こす程の恐怖なので逆に幸いしたと書く。 と同時に母親と兄による暴行は体が痛いだけで心の傷の方が 痛いと書く。 15歳で家を追い出され様々な苦労をしながら自立した 著者を尊敬する。また著者の驚くばかりの記憶力に脱帽。 本書は自閉症の人が自分の内の感覚を描いた貴重な記録である。 | 新潮文庫 |
| 失われた私 多重人格シビルの記録 | フローラ・R・ シュライバー |
13人に分裂した解離性同一性障害シビルと 11年間に渡って統合に成功させたウィルバー博士の 記録をまとめたノンフィクション。 解離性同一性障害に関しては知識があったので 特に目新しい事は無かったがシビルが3歳半で 発症した原因の一つである精神分裂症の母親がシビルに 大して行った性的な拷問の章は衝撃を受ける。 母親の仕打ちによって40年近い歳月を破壊された シビルを思うと母親への怒りと共に重いため息が出る。 と同時にに母親の異常な行為を気づきながら 見ぬふりをした父親と救えなかった医者に深い落胆を覚える。 今も激増する子供への虐待の被害者を思うと 一刻も早く対応策を考えてほしい。 親もトラウマを抱えていると言っても抱えているなら 生むなと言いたい。子育てをする自信と覚悟が出来てから 生むべき。子育て適応テストなりを作って問題がある場合は 治療するべき。子供は親を選べない。 子供の人生を潰してはいけない。 | ハヤカワ文庫 |
| いちばん 大事なこと | 養老孟司 |
覚書:中近東由来の一神教には 唯一「絶対神」がある。 その本来の意味は神にまかせておけばいいということだろう。 人間が絶対を言う必要はない。だから絶対とは「信仰」なのである。 それでもしばしばそれがすりかわって神に仮託して人間が絶対を 体現するようになる。その意味で一神教は危険な面を持っている。 | 集英社新社 |
| 怪奇・怪談 時代小説傑作選 | 縄田一男編 |
岡本綺堂から宮部みゆきまで11名の作家の短編集。 野村胡堂の「魔の笛」・・以前読んだ笛の話と 同じだっけ?何か違うような・・魔笛の話は面白い。 他はその時は怖いけどあまり深みが無い話が多い (特に近代作家) | 徳間文庫 |
| すべての女は 美しい | アラーキー |
アラーキーの写真に対する独り言のような本。 まあ、やっぱ話より写真見ようって感じだけど 裏話や名言もある。 | 大和書房 |
| あなたは ひとりじゃない | 大平光代 |
「生き抜くヒント」と帯に書いてあったので 人生ハウツーモノだと思って買ってよく見たら 「悩める母と子のための」だった。 大平氏は非行に走る少年少女は家庭内の愛情のズレが あるという。 娘が息子が非行犯罪援交ヤク家庭内暴力ひっきーに なったと訴える悩める母に大平光代が答える相談本なんだけど 愛情というものは 母親、夫婦、恋人、ペットに限らず 自分が最高に良かれと思って与えている愛が必ずしも 子供、ペット、連れ合い、恋人が望んでいる愛=幸福ではないと いう事がわかっていない(相手もまた気づいていないパターンも あり)人が多過ぎると思う。 | 光文社 |
| けものみち | 松本清張 |
これまた再読。 松本清張では1番好きな作品だった。 病身の夫を焼き殺した民子は働いている旅館の客である 小滝の知り合い秦野に連れられて政治界の怪実力者である 寝たきりの老人鬼頭の女になる。 小滝に惹かれながら、鬼頭に将来の安定を 約束させようとする民子だったが・・・ 1回目は徹底したニヒルさに惹かれたけど 小滝結局最後まで謎。 以下ネタバレ。 要するにけもの道を無事通過したのは小滝だけで 民子は惚れた小滝からそそのかされて夫殺した挙句裏切られ 散々玩具にされた鬼頭からも何ももらえず、 悪女になりきれない哀れな女。 うーん、今読めばドロドロの情痴の世界で妖しさ満開だが ←こういうパラーンに弱かったあの頃。 あまり深い内容は無かったらしい; | 新潮文庫 |
| 愛って 面倒くさい |
ラファエラ・ アンダーソン |
以前読んで忘れてまた読んでしまった。 しょーもないのでレビュー載せなかったから忘れたので 一応書いておく。 17歳の処女ラファエラは父兄から殴られる生活に嫌気が さしてポルノビデオ女優になる。 お気楽にやっていた撮影が1995年頃から「ラファエラ曰く 既にSEXと言えない」売れる物なら何でも作るという傾向に 嫌気がさして引退する。 過激なセックス&暴力描写で仏映画史上前代未聞の 上映禁止処分になった「ベーゼモア」というポルノ映画主演。 現在は同性の恋人と暮らしている。 写真を見たが人が良さそうな可愛い顔をしている。 本を読んだ限りでは何も考えないあまり道徳心が無い 少女だったようだが 本の中でというかポルノ業界で それなりに成長しているので違う青春もあったのだろうが これが著者が選んだ半生。 ポルノ女優に対する世間の差別に猛然と怒ったり、 気持ちはわかるが・・ | ヴィレッジ 文庫 |
| キスだけは やめて | ネリー・ アルカン |
高級娼婦のノンフィクション。 著者はカナダ人の現役女子大生。 前半は不毛な仕事内容が延々と続く。 後半は前半にも少し出てくる両親への執着が病的に 堂々巡りで綴られる。 原作ではもっとこの部分がエンドレスに長く読み難いので 短縮したらしい。 厳格なカトリック信者の父親(同時に著者曰く 娼婦買いをやめられない)と父親に愛されずに 若さと美貌を失ってベッドに寝たきり(病名不明。 神経症かも)の母親と シスターに囲まれて早熟に 育った著者は親元を離れて大学に入ると同時に売春を始める。 数箇所に「自分は小さい頃から可愛い」「私は可愛い」 年を取って男性に性的魅力を発揮出来なくなる (=男に愛されなくなる)事を異常に恐れ繰り返し整形する。 著者は,自分を愛されずに生きる屍になった母親と 同一視して,父から愛されなかった母親の為に売春する。 客は 母を愛さなかった父親なのである。 いつもドアの向こうに父親が客として待っている事を 父への復讐として夢見ている。 両親を憎み、この世に幸せなカップルはいないと 自分に繰り返し言い聞かせる。 裏表紙に著者の写真が載っているが確かにブスではないけど 本人自慢の大きな蒼い眼は何だか不安を抱えているように おどおどしているように見えるし、母親似の薄い唇を 拒否して整形してふっくらさせた下唇はタラコ唇で 何だかサンダーバードの人形みたい; 病的に両親の不仲と母の不幸に絡みつかれながら 身体を売る暗い話。映画化されるそうである。 原題は「Putain」(売女、クソ!) | ヴィレッジ 文庫 |
| なんやこれ! アメリカと日本 | 米谷ふみ子 |
在米40年 76歳の画家小説家米谷ふみ子の米国と日本の 在外邦人の選挙権/日本の非常識/アメリカのタブー/ 差別問題など変だと想う事をズバズバ斬り捨てていく エッセイ集。 石原慎太郎論、日本女性の差別に対する鈍感さなど同感だが とにかくあちこちの雑誌に書いたものの寄せ集めなせいか 言いたい事は多く、一章は短く、ふうん そうなのかと 思う間に次の話題で一つ一つがじっくり掘り下げられて いないので不満が残る。 イギリスと日本をを書く高尾慶子氏もそうだが 米谷ふみ子もアメリカと日本どちらも痛烈に批判 しているのが好感を持てる。 特に印象に残ったのは「米国アニメの深層/ 「トイ・ストーリー2」のビデオを孫に送ろうかと 思って見たらアメリカが合唱している「貿易の敵は日本」と いう概念を間接的にインプットしてあったので驚いて 送らなかった。 ガレージセールで日本人がオーナーの博物館に売られそうに なるウッディというカウボーイの人形を皆で助ける話 =日本の博物館は悪者。 この作品は日本文部省選定となり賞賛されたが 監督は「日本で上映する時はドイツの博物館に変えるべき だったかな」と話した。」 下の櫻井よしこや養老孟司、美輪明宏、町沢静夫 江原啓之など書いてある事の大体の主旨は同じ。 | 岩波書店 |
| 大人たちの失敗 | 櫻井よしこ | 特に斬新な事柄無し | PHP |
| 怪奇探偵 小説傑作選1 岡本綺堂集 青蛙堂鬼談 | 岡本綺堂 |
青蛙堂に集まった人々が一人一人経験したり見聞した 怪談を話すのだが、何気ない普段の庶民の暮らしというか、 特に怖げな言葉を使ってないのに ぞーっとさせるとこが さすが岡本綺堂。 ウナギでこんな怖い話 普通書けないっしょって感じ。 中に「その後どうなったのかはわからない。」と いう終わり方になってる話があってそれもまた 本当のようで怖い。面白い作家である。 | ちくま文庫 |
| 黒皮の手帖 上 | 松本清張 |
別名「ザ・女の恐喝」 ヒロインは中年で美人ではない銀行員。 上司を恐喝して大金をせしめ、バァを開くが 雇っているホステスが自分の店の上に 店の客である産婦人科医の金で派手なバァを開くと聞いて 産婦人科医を恐喝し、店を断念させる。 次に狙うのはある料理屋だった・・・下巻無いのでココマデ。 銀行の長い下積みを根に持って大金を持つ獲物を騙しては 巨額を得る色気が無い男嫌いの年増かぁ・・ 個人的に悪女は美しく賢くセクシーでなければいけないので ちょっと違うナー | 新潮文庫 |
| 闇を駆ける女神 | カレン ・ハーバー |
仏革命後のパリで英国人スパイを殺した 犯人を暗殺する為に渡仏した諜報部員コルデは 痛ましい過去を隠し、罪の償いをする謎の美女 シモーヌと出会う。 革命の嵐の中のヴァンパイアロマンス。 ストーリーはまあ平凡だけどロマンティックな ヴァンパイアものは好きデスv | ヴィレッジ ブックス |
| 赤・黒 ルージュ・ノワール 池袋ウエスト パーク外伝 | 石田衣良 |
ぱっとしない映像ディレクター小峰は 氷高組が経営するカジノ売上金1億強奪計画に乗る。 完璧だったはずの計画が名も知らない仲間の1人の 裏切りで横取りされた上に 現金は岩谷組の 金庫に入ってしまい、小峰は氷高組に一生返済 し続ける羽目に陥って、苦し紛れに「金を取り戻す」と 約束してしまう。 翌日から氷高組のサルという組員に付き添われ、 池袋を徘徊する小峰には何の手がかりも無かった。 適度にスピーディーで小気味良い鋭い文章が快適。 ラストの奇跡は出来過ぎだけど。 組長に気に入られる程の回転の良さと大胆さがあるのに 表社会でも裏社会にも所属出来ない中途半端な小峰と 付き添っている内に仲間意識が芽生えるサルのコンビが 面白い。 | 文春文庫 |
| シャドウ・ゲーム | ジョン・クリード |
英国の秘密情報部員を引退したジャックに友人パオロが NYの麻薬王に薬漬けにされた娘の救出を頼まれ、渡米 するが・・まあ、冒険アクションバイオレンス 小説なんだけど原文が悪いのか、訳者が悪いのか 私のアタマが悪いのか わかり難い箇所が多い。 で読後、「あれだけ主役が苦労して仲間まで殺されて 一体あれは何だったんだ?」という虚しさだけが 漂う主旨が空っぽに思えるような小説、上手いのは アクションシーンのみ。 余談でその前に読んだチェリー・アデア「蘭の誘惑」 も麻薬王に騙されて行方不明になった妹を探す姉が 麻薬王の愛人になって調査するというストーリー だったけどこっちはこっちでラブシーンだけが上手く ストーリーはまるでなってなくてこういうテーマ 好きなんだけど2冊共沈没だったっつー; | 新潮文庫 |
| 新編 百物語 | 志村有弘 |
「宇治拾遺物語」「今昔物語」「諸国奇遊談」「兎園小説」 「とはずがたり」「耳嚢」など平安から江戸時代までの百話が 鬼、魔物、妖怪、幽鬼、予兆怪奇、死霊悪霊、人魂、動物怪異 怪談奇談編に分かれている。 さすが昔から残る物語は巧い。 半ページほどの話なのにぞっとさせる話がいくつか。 橋の中ほどで待つ女の姿をした鬼とか好きv 暇つぶしに最適です☆ | 中公文庫 |
| 魔女の笑窪 | 大沢在昌 |
地獄から這い出て来た女 水原は裏社会でコンサルタント業を している。 仕事の為なら殺しも厭わない。 前半のヒロインは女だと自称しているがどう読んでも男としか 思えないので、これは、大沢在昌の描写力不足かと非常に 失礼な事を考えていたのだが、実は後半への序曲だったという 「天使の牙」以来の久々なHIT作。 何気なく語った雑談で死に追いやられるフリーライター、 完璧な美容整形でアジアで成功した女優の突然の失踪。 そして伝説の地獄島とは? 最近 大沢在昌もゆるくなってきたかなと思ってたら やるではないか。 前半は短編が続くので短編集かとがっかりしてたら 中盤から連作になり、後半一気に盛り上がる。 裏社会で再生し、頭脳と理性で完璧に仕事をこなしていた ヒロインが後半で絶対絶命になり、もうページ数が無いのに どうする!と読み手をドキドキさせる上手い手法。 以下ネタばれ メインのストーリーではないが「ジゴロ」という話が 好きなので自分の為の覚書。 水原がアジアのホテルのプールサイドでいかにもツレの女を 待っているようなハーフの完璧なジゴロに出会い、 デートを申し込む。 トニーと名乗る男は24時間だけのデートを承諾する。 そして自分は一人で宿泊していて、若く見えるが40歳で そろそろジゴロは卒業して本当に愛せる一人の女を探す 旅の途中だと水原に話す。 「過去に本当に愛した女は?」と聞く水原に 「10年前に1人だけいた」と言う。 二人は一晩だけ愛し合い、翌日は他人に戻る。 水原は仕事相手の裏社会の年老いた大ボス「将軍」に会うが 将軍には若い愛人であるティミーというアキレス腱があった。 ボディーガードが離れないティミーは将軍の遺産目当てだけに 将軍に縛られている。 そのティミーと水原がプールサイドでトニーに会うのだが 実はトニーの10年前の女はティミーだった。 ティミーの方はトニーをただのいい男としか覚えていないのだが 若い男と遊びたいティミーは水原に頼んでデートする。 巧くやったつもりが将軍はデートを知っていた。 仕事が終わり、将軍は水原に「今度ティミーと会えば殺す」と トニーに伝えろと言うが 水原は命を賭けるも賭けないも トニー自身だと伝えずに帰国する。 | 文芸春秋 |
| 「夜王」1,2,3 | 作/倉村遼 画/井上紀良 |
北海道から流れて来た遼介は行く当ても無く、雨の中 フラフラと高級ホテルに入り、エレベーターに乗る。 偶然乗り合わせたのがデザイナー麗美と歌舞伎町のホストクラブ 「ロミオ」No,1聖也だった。 麗美は部屋について行こうとする聖也を帰し、遼介を部屋に入れる。 ふと耳に入れた聖也の店でホストになれば 憧れの女性麗美に 会えるかもしれないと遼介は飛び入りで「ロミオ」に入店する。 店に一大派閥を張るNo.1ホスト聖也と遼介は対立し始める。 純情と素朴さだけでホストの世界に入った遼介の成長物語。 聖也がブスい、怒ったらまるで鬼; 他ホストも店内ではホストだが喧嘩シーンではヤクザ。 華麗なるホストクラブという雰囲気ではなくて 原作はスポコン; 女性陣が大人でセクシーで綺麗v(コミック) | 集英社 |
| 「嬢王」1,2,3 | 作/倉村遼 画/成田まなぶ |
大学生の彩の父親の会社が突然の倒産し、父親は病に倒れる。 両親の莫大な借金を稼ぐ為、キャバクラ「ピアニッシモ」の ホステスになる。 純情で癒し系で競争心が無いヴァージンの彩は社長達也に 見込まれて新しい店「レジェンド」に抜擢され ホステスNo.1を決定するQ1グランプリに参加する羽目になる。 ホステス同士の足の引っ張り合い、男と女の試算、ビジネスと 恋、絵はロリロリで考えるシーンがいつもお風呂でHシーンが ワンパターンだがなかなか読ませるストーリー。 男の話より女の話の方が複雑で面白い。 彩にコンビを申し込む年増の銀座高級クラブNo.1ホステス 真帆の野望やテクが面白い。 3巻で止めようと思ったのに、レジェンドを買収しようとする 裏社会の大ボスの悪そうな娘が出て来て続きが気になる。 (コミック) | 集英社 |
| 「黒服物語」1,2 | 作/倉村遼 画/紅林 直 |
医者の父親から強制される医大受験に二度失敗した 彰は自暴自棄になって 勢いでキャバクラの黒服見習いに なる。 プロ意識を持った先輩原田を目指して駄目人間彰が必死で 仕事を始め、苦労しながら成長して行く物語。 憧れのホステスと原田がラブホから出てきたのを見て 逆上する彰。 ラストも美しく(絵は今いちだが) なぜか感動する私; (コミック) | 集英社 |
| 日本怪奇 小説傑作集 | 紀田順一郎 /東雅夫編 |
小泉八雲、泉鏡花、夏目漱石、森鴎外、谷崎潤一郎、芥川龍之介 内田百聞、室生犀星、岡本綺堂 、村山 槐多、江戸川乱歩、 大沸次郎、川端康成、夢野久作、佐藤春夫など古き良き時代の作家、 さすが読ませます=コワイ 何かこの辺りに没頭していた中学時代を思い出した。 「悪魔の舌」村山 槐多 「人面疽」谷崎潤一郎が面白かった。 「銀簪」大佛次郎 「蟇の血」 田中貢太郎 が妖女モノでかなり好み。 やっぱ西欧の怪奇小説より日本の怪奇小説の方がおどろしくて 怖い。 2より1の方が個人的にお勧め。 | 創元推理 文庫 |
| 日本怪奇 小説傑作集2 | 紀田順一郎 |
「人花」 友が育てる大輪の花は肉食獣だった。 生きたウサギを食わせるとウサギは恍惚な表情を浮かべて 溶けて行くのを見て、友は我慢出来ずに自らを花に喰わせる。 それはこの世ならぬ快感であった・・・ 「海蛇」西尾正 「黒髪」円地文子 よくある話だがさすが女の情念で読ませる。 「その木戸を通って」 これもどこかで読んだ話だがファンタジックに読ませる。 | 創元推理 文庫 |
| 幻想と怪奇 -俺の夢の女- | 仁賀克雄 |
1950年代を中心にした英仏米現役異色作家のホラーアンソロジー。 「墓碑銘」ブラッドリイ・ストリックランド 「俺の夢の女」リチャード・マシスン が面白かった。 | ハヤカワ 文庫 |
| イギリス恐怖小説 傑作選 | 南條竹則 |
「ヘンリーとロウィーナ」と「見た男」が 面白かったかな。イギリスらしい上質の作品集。 | ちくま文庫 |
| 修禅寺物語 | 岡本綺堂 |
能面師 夜叉王の二人の娘。 姉は貴族の母の血を受け継いで出世を願う。 妹は父の弟子と結婚して地道に暮らす。 ある時、以前から依頼されているがいくら彫っても 死相が出る。 なかなか完成しないと依頼主の頼家がいらついて 家に訪ねて来て 無理やり未完成の面を持ち去る。 その時、姉娘を側室として連れ帰るが・・・ 短編なのにものすごく巧い。 | 旺文社文庫 |
| 素顔なき女豹 | マーク・バーネル | 映画「ニキータ」のヒロインのその後みたいな・・・ | ヴィレッジ 文庫 |
| 激情の沼から 上 | サンドラ・ブラウン |
同僚の警官を誤射した主人公は妻に逃げられ 新装を突き止めていく内、あるマフィアにたどり着く。 ボスの唯一の弱点である若く美しい妻を誘拐した主人公は、 以下下巻が無いのでわかりません。 | 新潮文庫 |
| 翡翠の城 建築探偵桜井京介 の事件簿 | 篠田真由美 |
明治時代以来、創業者の巨椋一族で固められてきた オグラ・ホテル。 創業者の娘である95歳になる真理亜が未だ健在なのに 彼女が暮らす異様な別邸である呪われた「碧水閣」の 取り壊し話が一族の間に持ち上がり、そこに次期社長の 座の奪い合いが絡んだ事件に桜井京介が挑む。 血塗られた一族の過去、複雑な親族関係、異形の館と お約束の推理劇だが このパターン好きですv | 講談社 |
| 吸血鬼ホラー傑作選 血と薔薇の誘う夜に | 東雅夫編 |
かるーく読む吸血鬼ホラー短編集。 三島由紀夫、江戸川乱歩、菊池秀行など。 個人的には倉橋由美子の「ヴァンピールの会」 (「怪奇掌篇」 内の一編)と さすが柴田連三郎 読ませます「吸血鬼」 がお気に入り。 | 角川文庫 |
| 赤い月 上下 | なかにし礼 |
「赤い月」の映画を以前見てから原作が気になっていたので 読んでみたが映画とほぼ同じストーリー。 先に感想を書いてしまうと=映画も原作も起った事を 並べて書いているだけなのでかなり物足らない。 かと言って当時子供だった著者が自分の思いいれで 母親を描くとまた事実と違って来るし、まあ 文章力が無いと言えば無いのだがせっかくの題材を (情熱とパワーを持て余すような母親は常に自分は 正しいと言い張っているように読めるが実のところ エレナを殺した事をどう受け止めていたのかとか 氷室が一生苦しんだ恋人殺しについての苦悩も 今いち描き切れていないし、もう少し深く掘り下げて 描いて欲しかったというのが本音。 この話を例えば長女美咲や氷室が描けばまた違った視点で 面白いのではと思った。 でもなかにし礼が描きたいという女というテーマについては 共感があるので機会があればまた読んでみたい。 以下ネタばれ。 昭和20年牡丹江 関東軍御用達でもある酒造会社である森田家の ロシア人家庭教師エレナ(23歳)はスパイであると何者かに 密告され恋人である 保安局員(秘密警察)の氷室の手によって 森田家の庭で斬首される。 森田勇太郎の妻 波子は3人の子供がいる。 夫を愛しながらも結婚前の恋人である軍人と一夜を共にし、 氷室が自分になびかず エレナの家で決定的な氷室とエレナが 愛し合う姿を息子と共に盗み見てから 嫉妬からエレナを告発する。 氷室はその後 エレナが自分の子を妊娠していたと知って 苦しみ続け、後日 夫を亡くした波子と再会したときには 重症の阿片中毒で波子は子供働きに出して氷室を必死で看病し、 結局 氷室と波子は1度は抱き合うのだが そのまま別れる。 映画ではエレナはスパイ容疑だったが原作ではスパイである。 波子がエレナを告発した事実は夫 勇太郎も 氷室も 子供達も知っていく。 母親より女を優先する波子に反発する 長女と 淡々と見つめている 次男であるなかにし礼。 何か事実は小説より奇なりというか壮絶な話。 | 新潮文庫 |
| 魔力の女 | グレッグ・アイルズ |
著者は「神の狩人」「24時間」などのグレッグ・アイルズ (S・キングに絶賛されているらしい。) タイトルに「魔」と「女」がついているだけで 衝動買いして即読んでしまった。←悪女マニアv ミシシッピ州ナチェイズで石油会社を経営する41歳の ジョンはある日、謎めいた女に出会い惹かれるが その女イヴはとうの昔に殺された ジョンの元恋人マロリーしか知らない過去を語り、 自分はマロリーなのだとジョンに告げる。 愛する妻と娘がいながらイヴとの情事に溺れていく ジョンはじょじょにイヴ=マロリーが愛という名に 隠された恐ろしい復讐を企んでいる事に気づくが 時はすでに遅く、ジョンの家庭は破滅へと転落していく。 一応サイコサスペンスなのだが色んな要素が入り混じっている。 奇想天外な超常現象に主人公も読み手も「まさか」と 笑っている内にグレッグ・アイルズの読ませる文章に 引きずり込まれていつの間にか信じてるし; 「危険な情事」という映画があったけど、+ααα。 | 講談社文庫 |
| 我が名はエリザベス 満州国 皇帝の妻の生涯 | 入江曜子 |
清朝最後の皇帝溥儀の妻・婉容の生涯を描いたノンフィクションと あるがフィクション(だと思う、個人的に)「ラストエンペラー」を 見てからこの本妻が気になって、でもあまり詳しく描いたものが 無かったので本書を購入してみた。 読んでみたがやはり詳細はわからないというか 性格的行動的にあまり表に目立つような人じゃなかったのか。 思うにほとんど著者の思い入れで書かれたような感じで 著者の持ってまわったクセのある(或いは文学的?)表現で ますますわかりにくい部分多々あり。 本書によれば婉容はフランス祖界で16歳まで自由に育った 西欧に憧れるエリザベスと呼ばれるハイカラな少女だったらしい。 それが溥儀に求婚され すでに歴史に埋もれたと思っていた 紫禁城に嫁ぎ、そのまま溥儀が脱出を繰り返すごとに婉容の 人生も「英国で暮らしたい、自由になりたい」と思う自らの 意志とは関係無く転機させられ、夫からも愛されないまま 自殺未遂、阿片中毒、宿した胎児は不義の子と誤解されて 知らぬ間に堕胎され、義母がくれる断阿片薬が後日 モルヒネだったと判明し、廃人のまま40歳で野垂れ死する一生を 描いた何とも虚哀しい話。 文中に出てくる川島芳子と比べて運命に流されるしかない 婉容はあまりにもお嬢様で、昔も現代もこういう地位を 持った男性の妻に選ばれると本当に周囲の思惑や政治的な 陰謀に翻弄されるしかない環境におかれるのだなと改めて思う。 溥儀の「わが半生」も読んでみたいのだが、後書によると 李文達が共同作者・代作者とあるけどどこまで溥儀が 書いたものなのだろう。 溥儀の環境に振り回されやすいなどどちらかというと 欠点が上げられているところが「ラストエンペラー」の イメージとまた違って興味深い。 愛新覚羅関係では溥儀の弟溥傑の妻「愛新覚羅浩」が書いた自伝が 1番面白かったな。 | ちくま文庫 |
| 生誕祭 上 | 馳星周 |
ディスコの黒服だった彰洋は中学の同級生麻美から 金の為なら徹底的に非情に動く男、地上げ屋美千隆を紹介されて、 兄弟の杯を交わす。 貧乏だった麻美は若さと美貌を使って、友人早紀の 父親である業界の大物、波潟を篭絡し、愛人になっている。 麻美は波潟を嫌悪し、美千隆とも関係している。 美千隆に頼まれて 麻美は彰洋と早紀の縁を取り持つ。 そして美千隆は波潟の元へ彰洋を送り込んだ。 大金を動かす魔力に取りつかれた男と女。 ときに疼く彰洋の良心と小悪魔麻美の脆さがどう転ぶのか・・。 馳星周のヤクザものノワールがワンパターンで飽きてたんだけど、 青春ものは(「虚ろの王」が1番好きなんだけど)面白い。 馳星周、 悪女上手い。 | 文芸春秋 |
| ザ・ジョーカー | 大沢在昌 |
あらゆる裏社会のトラブルを請け負う男ジョーカー。 着手金は100万円、連絡場所は六本木の寂れたバー。 短編集なんですがラストの「ジョーカーと伝説」だけ ネタ的に好きなので面白かったです。 けっこう長い年月をかけて書いたシリーズだそうで 気のせいか年月を追ってだんだん面白くなっているような気が します。続編が出たそうなので楽しみ。 | 講談社文庫 |
| ロンドンの 負けない日々 | 高尾慶子 |
ロンドンシリーズ前作がついにオバサン脳化したかと 少しがっかりだったので買うかどうか迷ったんですが やはり高尾さん 冴えてます。 前半は日本と英国の医療事情や福祉事情から英国から見た 日本の政治家、後半は天皇が英国訪英中に日の丸を焼いた 元英国人捕虜との出会い、怒れる年老いた英国捕虜と共に 広島を旅した話など戦争について持ち前の鋭い正論を 歯に物着せず斬る鮮やかさはなかなかの腕前。 英国捕虜を日本に連れて行き、和解させている ホームズ恵子氏についても良い点は良い、間違っている点は 間違いとはっきり言うこの人の魅力はまだまだ尽きそうにない。 | 文春文庫 |
| くちづけは眠りの中で | リンダ・ハワード |
リンダ・ハワードも最近ワンパターンでそろそろ買うまいと 思ったのだが 今作 なかなか本格的ハードボイルドで やはり実力があるなとロマンス小説家でいるのはもったいない位 見直した。 前半は37歳の元CIAエージェント、リリーが復讐の為に イタリア大物マフィアを暗殺し、CIA、マフィア双方から 追われる身となる。 後半は彼女を追うCIAのスウェインとのロマンス絡みだが スウェインが今までの画一的な男性像から少しくだけた 感じに変わって魅力的。 現実味を帯びた国際的問題を素材に、ラストの2つの意外性も 面白く、また続けて読みそうです。 | 二見書房 |
| 愛は命がけ | リンダ・ハワード |
人気だったらしいマッケンジーシリーズの4作目? 誘拐されたギリシア大使愛娘ベアリーと、救助に 向かった特殊部隊シールの海軍少佐ゼインの 大胆な出会いから緊迫した時間の中で育まれる 愛と以外な結末。 一気に読ませるこれぞジェットコースターロマンス。 というか部分的にエロ本かと錯覚するほど濃密。 | MIRA文庫 |
| 薄紅天女 | 荻原規子 |
「勾玉三部作」の三部。 坂東で同い年の阿高と叔父藤太は双子のように育った。 ある夜 蝦夷たちがやって来て阿高に 「あなたは私達の巫女チキサニの生まれ変わりだ」と告げ、 母の面影を求めて阿高は蝦夷の国へ行ってしまう。 藤太と仲間達、都から来た少将坂上田村麻呂は阿高を追う。 一方 長岡の都は怨霊に悩まされ、皇太子安殿皇子が 病んでいるのを 妹の皇女苑上は何とか兄を救おうと 謎の貴人 仲成について男装し東からやってくるという 災厄に立ち向かうが・・・ 「勾玉」三部作完結編。 ストーリーは「空色勾玉」に次ぐ面白さでぐいぐい読ませる。 相変わらず 人物描写の詰めが甘い&蝦夷はどうなった? とか唐突シーンが多いけど;なかなか面白いです。 「更科日記」の「たけしば」を題材にしたファンタジー。 | 徳間書店 |
| 白鳥異伝 | 荻原規子 |
「勾玉三部作」の二部。 遠子と捨て子小倶那は三野で双子同然に育つ。 ある日 三野を訪れたオオウスノ皇子に連れられて 小倶那は都へ行ってしまう。 やがて小倶那が剣の力でオオウスノ皇子を倒して 豊葦原の各地を攻め滅ぼしているのに遠子は 小倶那を殺すのは自分しかいないと各地の勾玉を 集める困難な旅に出る。 やっぱり 一部の「空色勾玉」が面白かった。 個人的には「オオウスノ皇子と早々と共に朽ちる 明姫」が好きだけど それはどうでもよくて 物足らないのが遠子の旅は克明に描かれているのに 小倶那がどうして 遠子の敵になったのかとか その苦しい心境の変換の描写が無いので わかってはいるけど いつのまにこうなってしまったんだ? という流れで消化不足気味のまま 最後の対決に 向かってしまう。 出だしが面白いので、もう少し作者に文章力があれば もっと深みがある作品になりそうな後一歩という感が 残念な「ヤマトタケル」を題材にしたファンタジー。 | 徳間書店 |
| 風@神@秘@抄 | 荻原規子 |
平安末期 坂東武者出身の草十郎は源氏の義平を将として 戦ったものの 義平の弟を助けて脱落した後 義平は獄門に 首をさらされていた。 草十郎は六条河原で源氏の魂静めの舞を舞う糸世という 少女に会う。 草十郎が吹く魔の笛と糸世が舞う不思議な舞が共鳴する時 死者の魂を送り、生者の運命をも変えることを理解して いたのは糸世だけだった。 上皇後白河は二人の力を利用して自分の寿命を延ばそうと するが・・・・ 基本的には「空色勾玉」と同じ路線。600ページ足らず なのだが400ページまではぐだぐたとつまらない。 後ろ1/3は怪異小説風でもあり読み応えあります。 「空色勾玉」と同じくこれもシリーズにするそうですが うーん 同じ路線だし もういいかなという感も。 | 徳間書店 |
| これは王国のかぎ | 荻原規子 |
荻原規子のアラビアンナイトを元にしたティーン向けの 軽いファンタジー。 | 中央公論社 |
| 空色匂玉 | 荻原規子 |
義理の両親に育てられた少女狭也は鳥彦という少年から 「闇の一族の水の乙女」であると告げられながら 輝の大御神の子 月代王を慕って入宮するが、 月代王の姉 照日王が祓いの生贄にするため 捕らえられた鳥彦を探す内に幼少から繰り返す悪夢に 出てくる不思議な人物 稚羽矢に会う。 古代日本を舞台に天の神、地の人間 黄泉の神が 織り成す雅で壮大なファンタジー。 感想を書くとネタばれになるので・・ 稚羽矢の微妙な位置づけと天の神が傲慢で情けが ないところが興味深い。 後書きで著者が書いているが 「ナルニア国物語」が ファンタジーの原点で 海外のファンタジーが多い事に 疑問を抱いていたという点などとても共感できる。 自分が読みたいファンタジーを書いたとの事で 元より高い評価を得ていた作品だが 荻原規子氏 すっかりファンになりました。 久しぶりに綺麗な日本語の文章を読んだな。 | 徳間書店 |
| 暗闇の イリュージョン 暗闇のマドンナ 暗闇の ファンタジー 暗闇のメモリー 闇夜の恋人たち | マギー・シェイン |
マギー・シェインの「宿命のヴァンパイア」シリーズ。 マギー・シェインのヴァンパイアはそれぞれベラドンナ抗体を 血中に持つ人間とある絆で結ばれている。 ヴァンパイアを研究する為捕獲実験する超常現象調査機関DPIに 追われるヴァンパイアと宿命の中、ヴァンパイアに変化する人間 との恋と苦悩を描いたワンパターンだがロマンティックな物語。 特にシスター見習いのヒロインが当事者同士が知らない間に ヴァンパイアと人間の子を生む「暗闇のマドンナ」はけっこう 面白い構成なのでもっと練って「暗闇のプワゾン」MIRA文庫並の 深みがある小説にして欲しかったかも。 「闇夜の恋人たち」はロマンス小説でけっこう好き。 | ハーレクイン ロマンス |
| 岡本綺堂
妖術伝奇集 伝奇ノ匣2 | 東雅夫編 | Please wait | 学研M文庫 |
| 伝奇城 | 朝松健/ えとう乱星 |
朝松健/えとう乱星編集の伝奇時代小説アンソロジー。 「笑い猿」飯野文彦と「サムライ・ザ・リッパー」芦川淳一が ストーリーが面白かった。 トリの末国善己「闇を穿つ想像力ー伝奇という方法論」が 下の「神州纐纈城」国枝史郎やこないだ激ハマった 「帝都物語」荒俣宏、「眠狂四郎」柴田連三郎まで言及していて 読み応えあり。巻末の伝奇小説時代年表が貴重。 | 光文社時代 小説文庫 |
| 神州纐纈城 | 国枝史郎 |
国枝史郎お得意の三角関係から生まれた兄弟の呪わしき 憎悪、もう一組の三角関係を絡めて無限に広がる 奇想天外な国枝わーるど。 グロいけど「八ケ嶽の魔神」よりおどろしくて 個人的には好きぽい; 特に好きなのが富士裾野に巣食う魑魅魍魎の一人である 面作師月子。 陶器師に追われる美男子伴源之丞と美女園女が復讐の追っ手から 逃れる為に月子に恐怖の顔と悲哀の顔の造顔術を受ける場面が 何とも恐ろしく妖しい。 で物語が絶頂に達した時に「未完」( ̄□ ̄; 纐纈城城主がその仮面を外した瞬間 未完・・・・汗 | 講談社 大衆文学館 |
| チャイ・コイ | 岩井志麻子 |
岩井志麻子の10才年下のベトナム人の愛人との出会い &SEXを描いた私小説。 どうせエロ本と思ったら違っていた。 出版関係の愛人他数名と関係を持つ30代後半の 女流小説家がベトナムのレストランの28才のボーイに 欲情してホテルに誘い関係を持つというストーリーで、 8割SEX描写なのだが文章が上手い、"8割"を感じさせない。 渡辺淳一、鹿島茂、林真理子、俵万智が後書で絶賛しているのだが 渡辺淳一は相変わらす旧態然としてて「女性が欲情する自体 驚異的」のように書いて、最後は「女性はペニスの 大きさで男を判断しないという新発見に驚く」相変わらずの 馬鹿ぶり; 鹿島茂はもっと即物的に書いたら満点とか偉そうに批評しているが 即物的に書いたら男性のエロ小説と同じになっちまうじゃないか。 で林真理子、俵万智も斬新さを絶賛しているのだが 何のことはない どこかで読んだようなと思ったら 「愛人ーラ・マン」マルグリット デュラスの雰囲気そっくりだった。 | 中公文庫 |
| 雨の影 | バリー・ アイスラー |
日米ハーフの殺し屋ジョンは警察庁部長タツに頼まれて また仕事を始めるが、凄腕の殺し屋や政治家、CIAまで 絡んでジョン自身も危険に陥る。 3年間日本在住だった著者のシリーズ2作目。 1作目の「雨の牙」と間違えて買ったヽ( ´Д `)丿 思わせぶりな文章、やたら説明好き、自己投影したような ナルシズムを感じる主人公、外人から見た日本 1作目世界で絶賛されたと書いてあるけどマジですか。 色々凝ってる割に浅いんですけど; それとヴィレッジブックってずっとロマンス小説の 出版社だと思ってたけど違うんですね汗 | ヴィレッジ ブックス |
| 感傷の街角 | 大沢在昌 |
長編かと思ったら短編集だった。 大沢氏デビュー作らしい。 テーマは「失踪少女探し」 まあ、これといって特徴は無いけど 「風が醒めている」はベタだけど雰囲気が好き。 (以下ネタばれ) 梨子(アリス)と名乗るハーフのゲイから妹(梨子)を 探して欲しいと依頼されたコウはヤヤという娘から コールガールの元締めをしている女を紹介される。 その女はヤクザな恋人の暴力と覚せい剤から梨子を助けて コールガールとして雇ったが恋人が現れて迷惑を かけられないと自殺未遂した梨子は植物状態で入院していた。 という話。 解説を書いている池上冬樹がちょっとヒネていて 大沢在昌の代表作をけなしてマイナー作品を誉めているのが 面白い。特に新宿鮫シリーズの鮫の恋人晶が出て来る作品。 鮫と釣り合わないから嫌いらしいw | 角川文庫 |
| 国枝史郎 ベストセレクション 伝奇ノ匣7 | 東雅夫編 |
「八ケ嶽の魔神」 一人の女をめぐる兄と弟の愛の確執が生んだ無残な闘いが 一族を山窩族と水狐族に分け、憎悪と復讐の歴史が始まる。 なんかすごい奇想天外。 スピード感もあって飽きずに読ませる。 面白いんだけど 著者の癖か事件が一体何だったのか 究明されないまま 次の時代へポーンと飛んで行くので 一章一章がちょっと尻きれとんぼな感もある摩訶不思議な 伝奇物。 他に5編収録されているんだけどあまりに分厚くて忘れた; ラストの「レモンの花の咲く丘へ」 はロマンティックで少女っぽい耽美劇。 タイトルがどうかと思うが、文章は綺麗。 | 学研M文庫 |
| インドな日々1.2 | 流水りんこ |
インド人と結婚したインドオタクのマンガ家のインド 紀行マンガ。下ネタ多し。 | 角川文庫 |
| 罪の香り | 田中雅美 |
小説のネタに買いました; &謎の女フェチです; バンドマンを目指すイケメン剛は化粧品会社ウィンドの 知り合い蕗田に頼まれて女社長幸子の愛人になるが 自分でもその生活に不安を抱いている (抱くならなるなって感じなのだが) 内に偶然知り合った寂しげな(この寂しげなという 表現が毎回付くのが少しうざい)美女 綾香に出会い 二人は恋に落ちる。 が綾香は挙動不審で心配した幸子と蕗田が調査を開始する。 以下ネタばれ。 綾香は以前母が再婚した義父にレイプされそうになり 義理の兄であるイケメン総に助けられて以来 総の愛人で あり、玩具であり仕事道具として扱われている。 総はウィンドを業績不振にする仕事を請け負っていた。 でまあ 官能サスペンスなのだがなぜ官能かというと 綾香は総に抱かれ、仕事の為にウィンドの社員に抱かれ 剛とも関係しているので官能シーンは必要らしい。 ・・・だけの本。 | 徳間文庫 |
| 凍える瞳 | クリスティ ・ティレリー ・フレンチ |
使い古されたネタ。 引退した警察官ガースの元へ悪名高き犯罪組織の ボス サルバトーリの妻ケンドラが逃げ込んで来る。 父の犯した犯罪のカタにサルバトーリと結婚した ケンドラを助ける内ガースとケンドラは愛し合うが サルバトーリは二人の居場所を見つけ出す。 最近のロマンス小説はネタ切れと見えてサスペンス傾向に ある。ハーレクイン全盛の頃から考えると書き手も 上手くなっている。 ストーリーはありきたり。 サルバトーリの凄惨な非人道ぶりがグロくてキモイ一品。 なんか大沢在昌の「天使の牙」思い出した。 あんなシビアじゃないけど; | 二見文庫 |
| ゴシック名訳集成 西洋伝奇物語 伝奇ノ匣7 | 東雅夫編 |
「大鴉」エドガー・アラン・ポー 「アッシャア家形崩るるの記」同上 「おとらんと城奇譚」ホレス・ウォルーポール 「開巻驚奇 龍動鬼談」エドワード・ブルワー・リットン 「怪の物」ドクトル・エマニュエル 「モンク・ルイス」と恐怖怪奇派 小泉八雲 ゴシック小説の元祖扱いの「おとらんと城奇譚」がずっと 読みたくてやっと手に入れたんだけど平井呈一氏の古文訳 わけわかりませんヽ( ´Д `)丿 まあ簡単に言うとおとらんと城の城主がとち狂って 自滅してしまうという話なのだけどストーリーは いと単純。 「開巻驚奇 龍動鬼談」も井上勤氏の古文訳のせいで わけわからん。 で1番よかったのがやはり 私が好きな黒岩涙香氏訳の 「怪の物」 怪の物の素性が前半からわかっているのに先へ先へと 読ませる技巧はさすが! 後半の意外な展開に一気読みしてしまった。 | 学研M文庫 |
| 龍の黙示録 | 篠田真由美 |
秘書の仕事を紹介され鎌倉の著述家 龍緋比古の家で 本の整理をする事になった柚ノ木透子は知らぬ間に 2000年間続く悪霊とヴァンパイアの諍いに巻き込まれる。 うーん、セリフは雰囲気があるけど文体が普通の作文風で萎える。 龍緋比古は澁澤龍彦にそっくりだ。 ヴァンパイアとイエスを結びつける発想の大胆さは面白いが 宗教的に考えると矛盾が多過ぎる。 透子の設定が筆者のOL体験の恨みに基づくと筆者が言うように 女性性否定が少しヒステリックで鼻につく。 もう少しさりげなくかっこいい主人公にした方がよかったような。 確かに読み物としては面白いが軽い。 もう少し美文だったらシリーズも読んだと思う。 | 祥伝社文庫 |
| 妖異七奇談 | 夢枕獏 朝松健 菊池秀行他 |
「黒川主」夢枕獏 陰陽師シリーズ初期の作品。 黒川主という妖怪に魅入られた娘を救う話。 とぼけた安倍晴明と真面目な源博雅のやりとりが 味があって面白い。 「飛鏡の蠱」朝松健 日野富子と義政の弟が夫であり兄である足利八代将軍義政を 呪い殺そうと月輪鏡という鏡を持ち出すがそこに映ったのは ・・・・・何とも絶妙な一品。 「あやかし」山田正紀 隅田川に巣食う妖怪を退治する羽目になった武士を捨てた男と 武士を捨てきれない男二人の顛末。妖怪退治だけでなく 様様な要素を盛り込んだ凝った一品。 「小袖の手」宮部みゆき これは衣装に憑いた女の怨念話なのでよくあるパターン。 「両口の女」東郷隆 これも昔話でよくある二口の女の話。 「清太郎出初式」梶尾真治 これよくわかりません; 「幕末屍軍団」菊池秀行 面白いけどバイオハザードのパクリぽい。 | 双葉文庫 |
| Truth In Fantasy 58 アーサー王 | 佐藤俊之 F.E.A.R |
去年「アーサー王」の映画を見てアーサー王って こんなだっけ?と数冊買い込んだ中の1冊。 アーサー王って何となく大好きなんだけど よく考えてみたら子供の頃に岩波の児童文庫で 読んだだけじゃないか汗 というわけできちっとさっさと片しようとまず手に 取ったのが本書。 人物ごとの解説書という考えが甘かった。濃いです。 後で前書き読むとやはし「本書はアーサー王伝説を研究した 学術書ではありません。複雑なアーサー王伝説を解説したり、 あらすじを紹介するガイドブックでもありません。」汗 というわけで登場人物一人一人の生涯、生き様、性格を 詳細に分類して書かれたものなのでかなり読み応えあります。 同時に複雑な人間関係百科にもなっているので入門書として 非常にわかりやすいです。 「白鳥の騎士ローエングリン」も子供の頃 絵本に夢中に なって見入っていたが アーサー王の話だったのか; 「トリスタンとイゾルデ」も大好きだったけどやっと詳細が わかったし、聖杯の意味もやっと理解できた; 登場人物の中で1番惹かれたのがランスロットの息子を 孕むエレイン。 あとアーサー王を破滅させる息子モードレッドや モルゴースとロット王の息子達も悪者扱いではなく 運命と呪いに翻弄されていく哀しさが描かれている。 というわけで次 物語にイキマス(遅っ | 新紀元社 |
| 遥かなる 時空の中で 1〜9 | 水野十子 |
だいぶ前にゲームの話で盛り上がっていたのを家人がついに PSを買ってハマり、コミックを全部揃えたので貸してもらった。 原作よりアニメ、アニメよりゲームの方が絵が綺麗。 登場人物は現代から平安の京にタイムスリップして わけもわからぬ間にアクラムを首領とする鬼族から都を守ると いう龍神の神子だと言われて 美しき八人の男八葉に 守られながらだんだん強くなっていく話(多分 一見、キャラ設定はドリーム小説の逆ハーみたいだが なかなか各キャラの性格や考え方、行動の違いは奥深く、 真実をついているし、ギャグセンスもあるし ストーリー展開が面白い。 特に好きな話が友雅と藤姫の出会いと友雅と婚約者に捨てられて 死してからもなお男に復讐する姫君の話、永泉と呪われた金色の琴 かな。(コミック) | 白泉社 |
| スピリチュアル カウンセリング | 江原啓之 |
「スピリチュアル=精神的な、霊魂的な」? というわけでTVで江原氏のカウンセリングを聞いて なかなかいい事言うじゃんと思って買ってみた。 私は霊を信じないので最初はこの人は筋が通った人で 霊的なポーズで人気取ってるのかなと穿った見方を していたのだが、マジ霊的な人らしい汗 あの風貌とゆっくりした静かな話し方で非常に理屈の通った 話をされるので癒されるんだろうなと思う。 ただ 聴いている分にはまあ自然に聴けるのだが 本で読むとやはり霊的な話部分が多く、例えば死者が 延々と2ページにわたってこう話していますと書かれると マジかいなと突っ込みいれたくなるのも確か。 4つの霊界と輪廻転生の話もすごく説得力があるのだが 見て来たわけ?とこれまた突っ込みを入れたくなる。 というわけで確かに癒される、いい事を言っている、 が霊的な話は除く。 というか江原信者が続出するのではないかと心配。 江原氏自身も言っている通り、占いや江原氏に自分の考え 全部を預けてしまうのは非常に危険だと思う。 | 中央公論社 |
| 異形 コレクションW 人魚の血 | 井上雅彦 |
人魚に纏わるアンソロジーはほとんど哀しい。 人魚に幸せってないの? あと人魚にカニバリズムというのは変かもしれないけど 人魚=知性無し&邪悪という点から 人魚を捌く割烹店の話が いくつかあって人魚好きとしては気分が悪くなった。 | 光文社文庫 |
| 異形 コレクション[ 妖女 | 井上雅彦 |
異形コレクションシリーズってホラーでしたっけ; 妖女と見ただけで勝手に自分の世界に飛んでしまってから 深夜 読んでるとこぇー; 何が怖いって1番怖いのが内表紙のグロテスクな仮面を被った 吉田良のDOLL。(家人に見せると恐くないというので恐怖感と いうものは人それぞれだなと。。) 「まあこ」うぶ方丁 これはダッチワイフに魅せられたメイクアップアーテイストの話。 よくある話だがラストが衝撃的でうよかった。 「秘密」小沢章友 レトロな文章が読ませる。 謎の女に住み込まれた男の正体・・ 「木曾の褥」朝松健 一休を主人公にする室町ゴシック。 これまたよくある深山の中に突如現われた屋敷に住まう 美しい姫が旅の男をたぶらかす話なのだが 途中から意外性を持たせた事で見事にリメイクされている。 | 光文社文庫 |
| 湖上の姫 桜子 | 大仏次郎 |
応仁元年、京の都は戦に荒れ果てていた。 弁慶の異名を取る足軽は十六夜の晩に満開の桜の樹の下で 美少女を拾い、桜子と名付け掌中の珠の如く可愛がる。 暗闇でも眼が見え、達筆の桜子は他は何も知らぬ 生まれたてのような純粋さで、見るからに高貴な品がある。 桜子が足利将軍義政しか持たない珍しい香を身につけて いたのを不審に思った義政の隠し子を疑う者が過去を調べ始める。 平行して旧家の出で一族が滅びた赤松又太郎直冬は 阿修羅という異名で義賊の頭になっている。 ある日偶然出会った美しい月姫と一晩を共にするが 月姫への思いに気づいた時には月姫は嫁いでいた。 足利将軍義政の愛妾 今参りの局の悲劇を織り交ぜた 美しい物語。 | 徳間文庫 |
| 和宮様御留 | 有吉佐和子 |
徳川に降嫁を命じられた皇妹和宮には左手が無かった という話は聞いた事があったが、本作では足の悪い 和宮を母である観行院が兄の屋敷で下働きをしていた 孤児フキを身代わりにしようと御所風の習慣を教え込み、 降嫁の旅に江戸へ向かうが・・・ 御所の日常の生活、言葉使い、衣装、化粧 用足しまで仔細な描写が何とも独特で興味深い。 それに加え、和宮に纏わる謎解きのような 面白さでぐいぐい読ませる。 後書きで篠田一士氏が無学無知故に悲劇の 末路をたどるフキを「可憐」と単純に表現しているのに 違和感を感じる。 | 講談社 文庫 |
| ゴシックハート | 高原英理 |
ゴシック評論。黒の十字架の装丁が美麗でゴシックの精神、人外 怪奇と恐怖 様式美 残酷猟奇 異形 両性具有 人形 廃墟とメニューは ゴシックだが中身はどうだろう。 著者のこれまでの評論集にゴシックをこじつけたような。 梅図かずおの章が1番熱入ってるし汗 | 講談社 |
| 暁に輝く星 | リンダ・ ハワード | ×←最初から惹かれあってる二人に萌え無し | MIRA文庫 |
| ダイヤモンド の海 | リンダ・ ハワード |
夫を殺されて海沿いに建つ家で一人暮らすレイチェルは ある日海岸で傷つき倒れている全裸の男を見つけ 家に連れ帰る。 テロリストに追われる諜報員のケルはレイチェルを危険な 自分の仕事に巻き込みたくないと傷が癒えるまでの愛と 自分に言い聞かせ、レイチェルは危険を伴っても新しい愛を 失いたくない。二人の葛藤を描いた佳作。 | MIRA文庫 |
| 楊貴妃伝 | 井上靖 |
寿王の妃だった楊玉環は22歳の時に寿王の父である56歳の 玄宗皇帝に召され、玄宗の愛妃となった。 楊貴妃伝とあるが楊貴妃の想いや男女の愛が 描かれているのではなく各権力者の政治的争いの動きが克明に 描かれる。 | 講談社 文庫 |
| 暗闇のプワゾン | マギー・ シェイン |
友人が所有する館にこもって脚本家志望のモーガンは ヴァンパイア、ダンテが書いた古い日記を見つける。 それを元に作品化された映画は大ヒットするがベラドンナ抗体という 特殊な血液成分を持つモーガンは衰弱していく中、夢の中でダンテと 出会い強く惹かれる。 その頃私立探偵マックスは少女の頃に経験した謎の研究所火災に 関連する事件に巻き込まれる。 幻想的でロマンティックでスリリング。 ただ吸血欲求と性的欲求は結びついているという説はいいんだけど ダンテに関わる女達がいつも「いきなり全裸になる」のが不自然 なんですけど汗 ロマンス小説もなかなか上手い作家が出て来た今日この頃 ヴァンパイアや超自然現象をテーマに書くマギー・シェインも捨て難い 一人である。 何か最近ヴァンパイアますます惹かれるのはなぜ? | MIRA文庫 |
| イギリス・ ニッポン 言わせて もらいまっせ | 高尾慶子 |
「イギリス人はおかしい」シリーズで大いに笑わせてもらった著者の 新作。著者もめでたく60歳になり イギリスの年金生活開始だそう。 って相変わらずズケズケ本音で書いてるけど何か前より かわいげが無くなったというかオバサン根性+持ち前の根性が 悪化したというか年食ったのか独りよがりな部分が見え始めたような。 日本のバブル崩壊がイギリス経済にも影響を及ぼしたとか 若きアラン・ドロンのエピソード(日記参照)とか日本も 予定している2015年移民計画をすでに実行している 英国の現状とか、いつも日本視点で物を考えてるので 英国視点の著者は興味深いし、とにかくありがちな英国礼賛本 じゃないのがいい。 | 文春文庫 |
| 逢うには 遠すぎる | 北方謙三 |
カメラマン上杉に助けを求める無言電話が別れた妻から かかってくる。行方不明の元妻を追い、上杉はロスへ飛ぶ。 くだらねー・・・文章下手〜 | 光文社文庫 |
| 帝都物語 | 荒俣宏 |
帝都物語第壱番 神霊編 魔都編 帝都物語第弐番 大震災編 龍動編 帝都物語第参番 魔王編 戦争編 帝都物語第四番 魔王編 戦争編 帝都物語第伍番 百鬼夜行編 未来宮編 帝都物語第六番 喪神編 復活編 Please wait. | 角川文庫 |
| 新宿鮫Z 灰夜 | 大沢在昌 |
手紙を遺して自殺した宮本の七回忌に呼ばれた鮫島は 新宿を離れ 宮本の故郷へ赴くが、翌朝彼は檻の中で目覚める。 二つの暴力団と北朝鮮まで絡ませた渋いハードボイルド七作目。 | 光文社文庫 |
| 東京騎士団 | 大沢在昌 |
T大在学青年実業家鷹野達也は弟分路とクルージングしたり 夜の六本木で遊び倒して暮らしている。 そこへ帰国した友人である天才ゴルファー貝塚の恋人が 誘拐され奪回する為に乗り込んだ先で「若きエリート」だけで 世界を変えようとする「超十字軍」という世界的巨大秘密組織を 知る。その組織に鷹野自身も誘われていた。 前半キザ野郎連発臭すぎるぜって感じなのだが、 さすが大沢在昌、戦闘態勢に入る後半は新宿鮫を彷彿とさせる スピード感。まあイタリアの本部に乗り込むラストがあまりに すんなりと行き過ぎるし、首領の正体が何かの映画のパクりっぽいが まあまあなハードボイルド。大沢氏も若かったですな。 | 光文社文庫 |
| 寄り道して 考える | 養老孟司 +森毅 |
いい加減ネタ切れの養老氏だが森氏を組めばまた違う面が 開拓されて楽しめた。 批評文を批評するほど力が無いのが情けないが、自らを非国民、 軟弱派を自称する二方、最初は噛みあわず別々に話しているのが 後半面白いようにお互いが連鎖してウマが合っていく。 「いい加減でいいじゃないか」 「九割の大多数より一割の少数派たれ」 「一致団結頑張ろうの軍隊文化を問う」 森氏と大学で先輩後輩だった三島由紀夫について述べたetc... 「二人の人格が同居した三島由紀夫」etc... 紹介したい文章がてんこもりなのだが書き切れないので一文だけ・・ 「戦後は明るくなったと言いますが、本当に暗がりがなくなって しまいました。しかし それが本当にいい事なのでしょうか。 我々は意識だけで生きているわけではないのですから、 理解できないもの、暗がりの中の得体の知れない物も必要なのです。 それをなくしてしまったことがかえって我々を追いつめているような 気がしてなりません」(by 養老孟司) ちなみに「理系と文系がクロスした人間が面白い」中の中井久夫氏は 私の主治医だった。 | PHP文庫 |
| お伽草紙 新釈諸国噺 | 太宰治 |
太宰治苦手なんだけど「お伽草紙」好きなので買ってしまった。 要するに太宰風パロディなんだけど現実的で少し暗い 感じに仕上がったお伽草紙は何だかシニカルとブラックの間の 苦笑に近い笑いをかもし出して何ともいえぬ作風になっている。 西鶴の作品を踏まえた新釈諸国噺は元の話があまり魅力感じないので 飛ばし読み。 | 岩波文庫 |
| 海猫 上・下 | 谷村志保 |
函館で暮らすロシア人の亡き父と日本人の母タミの娘である 薫は邦一にこわれて漁村に嫁ぐ。 人形のように白い肌の壊れそうな美しい薫は必死に過酷な漁に 耐えながら長女美輝を生むがその頃から邦一の中に潜む荒い性格に 気づきじょじょに心と体を閉ざしていく。 邦一の弟広次はマリア像に似た兄嫁を愛してしまい、薫も答える。 広次の子である次女美耶が生まれ、弟との関係を疑う邦一はますます 荒れて両親と共に産後の肥立ちが悪く衰弱していく薫を柱に 縛り付けて軟禁する。 広次と薫の弟が助けに駆けつけるが・・・ 簡単に言うと既存の兄嫁と弟の不義なのだが女性特有の粘っこさと 閉鎖的な漁村での方言を使った会話が特徴。 悲劇に終わる上巻はともかく 美輝と美耶姉妹がルーツを辿る 下巻はまとまりがない。 「結局、幸せになりたければ自分でつかむしかない」という 言葉は賛成だが、と書きつつ終始キリスト教的 「罪を犯した者には罰」 という考えが一貫し過ぎる。 美人薄幸な姉薫と堕落した弟孝志という二人の混血の子供の 養育には失敗しているが、この中で1番まとものは薫の母タミである。 ロシア人の夫と駆け落ちして若くして死に別れるが今だに夫を 愛している。いつまでも色気があって度胸がある。 佐藤浩市主演で映画が公開されるらしい。 | 新潮文庫 |
| 最遊記RELAOD四巻 | 峰倉かずや |
やっと出ました(涙)
三蔵と暮らし始めた悟空の章(三蔵微笑んでるし汗)
八戒と暮らし始めた悟浄の章(悟浄の昔のワルダチ、バン里(字出ない; 出演)、光明と鳥哭の終章、&ヘイゼル登場。 峰倉センセ また絵変わってるよ。 三蔵はますます渋くなってるし、悟浄もめちゃオヤジ化で 過去を描いているのでちと違和感。(コミック) | 一賽舎 |
| 雪蛍 | 大沢在昌 |
「心では重すぎる」に続いて読んだ佐久間公シリーズ。 ヤク中更正施設のアドバイザーとして暮らす公は 時々資金源のために昔の仕事である私立探偵も兼ねている。 元大女優小暮君子の孫娘雪華が恋人と失踪し、探索を依頼されるが 小暮家は複雑に入り組み、そこへヤクザも入り混じって難航する。 その間に施設に入って来たホタルという男が次々に問題を引き起こし そちらの方を解決していく内に小暮事件はラストであっさり終わる。 2つの問題を絡ませて描いて行って、本題の事件のがラストで 説明のように数ぺージで解決されてしまうのはこのシリーズの特徴 なのだろうか 「心では・・」よりも公の精神面の描かれ方が緻密になった。 「新宿鮫」と違って著者の年齢が上がったのか方向転換なのか 探偵である公はそんなに強くも無いし 非常に人間臭く 全体にピリピリした緊張感も無い。 ネタも新鮮味に欠ける。 まあまあなハードボイルド。 | 講談社文庫 |
| <私>の愛国心 | 香山リカ |
最近新聞の香山リカのコメントに関心があったので読んだ。 精神科医が精神医学から見たアメリカと日本の今。 自分の考えは出てこなくて延々と引用文が続き 最後にアメリカも日本も病んでいる。 病んでいる国どうしが上手くやっていくには 「リミットセッテイング」しか無い。 ま そうなんだけど理想論というかこの自分の頭で 物さえ考えない大人になりきれない国民(政治家含)の中で 誰が実行するんだという感じなのだが、「今こそ個人を抑え、 公を大事にして愛国心を持てば問題無い」という昨今の 流れには香山リカ氏と同じく大いに疑問あり。 (個人的に言わせてもらうと大体 自分の子供にさえ 愛情を持てない首相に愛国心なんぞ持てるのか?) 「自己を確立してこその公である」大いに賛成。 日本がこのまま病んで行けばこの国に見切り つけないでもないとまで言い切る著者だが 本の内容は中途半端。 というか自己の内面にのめりこんで行く傾向に あるという昨今の日本人が怖い。 | ちくま新書 |
| Platonic Sex | 飯島愛 |
こないだ映画が意外によかったので原作を読んだが 予想通りというか映画はオダジョーのナイス演技のせいで騙された。 つーか映画と原作、これって詐欺?程違うやん 感想書く気もしない、解説の香山リカ氏も「著者が何でこの本を 出版したのかわからない」と困っていたヽ( ´Д ‘)丿 | 小学館文庫 |
| あの日を探して | リンダ・ ハワード |
クズ呼ばわりされるデブリン一家は母レネイの愛人である 町の有力者ガイの土地で暮らしている。 末娘フェイスは少女の頃からガイの息子グレイに憧れていたが ある日ガイとレネイが駆け落ちし、激怒したグレイは デブリン一家を小屋から放り出し町から追い出した。 苦労の末、事業家になったフェイスは嫌がらせを承知で 故郷に戻るが・・グレイとフェイスが敵対しながらも 惹かれあうという話なのだけど、現実名家の息子が 下層階級の娘と結ばれるとは思えないし、父譲りの プレイボーイが真実の愛に目覚めるとも思えないし、 寝込みを襲われて家財ごと放り出されるという屈辱を 受けてなおも愛するフェイスのプライドを激疑うが リンダ・ハワードはやっぱ面白いし、上手い。 | 二見書房 |
| 悲しみに さようなら | リンダ・ ハワード |
リンダ・ハワードもそろそろワンパターンかなと思ったが、 これは面白かった。 10年前メキシコで乳児の息子を誘拐されたミラは誘拐された子供達を 探す組織で活動しながら息子の発見だけを目的に生きている。 ロマンティックサスペンスなんだけど、「乳児売買」「臓器売買連続殺人事件」と メキシコとアメリカの間の裏社会で活躍する処刑人ディアスを上手く 絡ませて単なるロマンスではない読み応えがある作品に 仕上がっている。 | 二見書房 |
| 怪奇礼賛 | E・F・ベンスン・ A・ブラックウッド他 |
英国怪奇小説アンソロジー。 ひそやかな恐怖と不思議とシニカルな怪奇選集。 H・ラッセル・ウェイクフィールド「ばあやの話」 マーティン・アームストロング「メアリー・アンセル」 ローザ・マルホランド「悪魔の館奇?」 ジェイムズ・ホッグ「地獄への旅」 マージョリー・ボウエン「2時半ちょうどに」 A・J・トリマー「髪」 エイドリアン・アリントン「溺れた婦人」 メアリ・コルモンダリー「死は共に在り」 が面白かった(メモ) | 創元推理文庫文庫 |
| 聖母の微笑み | ダイナ・ マコール |
NYで殺された。老人は元ロシアの遺伝子研究者だった。 FBIのジャックは老人が暮らしていた山あいのホテルに 潜入するが、そこで肖像画そっくりの美しい娘に会う。 ロマンス小説界ついにネタが無くなって世界規模の話が 増えてますが、うーんちょっと無理があるかも。 これも発想は面白いんだけど消化しきれてない。 | MIRA文庫 |
| 煉獄の華 | テイラー・ スミス |
過去に反ナチ運動のスパイとして活躍し、今はミネソタのある町で 皆に尊敬される気高く美しい母。 その母がジリアンの眼の前に焼け焦げた死体となって果てている。 病院に運ばれたジリアンは何度も自殺を図り、精神病棟に 入れられる。 その頃、FBIのクルースは年配の女性二人の焼死事件を 調査する内、ジリアンに疑いをもってミネソタに会いに来るが。 母と娘の複雑な関係という発想は面白いんだけど話の運びがだるい。 ジリアンの手記だけで十分って感じ。 | MIRA文庫 |
| 異形 コレクション 玩具館 | 井上雅彦監修 |
旧家に生まれた異形の子供の哀しみを描く「弟」加門七海 輸入パズルを組み立てる内に絵柄が世界で起きる惨劇図を 予想していく「来歴不明の古物を買うことへの警め」雨宮町子 マルグリット・デュラスの「愛人」から構想を得たらしい 「象牙の愛人」篠田真由美 貯金箱の上の天使を踊らせたい一心で結んだ幼児の 恐ろしき契約「貯金箱」北原尚彦 ぬいぐるみを題材にした狂気「タケオ」太田忠司 アンティーク人形を扱う会社が顧客の希望を取り入れ ラバー人形から恐ろしきチップを取り扱う会社に変貌する 「人形の家」村田基 女が子供を産まなくなった時代、人間そっくりの可愛い ロボットの子供と暮らすある夫婦の末路「綺麗な子」小林泰三 古い玩具屋で偶然見つけたプレミアム付きのプラモを 安く手に入れたアツシは店主の老人から「プラモは組み立てられる ためにあるんだよ」と言われるが、大事に箱のまま押し入れに 入れるが・・「未完成の怨み」今野敏 玩具というものは何やら執念執着がこもりそうで 怪奇浪漫小説のネタにはぴったりで 個人的にも収集癖があるし、玩具は好きだしで 「異形コレクション」の中でも1番面白い話が多かったように思う。 | 光文社文庫 |
| シルバー | ペニー・ ジョーダン |
ロマンス小説アリエネーと言いながらまだあるので読む。 これはドラマ化マンガ化されなかったっけ? 1回読み始めて文章がだるくて止めてたんだけどまた読む。 容姿がぱっとしない伯爵令嬢が財産目当ての美形の従兄に父を 殺され、婚約もそんな冴えない女を愛してるわけないじゃないか とか言われて復讐決意。 顔を美人に整形して ボディエクササイズでナイスバディに 名前もシルバーと変え、別人に変身する。 魔性の女になるために盲目の元麻薬捜査官ジェイクに 金でSEXのノウハウを習う。 ジェイクもまた妻を殺され、犯人に復讐を決意している。 冒頭の雪崩警報が出てる雪山でいきなり直滑降をするシーンが すげー不自然。 愛のレッスンがやたら長い。 その後、用無しとなったのかと思ったジェイクの過去が延々と 語られ、ページがほとんど無くなった頃にやっと従兄と再会する シルバー。愛のレッスンの成果も何も使う機会も無く、あっけなく 間が抜けた死を迎える従兄。 ストーリーは面白いのに、作者のせいか訳者のせいか 文章がだらだらで面白さ半減。 | ハーレクイン |
| ダンシング ・ラブ | リンダ・ ハワード |
以前好きだったロマンス小説作家リンダ・ハワードの新刊。 未亡人のスーザンはパーティでならずもの風の男コードに会う。 コードは亡き夫の従兄で一族の嫌われ者だった。 彼はある復讐のためにスーザンに近づくが・・・ ってもうパターン!(最近 「恋は幻想だ」と「男の現実を 知ったのでロマンス小説アリエネーって感じになる(- -; | MIRA文庫 |
| テリー&ハリーの 日本再生計画 ええじゃないか! |
テリー伊藤 佐藤治彦 |
教育や国防など色んな面からの再生計画。 面白いけど引退したAV女優や風俗穣がシニアの為に 風俗店するのはいいけど何で敬老の日に舅に嫁が 胸を触らせなあかんねん アホか。 | オーエス出版社 |
| テリー伊藤の 怖いもの見たさ 探検隊 | テリー伊藤 |
テリー伊藤が自衛隊や総会屋や刑務所やヤクザを 見学に行ってルポ&対談をするという企画。 タイトルが期待させる割にへーぼんな出来に 仕上がってる。 | 光文社 |
| 男の見方 女の見方 | 養老孟司 長谷川真理子 |
解剖学者である養老氏と科学者である長谷川真理子氏の 男女の違いという不変のテーマを交互に書いた本。 そうかペニスはヴァギナがひっくり返って閉じ合わせて 出来る一物なのだ。(と感心する私) 女性男性中性と分けたらいいという養老氏と 性別より 理科系文科系の差の方が際立つという 長谷川氏。テーマ自体はもう論じても何も生まれないような 気が・・・養老氏も本書き過ぎでそろそろネタ切れ? | PHP文庫 |
| 復讐の華ヴェラ | 桐生操 |
桐生操初の小説であり、同時に桐生操の一人である堤幸子の 遺作となった。 時はルイ16世の時代、王制批判記事を書いていた父親が革命派に 嵌められて全罪を被ってバスティーユで処刑される。 叔母の家に引き取られた美しい姉弟ヴェラとシリル。 ヴェラは従兄ポールにレイプされ続け、ある日妊娠をきっかけに 堕胎しようと下腹に石を落とし失神。 気がつけばラヴァル伯爵の城、シリルも引き取られ、社交界に 華々しくデビューするが、ヴェラの目的は一つ、父親を陥れ 今は成功している男達への復讐だった。 何も言わずに協力するラヴァル伯爵、着々と一人一人倒していくヴェラ。 アントワネットの首飾り事件やカリオストロ伯まで豪華出演。 サドを思わせる娼館や、歴代の悪女が経験したような残酷な拷問 これまでの桐生操の書いて来た欧州の歴史集大成のごとき小説。 つまり開ける前から中身がわかるという意味なのだが やはりこう来たかという感じ。 セリフが多く、次から次へとシーンを変えるので深みが無い。 でもやはり愛と背徳と浪漫ちっくな桐生操の世界だった。 | 徳間書店 |
| 牡丹と薔薇 上・下 | 中島丈博 |
「真珠夫人」の後、昼の連ドラでやっていた悶絶もの。 毎日見るのがめんどいので原作読んでみた。 いや・・・あはははは汗 もうレディースコミックもびーーっくりって感じ爆 あまりに複雑で覚えられなかったんだけど 建築家豊樹には8年越し同棲している鏡子がいるんだけど 鏡子は結婚を望んでいるのに豊樹は大手建築会社令嬢 富貴子と恋愛して邪魔になった鏡子をあの手この手を 使って捨てようとするのだが、必死で豊樹にすがる 鏡子は豊樹と富貴子の赤ん坊を産院から誘拐する。 赤ん坊は発見されず、豊樹と富貴子には1年後香世という 次女が生まれる。 そして13年後、偶然香世と、鏡子が育てたぼたんは出会い 姉妹とは知らず固い絆で結ばれる。 がその頃夫婦仲が悪化していた豊樹は鏡子とヨリを戻して 関係を再開する。 母の愛人が親友香世の父と知ったぼたんは香世を傷つけまいと 縁を切るのだが、これが香世には深い傷となってグレていく。 10年後、豊樹はデートクラブで偶然 始めて仕事で来た ぼたんを買う。ぼたんの義父が蒸発して生活に困窮して いたのだった。 豊樹はぼたんを家で雇えば、香世が素直になるのではと ぼたんを引き取るが、香世は自分を捨てたぼたんを虐待する。 鏡子は死を目前にぼたんが香世の姉であると告白する。 ぼたんは香世のまた従兄の由岐雄と愛し合うが、 香世は姉の物は自分の物にしないと気がすまない。 香世は結婚前のぼたんを不良友達に輪姦させる。 そして両親が事故死し、一気に借金を背負った姉妹に 象造(←汗)という猪のような社長がぼたんが妾に なったら借金をチャラにしてやると言い出し、 ぼたんは由岐雄を香世に譲る(←汗) 象造のものになる前に1度だけ由岐雄に抱かれたぼたんは 妊娠し、娘麗香を象造の子供として育てるが麗香は 由岐雄を慕う。 その内ぼたんと由岐雄はヨリを戻し、香世と象造の眼を 盗んで愛し合うが、嫉妬に猛り狂った香世は麗香を 誘拐し、虐待する。 ぼたんに緊急な腎移植がひっ迫し、由岐雄に殴られた香世は 網膜はく離を起こしながらも 腎移植を優先し、失明する。 ラストは由岐雄も象造も 姉妹の異常な絆には 誰も入れないと悟り、姉妹は軽井沢の別荘で暮らす。 ある日、由岐雄が娘麗香と会いに行くとぼたんも失明していた。 ぼたんは自ら針で眼を刺したのだった。 という世にも信じられない奇想天外な話。 おまけに「真珠夫人名物タワシコロッケ」皮の財布ヴァージョンも あったりして、何じゃこりゃー!!!!! と後書きを読むと著者の中島丈博曰く「サドのジュリエットと ジュスティーヌに古屋信子の少女小説を合体させた」ってアンタ。 惜しみなく与え続ける姉と容赦無く奪い尽くす妹だって 恐過ぎ! | ワニブックス |
| 真珠の 耳飾りの少女 | トレイシー ・シュヴァリエ |
父親が事故で失明し、16才のフリートは画家フェルメールの 家の女中となる。 フェルメールの妻カタリーナと娘の一人コルネリアとは 始めから相性が悪かったが フリートは確固たる意志を 持ちながらそれを秘めて黙々と働く。 その内フェルメールはフリートが絵に対するセンスを 持っている事に気づき、彼女に興味を抱くようになる。 フリートはフェルメールのアトリエで手伝いをするように なるが、それがカタリーナには気にくわない。 カタリーナの真珠のピアスをつけてモデルになった事で ついにカタリーナの嫉妬が爆発し、フリートはフェルメールの 家を出て行く。そして10年後・・・ 映画「真珠の耳飾りの少女」の原作。 実は映画の前半がだるくて寝ていたので、画家が少女の絵に 関するセンスを見出すシーンを見逃したので原作を読んだ。 映画ではピアスの穴をフェルメールが開けるのだが 原作では自身で開ける。 映画の方がストイックで官能的かつ絵画的効果が高く 原作はフリートの考えを書いているので、あの夢みるような 無垢な美しさの内面の芯の強さが現実的に描かれている。 カトリックとプロテスタントの違いも原作では少し 触れられていて、フェルメールは元はプロテスタントで 結婚でカトリックに宗派変えしたらしい。 でも謎が多いフェルメールの絵から想像した物語の一つと 割り切って読めばそれなりに評価出来るフィクション。 | 白水社 |
| 生きながら火に焼かれて | スアド |
これは性器切除どころの話ではない。 殺人なのである。 1957年か1958年にかつてはヨルダンの領域の一部、その後 トランスヨルダン、さらにシスヨルダンとなった地の小さな村に 生まれた。(シスヨルダンという地名さえ始めて知った。) そこには女性の人権は無い。豚や牛以下の価値と見なされる。 生まれた女の子は幸運なら一生を家事、家畜の世話、畑仕事の 奴隷として働く。 結婚前の娘は男性と話しても会ってもいけない。 もしそれが発覚したり、例え事実で無くとも人の噂だけでも その娘は「家族の名誉」を汚したとして家族の手によって処刑される。 スアドの母は16人の子を産んでいるが、家には6人しか子供がいない。 スアドの下の妹以後に生まれた子供は母が女だからという理由で 出産直後自ら窒息死させている。 下の妹も理由は不明だが弟に絞殺された。 スアドは自分に求婚していると聞かされた近所の男に恋をする。 結婚するという男の言葉を信じて関係し、妊娠する。 だが結婚前に性交渉を持った娘と男は結婚しない。 妊娠が隠せない事実となった時に両親はスアドを殺す相談をした。 家族の処刑が行われる日は両親は外出する。 そしてある日 スアドは姉の夫から頭から灯油をかけられ 火をつけられる。 燃えながら逃げるスアドは女達に池に入れられ、助けられるが 入院した村の病院では「名誉殺人」のために治療は行われない。 重症の火傷を負ったスアドは死ぬのを待たれているのである。 その間に父親が杖で、母親が毒でスアドを殺そうとした。 そして苦悶の中でスアドは男児を出産するが子供は連れ去られる。 地獄さながら死を待つばかりのスアドを「シュジュールー出現ー」と いう中東で活動するスイスの保護団体のジャックリーヌが噂を聞き、 病院の脅える若い医師を説き伏せてスアドをスイスに運ぶ事に 成功させる。 病院で生んだ息子アンマンも一緒だった。 スアドと同室だった黒こげの少女は死んだ。 24回にも及ぶ皮膚移植手術の後、養父母の元にアンマンを 養子として預け、スアドは自立への一歩を歩み始めるが これまでの苛酷な試練にも劣らぬ精神的にも肉体的にも想像を 絶する新生活の始まりだった。 スアドは幸せな結婚をし、二人の娘にも恵まれ、アンマンとも 再会するが、現在でもアフガニスタン、チャド、モロッコ、 ヨルダンなどで年間6000人以上の少女が家族によって殺されている。 運良く救いだされて海外でひっそり暮らしていても追って来た家族に よって殺されるケースも多い、そして「名誉の殺人」の量刑は 軽いのである。 表紙の白い仮面をつけた眼が美しい女性はスアドなのだろうか? 自分の命を守るため スアドは本名も素顔も公表出来ない一生を 送るのである。 | ソニー マガジンズ |
| わが娘を 愛せなかった 大統領へ | パティ・ デイビス |
米のレーガン大統領の娘であるパティの自叙伝。 まず出産時の描写からして「パティは未熟児で帝王切開で 生まれたが母親の肋骨をつかんで出ようとしなかった」という 話と生まれ月が変わったり、信憑性が無い。 どうも両親が妊娠してからの結婚を恥じて未熟児と ごまかしたようなのだがそれにしても肋骨話は不自然である。 レーガンは俳優だったが 家の中でも俳優だったらしい。 パティがいくら「子供の頃から母親に殴られた。 我が家は崩壊家庭だ」と言ってもレーガンは 「お前は嘘つきで母を困らせている。うちは幸せな家庭だ」と 言い続けるのだ。 母親も女優だったが、例えば 友人の家は散らかっていて くつろげたが 自分の家は磨きたてられて整頓されて 居心地が悪かった」という描写から、完璧症らしく、 これは私の母親も同じである。 例えば 幼少の頃から毎晩寝る前におしっこを強要されて 応じないとぶたれ続けたそうだが、私も母親の言う通りに しないと生きていけない家庭だった。 例えば少女時代、一緒に服を買いに行っても自分の好みは 無視され 子供っぽい服を強要された、隠してある日記帳を 毎日読まれたとあるがこれまた私も経験済みである。 まあ私の場合 殴られたのは中学生からだが・・・ 娘のスカートをまくり上げて隠していた生理をズケズケ 指摘したり、成人しても生理中だとズバズバ指摘したり、 きっとこの母親は娘を自分の配下に置いて何もかも自分の 思い通りにしたかったのだろう。 そこまでは無かったが私もプライバシーは無かった。 奥の奥に隠してある物を出して来て「偶然見つけたのよ」とか ゴミ箱の中の物を「廊下から見えたのよ」とか言うとことか(苦笑 それにしてもおしっこを強要された幼いパティは夜中に こっそりトイレに行くわ、ダイエットピルや麻薬を 隠すわ、けっこう根性がある娘である。 まあ 拒食症にも麻薬中毒にもなっているが。 パティはティーンエイジャーから全寮制の学校に入ったので それ以後家庭からは離れたり近づいたりの生活を送るが ビーチ・ボーイズのデニスと友達で、イーグルスのバーニーと 同棲したりするが24才の時に「子供が生まれたら母からされた暴力を 自分も子供にする」という強迫観念に取り付かれて周囲の反対を 押し切って卵管を閉じる避妊手術を受ける。 これは10年後位に後悔して妊娠可能な手術を再度受けるが 彼女の心の傷の深さを表しているエピソードだと思う。 レーガンが大統領になるとパティは24時間ボディガードが つく生活になる。 父親が大統領になるとこんな不自由な生活になるんだ(@_@) で彼女は父親に反対して 反戦運動や反核運動に 参加するようになる。 現在は自分の家族をモデルにした小説や半生を綴った本を 書いているそうである。 家庭崩壊と虐待という言葉が随所に出て来るが、この本の 内容だけでは今ひとつ具体的な感覚が掴み取れないような 気がする。虐待とはそもそも躾という名に摩り替えられることも 多いし、どこからが虐待でどこからが躾なのか。 同じ事をされても平気な子供もいれば、傷つく子供もいる。 母親が我が子を愛そうとしていても上手く愛せなかったり その愛情表現が子供とは相性が悪く、自立心旺盛な子供なら 愛情が呪縛に変わる事もあるし、家庭内の関係については なかなか他者には理解出来難い。 特にパティが育った時代は現在よりものんびりしていて 虐待も今の生命にかかわるような虐待まではされていないし ファミレスで普通に話しかけている幼児に意味もなく 自分のイライラをぶつけて殴っている若いママなど 最近はよく見かける。 そして性質が悪い事に虐待している側に自覚は少なく されている側は一生に渡って深い傷を負う。 虐待問題は難しい。 レーガン家の場合、両親とは結局理解は無く、ほとんど縁が 切れてしまい、アルツハイマーに冒された父親は妻とだけの 世界で結局完結して老後を送っているそうである。 | KKベスト セラーズ |
| 女王フアナ | ホセ・ルイス ・オラソイラ |
1496年、アラゴン国王フェルナンドとカスティーリャのイサベル女王の 次女フアナはハプスブルグ家のブルゴーニュ大公フェリペ美麗王との 婚姻の ため フランドルへ向う。 会った瞬間 1週間後の式を待てず修道院の一室で愛し合う二人。 子供にも恵まれ、幸せな結婚生活を送るが、イサベル女王の崩御に よってカスティーリャを巡る父フェルナンドと夫フェリペ 周囲の重臣達の思惑に翻弄されてフアナは精神不安定となり ヒステリーと鬱を発症する。 フェリペが急死した後、狂女王としてトルデリーシャス城に 46年幽閉されながらも王位は譲らなかった。 本編はフアナの事よりも廻りの政治的な駆け引きや史実が多い。 桐生操の後書きの方がドラマティックで面白いかも。 史実云々とは別に桐生操氏に書いて欲しいような気もするw そういえばホセ・ルイス・オラソイラも中年になってもフアナは 美しくヘンリー七世から求婚されたと書くし、若い頃のフアナの 肖像画は繊細な美人なのに(結婚用に美化して描く事も多い) フランシスコ・ブラディーリャが描く狂女王フアナは似ても 似つかぬ面相で本当はどうだったのだろうなどと考えてしまった。 謎が多い女性である。 | 角川文庫 |
| 私立荒磯高等 学校生徒執行部1 | 峰倉かずや |
校内の安全を守るため組織された生徒執行部メンバー ラブリー久保田とビューティ時任の活躍ぶりを描く ギャグBLマンガ。 眼鏡を外した久保田が見れたのはラッキー♪ あとオカマの保健室のセンセイが面白い。 あ~ しかしいくらギャグでもやっぱBL受け付けないかも汗 2巻に進めない うっぷ(コミック) | 徳間書店 |
| 櫻憑き 異形コレクション 綺賓館V | 井上雅彦監修 |
井上雅彦氏がコレクションした櫻に纏わるアンソロジー。 櫻という狂おしいイメージに統一されて各小説にあまり 個性はない。 ところで井上雅彦も「花十夜」を書いているが 言葉が美しく詩のような趣がある文を書く。 アンソロジーばかりが目立つがこの人の小説は一体 どんな感じなのだろう。 | KOUBUNSYA |
| 雪女のキス 異形コレクション 綺賓館U | 井上雅彦監修 |
井上雅彦氏がコレクションした雪女に纏わるアンソロジー。 スタンダードとオリジナル(近代)に分かれていて さすがにスタンダード編の小泉八雲や山田風太郎の 「雪女」は妖しく面白く手ごたえがある。 オリジナル編はこういう話もありかな、といった 軽い読み物が多い。 少年だった精二は雪の中で押し潰された小屋の残骸から 出た見知らぬ女の下半身を犯す。初体験だった。 そして上京して成人になり、たまたまその現地で 一泊するのだが、遠客専門の夜伽のような娘と一夜を 共にした翌日、崩れた小屋で死んだと思っていた女が 気が狂ったまま生き延びて女の赤ん坊を産んだ。 それが作夜の相手だった・・という阿刀田高の 「雪うぶめ」が唯一印象深かった。 | KOUBUNSYA |
| 司馬遼太郎が 考えたこと1 | 司馬遼太郎 |
1953年〜1961年までのエッセイ。 まだ司馬氏が新聞記者をしていた頃で後半私の愛読書 「風神の門」とか「梟の城」のコメントが出てくるが 大体は晩年のような鋭い時世論は無くて、ほんわかと思いを 綴っている。 魚は死体の形をしているので食べないのだが 結婚する時に奥様が料理は1品しか出来ないと おっしゃって「それは安心だ」と思って結婚したら 毎日その1品である「フライパンに牛肉と塩と青ネギを ぶっこんで炒めたもの」が出て困った話とか微笑ましい。 あとは愛する大阪を下町、神戸を山手と見たり、 「出雲国造家何某」という古代国家の中の出雲の王が 今だに県知事と並んで新聞で年始の挨拶をするのだそうである。 「天孫降臨」という言葉が出雲では御伽噺では無く生きて いるのである。これには驚いた。 司馬氏は現実的なようで怪奇や幻想的な話も好きだそうで 少し嬉しくなった。私も出雲は好きである。 | 新潮社 |
| 女王の娘 | アイリス・ ジョハンセン |
スコットランドの辺境の島の領主ロバートはイングランドの 女王エリザベスから結婚を命じられる。 1年契約の愛無き結婚相手はスコットランド女王メアリの 隠し子と言われ、狂信的な牧師の元で「姦婦の罪深い娘」と 躾という名の元に虐待を受けて成長したケイトだった。 一時ハマってたヒストリカルロマンス小説。 特に美形でも無いが頼もしい男ロバートと 特に美人ではないが聡明で勝気な娘ケイト。 が、多難を越えながら、ケイトが持ち前の弁舌で ロバートに女の生理と気持ちを理解させ、 「二人が心底理解し合える対等な関係」=「真実の愛」を 築いてこそ始めて「信頼出来る安心感と肉体関係が成立する。」 という夢のような理想郷が描かれるパターン。 はぁ・・・ためいき出るわ ここでw ありえねー! 大体 男に安心感を求めるのから間違っとるわ! 男が女に安心感を求めてるんじゃないの? 男が女の話を真摯に聞いて、心から対等に感じて しかも理解するなんて、もしそんな男がいるなら紹介してくれ爆 あ、忘れてたけどラストで意外などんでん返し有り。 | 二見書房 |
| 安倍晴明5 | 真崎春望 |
孤高の陰陽師 生き形代安倍晴明を描く最終巻。 宿敵葦屋道満を封じた晴明だったが、ある夜 保憲、楽師白兎と共にわだつみ姫のお告げを夢で聞く。 生贄を捧げなければ 京の都は大津波で滅びると・・ その生贄とは天皇家の血の濃さ故に生まれついての 強力な霊力を持ち、晴明が誕生の時より大極殿に 封じて育てた繭の姫であった。 その頃、はるかな地より、晴明を妖狐に変化させる 為に道満は白兎の護り人石笛を陥れる。 真崎春望の激自虐趣味な晴明好きなんだけど 著者自身が持つとりとめが無いふわふわ感でせっかく 面白いストーリーがいつも深く掘り下げられる事無く 終わってしまうのが惜しい。 例えば 前述の繭の姫君でもどうなるのかとヤキモキしてたら 素直に犠牲なっちゃうし・・・もっとヤキモキさせて〜 しかし私って半妖フェチだな(苦笑 それより最近気がついたら、イケメンコミックばっか 読んでるでわないか( ̄▽ ̄;(コミック) | ぶんか社 |
| BUS GAMER1 | 峰倉かずや |
「最初は金が欲しかった・・・今は命が惜しい・・・」 ルール:各企業の持ち駒同士が「HOME」と「AWAY」に 分かれて対戦する。 「HOME」は己の企業の機密文書が入ったMDを死守し、 「AWAY」はMDを奪う。 美柴鴇(専門学校生)、中条伸人(大学生)、斎藤一雄(高校生) 3人の男は勝ち続ける為にだけ選ばれた。 最初は金持ちが興じるバカバカしいゲームで金が入るなら と引き受けたが、だんだん事がヤバくなり、死人まで出る 命賭けのゲームだと知る。 彼らを裏で繰る大企業の幹部とは・・ けっこう面白いんですけど、これ1話〜8話入ってて 改めてパイロットエディション版として13話まで 入ってるのが出てて 「全一巻」ってあんまりだっせー。 あと4話で終わると思えないんですけど・・・ひーん 中条がかなりタイプなんですが汗(コミック) | ENIX |
| WILD ADAPTER 1.2.3 | 峰倉かずや |
1995年横浜。 17才の久保田誠人は雀荘で出雲会の幹部真田に 年少部リーダーに抜擢される。 何となく承諾する飄々とした久保田。 出雲会と敵対する東条組との諍いの中 統括とヤクの取引に明け暮れる日々を描く1巻は「プロローグ編」 出雲会を脱退した久保田は路上で過去の記憶を失った時任を拾い、 同居を始める。 家出中の少女、常に黒手袋を嵌めた時任の右手、久保田の過去、 そして謎のドラッグW・Aとは・・ 時任登場でアップテンポになって読みやすくなる2巻。 W・Aを巡って宗教団体「邂幸の牙」に潜入する久保田と 時任を描く3巻。 峰倉かずや氏も私も好きな馳星周にも似た暗黒ハードボイルド 高校生編つーか、峰倉氏のコミックってマンガ域越えてる。 小説とコミックの境というか軽く気合入れて読まないと マンガに気楽さを求めてると読めない。 あとキャラ設定が上手い。展開気になるしw(コミック) | 徳間書店 |
| 最遊記 鏡花水月/ 華焔の残夢/ 螺旋の暦 | みさぎ聖 |
峰倉かずや氏がスカウトしたみさぎ聖氏の「最遊記」コミックノベル。 「鏡花水月」 西を目指す三蔵一行はとある川で幼子の泣き声を耳にする。 先を急ぎたい三蔵を押して悟空は流される乳児を拾う。 その幼子は悟浄と同じ紅の髪と眼を持つ禁忌の子だった。 村で母親代わりの娘を見つけるが、妖怪への生贄にした はずの子供を見て娘は・・ 「鏡花水月」 三蔵、悟浄、八戒、悟空が出会った頃の話。 ある雨の夜、女と酒場を出た悟浄はふと気が変わって 八戒が待つ家に帰る。その頃八戒は再び大量虐殺事件の 加害者として嫌疑をかけられていた・・ジープの秘密が 明かされるシリアス路線。 「華焔の残夢」 三蔵は愛銃の弾を補充するために名も無い村に寄る。 そこには三蔵が師を失い、経文を探すために 放浪していた頃妖怪に襲われた三蔵を助けた叶という 男が住んでいるはずだった・・・この叶のイラストが 2枚文中にあるんですが、かっこいーっすv ま、所謂コミックノベルなんだけどラストが上手い。 あと原作では元々三蔵が口数が少ないので小説にすると 書きにくいというか、三蔵激愛の峰倉氏と比べ、三蔵& 悟空よりも、悟浄がメインに話が進むので悟浄&八戒ファンには 嬉しいかも。 | エニックス |
| 刻まれる女 | デヴィッド ・L・ リンジー |
彫刻家ロスはパリで女と別れ、テキサスの自宅に戻る。 ロスは才能を磨く事より、収入を重視し、主に金持ちの 美貌の妻や愛人のヌード彫刻の仕事を専門にしていた。 女を必要としながら、どの女とも続かず別れ際は揉めた。 暫く 仕事に専念しようと思った矢先に出会った謎の女 セレステ、彼女は完璧な美貌と病気が原因の恐ろしき異形を 持ち合わせた妹レダの彫刻の仕事を依頼する。 金持ちの夫から虐待を受けるセレステに惹かれ、 レダのスケッチにのめり込むロスは 知らぬ間に恐ろしい事件に巻き込まれていた・・・ とりとめの無い焦点をわざとずらした会話、全体に漂う 倦怠感と浮遊感が仏小説のような不条理な軽さを漂わせる。 謎めいた姉妹という設定は好きvなのだが、 掘り下げが浅いので読みやすいのだが、ラストの衝撃も あまり応えない。 | 新潮文庫 |
| ガンジス川で バタフライ | たかのてるこ |
アジア、インド旅行記買い漁って来たが、99%は 作文的というか説明文でつまらなかった。 ゲッツ板谷(これは旅行記と言えるのか・・)と 本著のたかのてるこは自分も一緒に現地にいるような 生々しい錯覚に陥らせてくれる新鮮さを持つ。 たかの氏の場合、小心小心と言いながら、度胸と根性は しっかりある。 私を少しましにした程度の英語で誰とでも話かけるという 天真爛漫さと好奇心とインドでガンジス川の水を 飲もうがオッサンの小水まみれの野生の豆を食おうが ベンピという強い胃腸が強みだな。 | 幻冬舎文庫 |
| 女盗賊 プーラン 上/下 | プーラン・ デヴィ |
1958年インド、ウッタル・プラデシュ州ジャウラン県シェルブルワ村に 奴隷カースト、マッラに生まれたプーランは11歳で35才のプティ・ラルに 嫁ぐが大人になるまで待つという条件は無視され、プーランは 暴行虐待され続ける。 何度逃げ帰っても連れ戻され,繰り返される暴行についに病気になり、 家に戻るが出戻りの女は村では白眼視される。 非情なカースト制の中では、普通の女なら井戸に身を投げる ような状況で、プーランは並外れた気丈さと強情さで 自分は間違っていないと主張し続ける。 おまけに従兄マヤディンに不当に土地を奪われた父に 裁判を続けるように勧めたプーランはマヤディンに恨まれ、 強盗と嵌められた挙句、警察で拘置中に父の目前で警官達に レイプされる。マッラは人間以下、土くれの扱いであった。 上巻では10才〜16才の初潮も来ていないプーランが 多数の男達に不当な集団暴行を受けるのに終始する。 マヤディンのチクリで盗賊団に誘拐され、リーダーに レイプされそうになるが、副リーダー、ヴィクラムの機転で 救われ、新たなリーダーとなったハンサムなヴィクラムと結婚し、 義賊の一味となり、ジャングルでの生活が始まる。 不正な金を貯め込んだ金持ちから、金を奪い、貧乏なカーストに 配る合間にヴィクラムはプーランを苦しめた男達へ、自らの手で 復讐させる。 その頃、ヴィクラムは刑務所の中で盗賊のノウハウを伝授して もらった師と仰ぐシュリ・ラムの保釈金を出し、その一味と 合流するが、プーランは最初から自分を性欲の対象として見る シュリ・ラムに警戒するが、義理人情に負けて勘が鈍った ヴィクラムを説得出来ず、ヴィクラムはシュリ・ラムに撃たれ 重症を負う。 警察に追われながらの手術を終え、一時ネパールに避難した プーランは束の間の幸せにヴィクラムにこの地に留まろうと進言するが、 ヴィクラムはシュリ・ラムから保釈金を返してもらうとインドに戻る。 運命の夜、危険を直感したプーランはシュリ・ラムを殺そうとするが、 ヴィクラムに止められ、寝入ったヴィクラムはシュリ・ラムに射殺される。 その後、シュリ・ラムにプーランは全裸のまま村々を引き摺り回され 集団暴行を受ける。 プーランは「もう自分は女ではない」と宣言し、盗賊団の女首領になる。 「人々は犯罪と呼ぶかもしれないが私には正義なのだ」 「辱められた女達や搾取されてきた男達が救済されるように」 「懸賞金つきのお尋ね者」としてインド中に名を轟かせた後、 数年後投降し11年の刑を受ける。 1996年「貧困層の支持を得た国会議員」として当選、ブッディストの夫と 共にニューデリーで暮らすが24時間暗殺者に狙われ、 2001年7月25日、国会から帰宅したところを武装グループに射殺された。 「女盗賊プーラン」という映画を観たので原作はいいかと思っていたが 現実は映画どころの話でない。 その暴行の凄まじさといい、常人ならすでに気が狂うか自殺するだろう 苛酷過ぎる状況を生き抜き、根深い差別と戦い、凶弾に倒れた激動の 一生が、我々が生きている同じ時代に存在したという驚愕。 その不幸は貧困、カースト制、徹底した男尊女卑に根ざしているのだが、 多くの姉妹の中でプーランだけがこのような一生を送ったのは 最初の結婚相手を、親が貧困のあまり、間違った事から始まり、 持って生まれた人並外れた勝気さ、強靭な精神から不当な反発を 受けた事、やられたらやる、という復讐が二重の恨みを招いた事など 複雑に絡み合っている。 それにしても男性諸君、女性の直感を軽く観てはいけない。 一方的な師弟感情に支配されたヴィクラムが射殺された事は 男達から受けた肉体の暴行よりも、事件直後の描写は少ないが、 後ヴィクラムを守れなかった事についての後述がある事を読むと プーランの心の傷は深かったのではないかと察せられる。 プーランの下層カーストであるマッラよりもさらに低カーストが 多数存在する事を忘れてはならない。 | 草思社 |
| ふたり | 唐沢寿明 |
「白い巨塔」で主役を演じる爽やか男優唐沢寿明の 意外な面が見れる。 母と子供達に暴力をふるう父から母を守る為に「出て行け」と 父に言った時、母から「出て行け」と宣言される。 そのまま高校中退し、何のアテも無く新宿で過ごす日々。 やっと入った東映アクションクラブで仮面ライダーショーの ショッカーなどで全国を廻るが、その妥協の無い激しい性格 から、クビになる。 どん底を這いずり回りながらも、俳優になるという目的を 決して忘れず、手段も選ばず、「必要な事はやるが、 不必要な事はやらない」と突っ張り通して顔は荒み、 それでも前進していく著者。 当時流行っていたトレンディドラマに自分は向かないと 思っていた時に橋爪貴志子氏に見出され、爽やか路線で 行かないかと「唐沢潔」という素の自分とは全く違う 「唐沢寿明」が生まれる。 「唐沢寿明」が人気上昇するにつれ、「唐沢潔」との ギャップに苦悩するが、精神的にも成長し続ける著者は それをも克服していく。 そして妻山口智子との出会い、結婚。 飾られた芸能界の本では無く、本音で書くだけに読み応え十分。 下積み生活時代に同棲していた恋人から「少しでも食費を 入れて欲しい」と言われたのを、俳優になりたいという 自分を本当に理解してくれなかったのがショックだったとあるが それはエゴだと思う。 (というかほんとに彼女は生活キツかったんじゃ(^^; 後書きで脚本家の三谷幸喜氏が演技力を認めながらも 著者の欠点をやんわり指摘しているのが上手いw 個人的に唐沢寿明は爽やか路線だけど、眼に底知れぬ冷たさを 感じていた理由が少し分かったような気がする。 「諦めない」という事と「目的に向かって行動し続ける事」が いかに大切かを教えてくれる本。 | 幻冬舎 文庫 |
| そして私は 一人になった | 山本文緒 |
離婚後一人暮らしを始めた著者の日々の記。 「ときたまわけもなく落ち込むのは私だけかと思ったら 誰でもある事と聞いて安心した」箇所で私も安心した。 巻末の「ナマステ・クミコ/ネパール・インド旅行」が面白い。 知り合いと二人で観光する予定が81才のモンペ姿の農家の クミコ婆(最初から人頼みで参加している)がおまけに 付いて来るというハプニングが笑える。 その後著者再婚したんだっけ? | 幻冬舎 文庫 |
| 本家/スバラ式世界 | 原田宗典 | 誰にでもありそなしょーーーもないエッセイ集。 | 集英社 文庫 |
| スバラ式世界 | 原田宗典 |
駐車違反で切符を切られ、同じ日に疲れて路上で寝てたら 眼が醒めたら、窓にまた切符が貼られていたっつー のだけは面白い。 | 集英社 文庫 |
| 魍魎の匣 | 京極夏彦 |
やっと京極夏彦読めたヽ( ´Д `)丿 で感想が終わったらアレなので、長かった(をい 匣詰めにされた少女、謎の美馬坂近代医学研究所、 刑事木場が密かに憧れる元女優、教祖、 連続少女バラバラ殺人事件などが延々と絡み合い、 ラストで京極堂こと中禅寺がスパスパスパーっと解明する。 こんな長ーーーーーーーーーーーーい必要性あるんかい? 要するにいくつかの要素を複雑に絡ませたパズル。 確かにネタが「人狼城の恐怖」の二階堂 黎人氏が 先に京極夏彦に書かれたというアレw | 講談社 文庫 |
| 悪女聖書U 1〜6 | 牧美也子 |
悪女と見れば見ます読みます悪女好き汗 絵は古いが原作の池田悦子のストーリーが面白い。 業を背負ってこの世に誕生した業子。 看護婦だが、ある事件をきっかけに某財閥社長夫妻の遺児である まだ乳児である生子の後見人となる。 同時に新入りの店員になって財閥が経営するデパートに潜入し 遺産を狙う親族達の悪質な嫌がらせから 生子を守る業子。 業子の機転と回転が速い頭脳で危機を脱出していくサヴァイバル コミック。 | 光文社 |
| ダークムーン | 馳星周 |
「本作は、私の新たな方向性を指し示すべく書かれた。 これまでの私の作品の中でも、もっとも力がこもっている」 のはいいけど、 厚さ辞書級=マンネリ化した過去作品3冊分を 詰め込んだだけヽ( ´Д `)丿 元警官でヤクザ絡みで日本を追われ、香港黒社会の 大物にチンピラと恋仲になった愛娘を連れ戻せと言われ、 ヴァンクーヴァー入りした富永。 ヴァンクーヴァー市警犯罪課の悪徳警官呉達龍(広東人) CLEUの対アジア系組織犯罪班の刑事、ハロルド加藤(日系カナダ人) この3人が絡みに絡むのだが、3人とも同じようなキャラで、 本名と英語のニックネームをバラバラに使うのでわけわからん &ダラダラと(570ページ2段)殺戮を繰り返した挙句、 やっとラストである謎が解明されるのだが、あまり長過ぎて もうどうでもいい。 登場人物が多過ぎて混乱していたら300ページに名前リストが 挟んであった、遅いっつーねんヽ(‘Д´)ノ つーか暗黒小説って全員ワルだから、全員酷い目に 合うけど全然可哀相じゃないw | 集英社 |
| 独身生活 | 島崎ふみ |
1999年の金ドラ。見よう見ようと思ってる内に終わって しまったので原作買った。(佐藤浩市だしv 東亜銀行のキャリアウーマン大沢杏子は幼い頃から 母の期待通りに育てられた。 母の呪縛に苦しむ杏子は過呼吸症候群の発作で失神し 「NANA」というバーで意識を取り戻す。 「NANA」はデートクラブを斡旋していた。 杏子はマスターから「もう1人の自分」にならないかと デート嬢のバイトを持ちかけられる。 その最初の客が真一だった。 真一は東亜銀行の不正融資の為に父親が自殺に 追い込まれたという過去があり、東亜銀行に 復讐を企てていた。 真一は杏子を利用しようと考える。 何か「東電OL事件」のような設定。 ラストで何故真一と杏子結ばれナインデスカ? (納得デキナイヽ(‘Д´)ノ | ソニー・ マガジンズ |
| ライオンの中庭 | 森園みるく |
バレエ界で宿命に翻弄される美しい兄弟を描いた 「ライオンの中庭」 妾の子として卑しめられる少年一花は、母亡き後 本家錦木家に引き取られる。 錦木家の長男篠治は庭師の親方で、一花は見習いだった。 ある日、郷田という屋敷の築山庭の手入れを頼まれ、 篠治、一花、芳吉の3人で訪れるが芳吉は不吉な予言 残して脚立から墜落死してしまう。 屋敷には美貌の後家と老婆が二人で暮らし、 その庭は一目して異様な造りであった。 篠治と一花はだんだん庭の魔性に憑かれていく・・ 原作が昔好きだった耽美作家赤江 瀑なので期待したが やはり小説の方が良い&赤江 瀑も仕事が無いのか・・(コミック) | 双葉文庫 |
| 氷の涯 | 森園みるく |
夜毎、夫のDVDを延々と電話で訴える見知らぬ人妻雪美に 興味を抱いた小説家島村は雪美と関係を持つが、意外な事に 雪美の夫から 妻との駆け落ちを依頼される「氷の涯」 自分に自信が無く、職場でもイジメに合うOLが「人格デザイン 研究所」を訪れる「プラス」 これは研究所の女所長が凄い美貌で凄い無表情なのが怖いw 美貌&実力がある祥子と可愛いが凡人の恵美は 職場で知り合った友達同志。 祥子の恵美への優越感で結ばれた偽りの関係。 祥子にはイケメンの拓也という恋人が、恵美には 明夫という恋人がいるのだが、祥子は拓也が 浮気しているのではないかという考えに取りつかれていく。 「DIEGO」 他三編(コミック) | 双葉文庫 |
| 撃つ薔薇 AD2023年 涼子 | 大沢在昌 |
近未来、警視庁はアンダーカバー(潜入捜査専門)特殊班を 新設。「涼子」はブラックボールという麻薬流通組織と 見られるCMPというダミー会社に長期潜入する。 組織にはINC(国際麻薬機関)からすでにアンダーカバーが 潜入しているが「涼子」にはそれが誰かはわからない。 涼子は数回命を助けられた龍と惹かれ合い、龍がもう1人の アンダーカバーである事を願った。 「天使の牙」「BDT 掟の町」などと並ぶ近未来シリーズ。 そう言えば、どことなく「天使の牙」に似ている。 美貌でメッチャ強いヒロイン「涼子」が組織の中で真相を 突き止める為、身分を偽り、のし上がっていくのだが、 途中までは娯楽劇画っぽい。 ラストのSF的な感じが読ませる。 本作は大沢在昌が始めてドリームキャストのゲーム制作に 携わった「UNDER COVER」に続く。(涼子と龍のその後の 運命がわかるそうなのでやりてぇ! | 光文社 文庫 |
| 氷舞 新宿鮫Y | 大沢在昌 |
西新宿のホテルで元CIAの米人が殺され、鮫は事件を追うが 鍵は全て公安警察に阻まれる。その裏には元公安秘密刑事の影が。 そして謎の美女 江見里と偶然出会った鮫、二人は似た者同士と して惹かれ合う。 ってCIAを巻き込んでの力作なんだろうけど 地味でつまんない。 何か力んで空廻り(してるのはこっちの頭なのだが)って感じ。 裏表紙の著者近影がまたいかにも新宿で御座いといった感じの しょぼちっこいビル前の歩道橋でポーズしてるんだけど すげー安易な図だ・・ | 光文社 |
| 人狼城の恐怖 完結編 | 二階堂黎人 |
4部構成なのだが、とてもこんな分厚い本4冊も読めるかと いうわけで 仏編をまず読んでいきなり完結編。 ま、双子の古城の密室殺人事件なわけなので 前半はお約束の密室トリックを二階堂蘭子がスパスパと 解いて行く。 後半はハメルンの笛吹きからナチスに続く血も凍るような 恐ろしい計画が暴露されるのだが、この部分は結構読み応えあり。 後書きで著者が史上最高(当時)の長編だったので途中で 京極夏彦に先にネタ取られたとかブツクサ書いてるのが笑える。 やっぱ城ネタはいいですなー | 講談社 |
| 最遊記1〜6 最遊記RELOAD1〜3 最遊記外伝1 | 峰倉かずや |
人間と妖怪が共存して平和に暮らす文明と信仰の源「桃源郷」で 妖怪が自我を失って、人間を襲い始めた。 異変の元凶は、科学と妖術との混交による牛魔王の蘇生実験に よるものだった。 長安は斜陽殿に召喚された北方天帝使 玄奘三蔵は 三仏神から牛魔王復活阻止の命を下される。 そして玄奘三蔵、孫悟空、沙悟浄、猪八戒の西域「天竺国」を 目指す旅が始まる。 [玄奘三蔵]超鬼畜生臭坊主、激自己中心的性格破綻者(著者談 だが、その美貌とカリスマ性が魅力。 すぐ銃をぶっ放し、「死ね」「殺すぞ」が口癖。 [孫悟空]岩から生まれ、五百年間、牢に閉じこめられていたが、 三蔵に助けられ自由になる。「腹減った」が口癖。 [沙悟浄]妖怪の父と人間の母の間に生まれた。 妖怪と人間のハーフは禁忌とされ、血のような紅髪と瞳を持つ。 ガラが悪く、いい加減そうだが実は兄貴タイプ。 [猪八戒]元人間。千の妖怪を殺したので妖怪になるが、 いつもは温厚な毒舌家。 4人とも過去に心の傷を持つ。 以前から絵の美しさで気になっていたんだけど 男4人揃って超美形、特に玄奘三蔵と沙悟浄サイコーv あたしには珍しく、女は出なくてもよいっつー位、美丈夫揃い。 シリアスでコミカルでかっこよひ。 ノリは「ルパンV世」御一行に少し似ているw 「RELOAD」は続編になるのかな。 「外伝」は「西遊記」原本の一部に当たるような 「最遊記」より五百年遡る天界での物語。(コミック) | 一賽堂 |
| 鬼談@A | 櫂広海 |
水もしたたる着流しの翳がある美男子、人形作家 北村雨月。 彼はヒトガタを用いて、人の気を写し取り、守り神の蛇と 共に人間と人形に取り憑いた哀しみや呪いを解いていく。 雨月の背中には亡くなった母と同じ鱗状の痣があり、 幼少の頃、事故死したという人形作家だった父 蒼月と母の 謎はA巻では未だ明かされない。 著者は多分、「日本の怖い童話」か何かで、「ある屋敷で 起こった殺人が等身大の精巧な日本人形のオートマータだったと いう話を読んで興味を持った。(コミック) | あおば社 |
| 新宿鮫 | 大沢在昌 |
警官連続殺人事件を捜査する鮫。 本シリーズWから読んだので、どうしてもこのTは単に 警察小説である。 リアルな描写は上手い。 Uからは鮫の活躍と同時進行でドラマが絡ませているので 読み応えはやはりUからの方が面白いかも。 著者近影が何か緩んだ顔でにっこり笑ってるのが可笑しい。 | 光文社 |
| 浦賀和宏殺人事件 | 浦賀和宏 |
出入り口が1つしか無いアパートに2人の男が 入って行き、1人しか出て来なかった、という密室トリック なんだけど そりゃそうなんだけどかなりふざけてる? | 講談社 |
| 眠りの牢獄 | 浦賀和宏 |
僕「浦賀」は兄に溺愛される亜矢子と愛し合った後 地下への階段に共に突き落とされて、亜矢子は5年後の 現在も昏睡状態のままである。 浦賀はその現場にいた北澤と吉野と共に亜矢子の兄に 呼ばれ、「誰が亜矢子を突き飛ばしたか」白状するまで 地下の核シェルターに閉じ込められてしまう。 一方、彼氏だった北澤を親友に取られて、ストーカーと化した 冴子はネットで知り合った沙羅子という女と意気投合する・・・ これまた凝ったトリックなんだけどあり得るようであり得ねぇっw | 講談社 |
| こわれもの | 浦賀和宏 |
人気漫画カ陣内龍ニの婚約者 里美が事故で死んだ。 陣内はショックで人気絶頂の自作のヒロインを殺してしまう。 熱狂的ファンから 罵倒の手紙が山のように届き、 その中に「里美の死を予知していた」中年の女、神崎の手紙が 混ざっていた。 陣内は予知能力があるというその女に会いに行く。 その頃 一ファンである三橋は愛するヒロインを殺された 恨みで陣内を殺す決心をする・・・ 相変わらず、浦賀氏の作品は大量に死人が出る(^^; 文章に深みは無いが、さりげない日常に起こる恐怖と 精神的でかつ二転三転するトリックには才能を感じる。 | 徳間書店 TOKUMA NOVEL |
| 人狼城の 恐怖 第二部 フランス編 | 二階堂黎人 |
「アルザス独立サロン」のメンバー、弁護士ローラントは サロンに多大の寄付をするというシュライヒャー伯爵に 招かれて仲間と共に伝説の城、人狼城を訪れる。 人狼城はフランス側の「青狼城」とドイツ側の「銀狼城」という 双子城だった。 事前にサロモン警部からナチスが残した恐怖の兵器「星気体兵団 アストラル」について話されたローラントは仲間内の誰に 「星気体兵団」が憑依しているか探り出すという目的があった。 城にはシュライヒャー伯爵、常に顔面を仮面で被っている息子 10代に見える若き伯爵夫人、その兄リュシアンが待っていた。 次々に惨殺されていくサロンのメンバー、ついには城主夫妻まで 殺されて・・・終わった( ̄▽ ̄;)!! 576ページ×2段を一生懸命読んでなーーーーーーーーーーんも 解決せずに終わった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 後で調べると本作品 史上最長の推理小説って・・・・・・・・・・・ 殺される人数もハンパじゃないって・・・・・・・・・・ 第1部ドイツ編はもちろん 「銀狼城」で起こる事件なんだけど 内容はほとんど第2部と似ているらしく読まなくて正解だったかも汗 | 講談社 |
| 人形館の殺人 | 綾辻行人 |
父が自殺し、残された人形館に飛龍想一と母沙和子が移り住む。 館内では父が遺した不完全なマネキンがあちこちに置かれていた。 そして想一宛てに殺人予告の手紙が来る・・・ 想一が記憶から抹消していた28年前の事故とは・・・? って人形+館+怪しげな登場人物+事故=なーんだ? という算数のような安易な構成で話に全然深みが無い。 あちこちに過去に書いた「館シリーズ参照」といかにも 他の作品も読め、って感じで嫌かも。 | 講談社 文庫 |
| 記憶の果て | 浦賀和宏 |
高校生安藤直樹の父が自殺する。 書斎に残された黒いコンピューターを起動させると 「裕子」と名乗る少女が出て来る。 裕子は父を知っていて、どうやらな直樹の妹らしい。 コンピューターの中の意識である「裕子」と直樹は 密かに恋心を持つが、直樹の友達飯島と金田は 裕子の存在を解明すべく、直樹の父が勤めていた研究所の 萩原に人工知能について講義を受けに行く。 SFかホラーかと思いきや、後半、二転三転して 話は意外な展開に・・・・ 著者19才時の第5回メフィスト賞授賞のデビュー作なのだが 本作は未熟な部分があるものの、ごく普通の家庭内で起こる 社会で禁忌とされる衝撃的なテーマを変則的な角度から 描く著者の個性が非常に斬新で、機会があれば他作品も 読んでみたい。 | 講談社 文庫 |
| 症例A | 多島斗志之 |
精神科医 榊は亜左美の担当医になる。 前任の沢村医師は分裂病と診断していたが、榊は境界性人格障害を 疑う。が、その診断に納得出来ない女性心理臨床心理士の広瀬由紀が 意外な事実を榊に示す。 要するに解離性同一性障害(多重人格)の話なのだが、 由紀の主治医である岐戸医師の由紀の治療の過程はリアリティが あり、読ませるが、榊の前の患者も亜左美も解離性同一性障害と いうのはちょっと無理があるのではないか。 後 途中から由紀メインになって盛り上がり、亜左美や 首都国立博物館の謎はどうなった?って感じで中途半端に 終わるのが不自然&不消化。 | 角川書店 |
| 心では 重すぎる | 大沢在昌 |
私立探偵、佐久間公シリーズ。 佐久間は過去に大ヒットしたが急に消息を絶った人気漫画家の 調査をから頼まれるが、編集部など周囲にいた者は皆、口をつぐむ。 別件、つまり佐久間のもう一つの仕事である薬物更正施設に 入っている雅宗が恐れる女子高校生に渋谷に会いに行った 佐久間はヤク中の小倉に因縁をつけられる。 小倉と雅宗を"犬"と呼ぶ"飼い主様"である女子高校生 錦織令は 常人ならぬ憎しみに満ちた少女だった。 ヤクザ、漫画、SM、新興宗教、覚せい剤と内容がてんこもりで 大沢在昌がよく使う一見無関係の二つの事件が、複雑に絡み合って いくという手法で出て来るキャラが多い。 「新宿鮫」に比べると精神的な要素を混入しようと試しているのだが 深くは描けていない。 長くて重い(タイトルじゃないけど)が、クライマックスの意外さは さすがである。 | 文藝春秋 |
| THE MASK CLUB | 村上龍 |
書店で働く主人公は恋人が落とした財布の中に 「MASK CLUB」という怪しいカードを見つけ、好奇心で そのマンションの一室に忍び込み、アイスピックで刺殺される。 が彼は死んだものの、その部屋に存在し、MASK CLUBで 行われる5人の女のレスビアンSMパーティーと女達の過去を見る。 えーっと「仮面」に弱いので衝動買いしましたが、薄っぺらで 無機質な文面に何も感じなかったという・・タイトルで買うのは 止めよう。 | MEDIA FACTORY |
| 眠たい奴ら | 大沢在昌 |
東京の組に多額の借金を負わせ、旅館を経営する元舎弟をあてに とある地方へトンズラした高見は新幹線内で美しい女を見かけ 一目惚れ。 落ち着いた先では新興宗教団体の後継ぎ争いに観光協会や ヤクザが絡み、おまけに東京で見かけた女は団体の後継ぎで ある少年の母親だった。 その頃 まい新興宗教ぶーむでそれ系の本はほとんど 買っていた中の1冊なのでありますが汗、だ、だるいヽ( ´Д ‘)丿 | 角川文庫 |
| なぜアメリカは 嫌われるのか | マーク・ ハーツガード |
アメリカのジャーナリストである著者が世界19カ国を 旅して、内と外から冷静に見た故国アメリカ。 1.アメリカは偏屈で自己中心的 2.アメリカは豊かで刺激的。 3.アメリカは自由の国。 4.アメリカは偽善的で圧制的な帝国。 5.アメリカ人は俗物。 6.アメリカは機会均等の国。 7.アメリカは世間知らず。 8.アメリカの民主主義は独りよがり。 9.アメリカは将来の世界の姿。 10.アメリカは自国の利益しか眼中に無い。 世界の人々はアメリカを知っているが、アメリカ人は 世界の事をほとんど知らない。 消費を礼賛し、不必要に大量な食物、包装。 (次から次へと物を買いまくるその姿は日本にも重なるが汗 マスメディアは権力がある会社に買収され、政府に都合が いい事柄しか伝えない。報道の自由も無い。 メディアは9.11のテロを前もって知っていた。 アメリカは真の民主主義では無いし、自由な発言も許されない。 ブッシュは実は選挙に負けていたし、国民は政治に何も 期待していない。 今も昔も「まず撃て、それから話し合いだ」 自らは帝国の自覚は無いが実質的にアメリカ帝国に なっているし、小国は大国の子分になって当然という おごり。 アラブ問題も、何故アメリカが嫌われるのかを 全く考慮しないその態度にテロという報復が起きるのを また力任せに押さえ込もうとする。 そこには意外に自由では無い、国家の利益だけを追求する 非常にエゴが強いアメリカの別の顔が見えて来る。 | 草思社 |
| 屍蘭 新宿鮫V | 大沢在昌 |
鮫島の顔見知りであるコールガールの元締め浜倉が 不審な死を遂げる。 浜倉が使っていた女の恋人も行方不明に・・・二つの 事件をつなぐ「釜石産婦人科」と高級エステ店を華麗に 経営する綾香、眠れる美女あかね、罠にはめられた鮫島。 アクションが主流で「毒猿」というかっこいい殺し屋を 描いたUと打って変わって、今作はサイコなフツウの オバサンがめっさ怖いっつー、なかなか凝った ストーリーで読ませます。 | 光文社文庫 |
| 中欧怪奇紀行 | 田中芳樹 赤城毅 |
だからこういうタイトルはつけるなっつーのヽ( ´Д `)丿 買う前からベタだとはわかてったんだけどね、この タイトルはいかんよ。 中身?どっかのチャットでドラキュラとフランケンシュタインと 狼男について素人が喋ってるような(堕 | 講談社 文庫 |
| 魔性の子 | 小野不由美 |
教育実習で母校に戻って来た広瀬はクラスで独り孤立する 不思議な雰囲気を持つ高里に関心を持つ。 関心というか 自身の臨死体験にこだわる広瀬が 高里が年少時に神隠しにあった事に共通点を見出そうとした。 そして高里を虐めた者は不慮の事故に遭うという「高里は祟る」 という話を聞く。 やがて陰惨な事件が数を重ねていく。 広瀬は高里を庇うが・・・ 高里に纏わりつく女の白い腕、目玉が1つの大きな犬、 「き」を探す謎の女・・・ジュニア小説のような表紙絵、 最初は妖怪談かと思ったが国籍雑多なファンタジー入りホラー。 女性作家ののホラーは (例えば母親の高里への複雑な気持ちの 描き方)おどろしい。 こんなに陰惨で莫大な死者が続出小説は初体験である。 | 新潮文庫 |
| 穴があったら 落っこちたい | 中村うさぎ |
中村うさぎ初体験集(誰にでもあるあれやこれやの経験)& 心に残る猟奇殺人事件に関するしょーもないうさぎ流解釈集。 結局、永久に「女は美貌という天分がなければ負け組」という 法則に縛られる中村、最近のエッセイつまらんぞ。 (と思ったら角川への借金返済条件の書き下ろしヽ( ´Д `)丿 | 角川文庫 |
| 毒猿 新宿鮫U | 大沢在昌 |
キャバレー「ローズの泉」の中国残留孤児の母と 中国人の父を持つホステス奈美はその事をずっと隠して生きて来たが 不法入国でボーイを務めるヤンがしゃぶ中の店長にいたぶられるのを 何故かふと北京語で助けてしまう。 その頃 新宿鮫は台北警察の暴力団担当の警部補郭栄民と知り合う。 郭は何が目的で日本に滞在するのか? 台湾暴力団組長葉威に復讐する為、狙った獲物は必ず殺る 殺し屋「毒猿」の正体とは・・ 今作では鮫島はあまり表に出ず、郭、葉威、毒猿という 台湾勢が新宿を舞台に台湾日本の暴力団の闘争が始まる。 「天使の牙」「無間人形」と覚せい剤ネタが続いたので この復讐ネタは面白い。 特に「毒猿」という人間を超越した力を持つダークヒーローとも 言える殺し屋が魅力的。 大沢氏、相変わらず ラストのクライマックスがリアルで見事。 まだUとWしか読んでないけど、個人的にはWより面白かった。 | 光文社文庫 |
| 無間人形 新宿鮫W | 大沢在昌 |
新宿の若者の間に流行るアイスキャンデーなる 錠剤は覚せい剤だった。 新宿署刑事 鮫島は売人の一人筈野をマークし やっと取引現場にたどり着いた時、麻取に手を引かされる。 ある地方都市に君臨する財閥、香川家の本家の長女 慶子、 分家の昇と進兄弟と、アイスキャンデーの関係は・・ 「天使の牙」が面白かったので本棚に長い事並んでた本書を 読んでみた。 新宿鮫シリーズは1回チャレンジしたんだけどムサイ男ばっか 出て来るので挫折。 でも今回は文体に慣れたのか(いい女も出る事に気付いたから? 読めた。 大沢在昌の書くハードボイルドの人物パターンは決まっているのか 武骨で執拗でたじろがない男(刑事)とナイスバディのいい女 orナイスバディのボーイッシュな女、めっさこぇーヤクザが ドンパチやるんですが、ラストの撃ち合いの臨場感が上手い。 もう誰が誰を撃ったかわからない位、表現が上手い。 藤野組の角があっさり殺られたのは惜しいっ(ぇ あとラスト近くの慶子と昇のシーンもいい。 大沢在昌氏、鮫シリーズの前は全然売れない作家だったそうで 主人公の漢っぷりと違ってすげー怠け者だそうで、 でも書き始めるとこういう濃いスピード感があるのを書くのね。 ちなみに鮫島とは大沢氏の釣りの穴場だそう(^^; | 光文社文庫 |
| リカ | 五十嵐貴久 |
本間はふとした好奇心から 出会い系サイトでリカという女と 知り合い、メール交換を始める、そして携帯No.を教えた頃から リカの言動が異常になって来る。 よくあるストーカー話ホラー版。 だから声が綺麗な女に騙されるなっつーのw | 幻冬舎 |
| なぜイスラムは アメリカを 憎むのか | 内藤陽介 |
旧約聖書の時代から2001年までの中東の歴史を こと細かく説明した本。 それにしても母国を失っても根を絶やさず、ついに建国してしまう ユダヤ人の強さというか渋とさというかすごいパワーを感じる。 パレスチナにイスラエルを作ったのは英国なのだが、度重なる 紛争に英国は手を引いてしまう。 最初、中東に関係があまり無かったアメリカがソ連対策で 深い関わりを持つ派目になり、その対処方法がアラブの 人々の思いを考慮しなかったが為にテロの標的になった事は 現イラクでの駐留問題でも同じである。 今までパレスチナ=怖いと思っていたが、イスラエルもかなりの 強硬姿勢でパレスチナ人も気の毒というか、各国の手が入り過ぎて こじれにこじれ、将来を憂う・・・ 中東方面に旅行慣れした知り合いによるとイランやイエメンなどは 美しいモスクが立ち並ぶのんびりした田舎という感であるらしい。 | ダイヤモンド社 |
| 徳川慶喜家 にようこそ | 徳川慶朝 |
扉絵にセピア色の徳川慶喜の渋い写真。 で真面目な伝記かと思っていたのだが、 何の事は無い、「歴史はわからん」という三代目慶朝が 「慶喜の短い将軍時代より、明治大正時代を多彩な趣味に 生きたという事実を知って欲しい」目的で書いたそうだが、 話はとりとめも無く、慶喜の心境は直感でわかるとか 自分は庶民だと言いつつ、半ば自慢しているような はっきり言って何も得る事が無い本。 | 文春文庫 |
| 四世紀の恋人 | ヘザー・ グレアム |
イギリスの清教徒革命の前後、王側のアルフレッド卿の 娘モーウェンナは騎士マイケルと恋に落ち、 秘密裏に結婚するが、夫が戦に出ている間に邪恋した ウォルター卿に魔女の汚名を着せられて火刑になる。 マイケルが知らせを聞いて駆けつけた時、すでに妻は 炎に炙られていた・・ それから四世紀後、N・Y。 ルゼリン・エンタープライズ社は社長である祖父ダグラス、 孫娘ジリアン、アイリーン、彼女らの従兄弟達一族によって 繁栄していた。 ダグラスは最も愛するジリアンに迫る危険を察知して 彼女を守る為、ロバートを雇い入れる。 あるレストランで謎の女占い師がジリアンを見て「魔女」と 叫び、直後ロバートを身近に始めて見たジリアンは心臓を 射抜かれたようなショックで気を失う。 毒殺された猫、モーウェンナとマイケルの物語が 書かれた古い本・・一体誰がジリアンを狙っているのか。 ってこれだけ命狙われて「偶発事故よ」と言い続ける ジリアンって(^^; ラストは面白かったが、本編のテンポがだるいサスペンスロマンス。 | MILA文庫 |
| 薔薇の乾き | ホイットリー・ ストリーパー |
原題「THE HUNGER」 古代から生き続ける人間では無い種族の最後の生き残り 美貌の貴婦人ミリアムは今のパートナー、ジョンとは 180年の間、共に暮らし、愛し、捕食して来たが、人間である ジョンに老化現象が急激に襲う。 ミリアムは「老化と睡眠 不老不死」の研究をする サラ・ロバーツを次のパートナーにしようとするが・・・ 最初のロマンティックな書き出しから、無差別に人間を 襲ってその血肉で生き延びるという陰惨なシーン、 ミリアムの夢の中に出て来る過去何世紀にも渡る悪夢、 重要とは言え、だる過ぎるサラと恋人トムのラブシーン。 リドリー・スコットの弟トニー・スコット監督が 「ザ・ハンガー」名で映画化したそうで、ミリアムは カトリーヌ・ドヌーヴ、ジョンはデビッド・ボウイ汗 第2作3作が出版されるそうだがどうしようかな。 | 新潮文庫 |
| 天使の牙 上・下 | 大沢在昌 |
新型麻薬アフターバーナーを売り捌く「クライン」のボス、 君国が16才から自分の愛人用に仕込んだ美貌のはつみが 偽りの生活から逃れようと警察に救いを求めた。 保安課長芦田は男顔負けの女刑事明日香に護衛を命じるが 二人はヘリから攻撃を受けて死亡。 芦田は警察内にはびこるクラインのスパイ炙り出しと 君国をおびき寄せる為の囮として 損傷が無い明日香の脳を損傷が無いはつみの肉体に移植させる。 その頃 何も知らない明日香の恋人である凄腕の刑事古芳は 明日香を失って自暴自棄になっていた。 大沢在昌の「新宿鮫シリーズ」持ってるんだけどなかなか 読めなかったのが、本書、特に下巻はもうジェットコースター。 君国のアジトにほとんど単身で潜入する古芳と 君国側の戦いはかなりリアルで文字を追うのがもどかしい位 見事な描写。 あとはつみの肉体に明日香の心を持ったアスカが 「古芳にはつみの体を愛されたら、明日香が忘れられてしまう」と 悩むところや、古芳と君国に対して 二重人格で駆け引きを する部分が見事。 敵対する古芳と君国が同じ女を愛しているという矛盾。 この心と体の矛盾を映画で演じれる26才位で大人の色気と 人形のような少女っぽさを持つ女優・・・いないなw 明日香役の黒谷友香も可愛すぎ、女っぽ過ぎ、可能なら プロレス界でほとんど男、でもちと可愛いような明日香ちゃんを 発掘して来て欲しかった。 大沢たかおと萩原健一は・・・うーむ。 神役の嶋田久作と芦田役の佐野史郎はいいかも(^^; というか映画は原作の面白いところが省かれていたって感じ。 久しぶりに夢中で読んだハードボイルド。 | 角川文庫 |
| ピーコ伝 | ピーコ 聞き手/ 糸井重里 |
子供時代、サラリーマン、専門学校、おすぎとのユニットと その確執、癌による眼の摘出、ファッション評論、シャンソン とおすぎの事もまじえて素直に真摯に語る。 著者は朝日新聞で10代の人生相談をしているのだが、 「悩みの内容が自分の事しか関心が無い事が気になる」と いうのは同感。 あと軽軽しく「愛」を口にしたくない(愛という言葉は相手を 束縛するから)とか性愛否定、 好きになれば与える、決して相手から見返りは望まない せいぜい手をつないでくれたり、キスだけでいいと自分を律する人 なのか昔の夢みる少女のようでもある。 顔が可愛くないから、太ってるから 自分には愛される資格が 無いというコンプレックス?はどうかと思うが・・ | 文春文庫+PLUS |
| まともな人 | 養老孟司 |
小泉内閣発足、9.11同時多発テロ、北朝鮮問題、新しい教科書問題 靖国参拝、九州幼児殺害事件などの時評集。 って政治問題の上 理論攻めで解読度60%未満;; 面白いけどムズイこれいかに。 テロなどかなり手厳しく、ほとんど怒り口調に終わる。 「いくら 自分の信念が正しいと思うにしても たかが千五百グラムの脳味噌がそう思っているだけのことです。」 という原理主義に関する考え方は非常に賛同出来るが これ 原理主義者が読んだら頭から火吹くって汗 | 中公新書 |
| 続・涼しい 脳味噌 | 養老孟司 |
時評&書評集。 著者の魅力は限りない好奇心による深く広いジャンルと 周囲に影響されない自由で冷静で客観的な洞察力である。 こういう理論系の本の感想は難しい、何しろ本を読むだけで 3/4も理解出来ていないし、しかも語り口調が上手く、 考え方は賛同出来るしで、どんどん読みたくなるという まるで養老中毒である。 感想は難しいので1番印象に残った部分を引用する。 「心の実在に確信を持つ人がいて、私は全く不思議と思わない。 しかし、自分が実在を確信しているからといって、 他人が同じく それを確信しているとは限らない。 なぜかそこに気がつかない人が多いのである。 この「実在感」のおかげで しばしば私はひどい目にあっている。 「国」がそうである。 これを約束ごとだというと、怒られる事がある。 (中略 やっぱり、「実在感は強い」のである。 これを無視するとこわい目にあう。 (中略 他人の実在感に異をたてると 最後には 殺されるのではないか。 そんな気がする。まさに「実在感は実在するのである」 | 文春文庫 |
| 涼しい 脳味噌 | 養老孟司 |
少し前に「プラスティネーション」という人体の水分を抜いて エポキシ樹脂を注入して人体標本を作ったものを展示するという イベントが各地であったが 私は個人的にだめで行かなかったが 脳化された現代において 失われた身体=自然感覚を取り戻す 為に著者は人体博物館なるものを提唱する。 自分の身体の臓器や作りを知らないで 脳死や臓器移植が 論じられるかというのが著者の考えである。 後書きの著者と東大解剖学の養老研究室で10年を共にした 評論作家、布施英利氏の生の養老孟司像が興味深い。 | 文春文庫 |
| 脳の見方 | 養老孟司 |
神経、解剖、時間、綺想、博物など「唯脳論」へ続く本。 養老氏はこういうかなり専門的路線と、比較的読みやすいエッセイ路線に 分かれるんだけど 「ゲーテ ファウストの今日の意味」や 「発生における時間のずれと変化」「咀嚼器の進化と感覚器」しかり 「ウオノメの話」さえもかなり難しい(- -; | ちくま 文庫 |
| 異見あり 脳から 見た世紀末 | 養老孟司 | Please wait | 文春文庫 |
| わらしべ 偉人伝 〜めざせ マイケル・ ジョーダン!〜 | ゲッツ板谷 |
ゲッツ板谷のインタビュー集なのだが、この人インタビュー下手。 ほとんど質問会話になってないし、ゲッツ板谷の持ち味も 中途半端なまま だらだらと進んで行くのだが 最初 野球関係?とかその道を知らない私には全く興味が 無い人ばかりで読む方もだら〜と読んでいたら 後半 水木しげるが大ボケかましたり、宇崎竜童、小林捻侍 市川染五郎、荒俣宏、京極夏彦、大沢在昌、ZIGGYの森重樹一とか 大物が出て来てびちくり、でMJに会うためのインタビュー集の オチは三原じゅん子&みうらじゅんに終わるというヽ( ´Д ‘)丿 | 扶桑社 |
| 脳の冒険 | 養老孟司 |
日常、趣味、仕事、科学、宗教などについての 私見をさらりと書いた読みやすいエッセイ集。 | 知的生き方 文庫 |
| カミとヒトの 解剖学 | 養老孟司 | Please wait | ちくま学芸 文庫 |
| 毒にも薬 にもなる話 | 養老孟司 | Please wait | 中公文庫 |
| 養老孟司の <逆さメガネ> | 養老孟司 |
「バカの壁」が激面白かったのでまた読む。 教育の話がメインなんだけど、都会と自然、自分は変化せず、 環境だけ変化すると思い込んでいる現代人、東大医学部教授時代の話 話は自在に色んな方面に飛躍して 簡単な話を難しく、難しい話を 優しく、時にケムに巻かれたり、爆笑させてくれたり 要するに一元的物の見方はいけないというヒントはくれるんだけど 後は各自考えましょうというお話。 この人 当たり前だけど頭がいいんですな。 私がお世話になったK大の医学部と法学部を出た有名な先生が いるんだけど、その先生も時々 話がわからなくなるので つい思い出してしまったw ある意味 わかりやすい哲学かもしれない | PHP新書 |
| 死の都 ブルージュ | ローデンバック |
ブルージュと言えば、降り注ぐ優しい陽光、中世のまま 時間が止まったのんびりした安らぎの街というイメージ なのだが、「死の都」なのである。 これはローデンバックの「ブルージュ(エッセイ)」を 読むと謎が解ける。 ローデンバック曰く「ヴェニスが妬んだ姉妹都市ブルージュ」は その昔、ツゥインという潟湖の流れによって商船が行き来し 世界中と交易した街なのだが、1475年のある日にいきなり 潟湖は砂地になってしまい、ブルージュは孤立し、 そして「衰弱し、死にかける廃位の女王ブルージュ」と なるのである。 さてそこを舞台にした「死の都ブルージュ」 妻を喪ったユーグが愛する妻にそっくりだが品行不正の女 ジャーヌに翻弄され、亡き妻の遺髪で絞め殺してしまうという 短編なのだが、街の様子やユーグの屋敷の内部、登場人物の 心の揺れを、無駄が無くかつ何とも言えない哀しみの芳香を 漂わせる緻密でロマネスクな描写で読ませる絶品。 ローデンバックはベルギー貴族の出身で育った館には 先祖代代の遺髪が残されているという。 その様様な色合いの遺髪から 彼は女性の髪の毛に 対するフェティシズムを持ち続けたという。 他に「墓碑/処女/ブルージュ(エッセイ)」収録。 | すばる |
| 地獄を極楽に する方法 | 美輪明宏 |
美輪明宏の人生相談&アドバイス。 タイトルの「地獄」ってまた大袈裟というかまあ 人によって 地獄はそれぞれなのでいいけど 表紙の美輪氏がもう宝塚風といいますか、弥勒菩薩といいますか あまりに輝いているので、中身とのギャップが汗 内容はもうバッサバッサと斬りまくりです。 今 私の心が弱ってるせいか 前作より口調が激しくなったような 気がしたりしなかったり・・・というか美輪明宏ほど 強い自分を持っている人間はあまりいないし あそこまで割り切れたら そりゃ人生ちっとはましになるわいな。 うーん 如何に割り切るかが問題なのじゃ くぅぅぅぅぅぅ | 主婦と 生活社 |
| イギリス人は したたか | 高尾慶子 |
イギリスのワーキングクラスで生活する著者から見た 大英帝国の現実生活シリーズ3弾。 この本に限って言えば、著者が読者からの手紙に答えたものと 説明している通り、イギリスでの細細した事から噂話のような ものまで種種雑多な話があるのだが、要するに日本もイギリスも どちらが優れているとかじゃなくて、お互い短所長所があると 言う事なのだが、著者は老後の福祉が充実していれば、日本へ 帰りたいとも書いているので、やっぱ住まなきゃわからないな。 | 文春文庫 |
| ドキュメント 女子割礼 | 内海夏子 |
アフリカを主とした女子割礼なるものが 存在する事実は 「ファウジーヤの叫び」で知ったのだが、本著は著者自ら FGM/FC(女子性器切除/割礼)を行っているエジプト、 シエラレオネ、ジプチなど6カ国を取材、 インタビューしたものをまとめたもの。 宗教、成人通過儀式、風習と様様な説があるが、現実は 男性優位社会の処女性、貞節を守り、女性の地位を 貶めるものである。 女子割礼には4種類あるが、中でもタイプ3の性器封鎖は 結婚、妊娠、出産と一生に渡って女性を苦しめる 最も酷な儀式なのだが、割礼していない女性は結婚出来ない (=貧困故、生活出来ない。 成人としてコミュニティに参加出来ないなどという理由から 望んで受ける女性も多い。 廃絶運動は女性の教育、成人通過儀式に変わるものなど 外圧では無く、自らの意志で割礼を受けない”異端者”を 逆に指導者として教育するといったような様様な形で この根深い悪習を絶つために努力する人々を取材する。 当然、割礼廃絶だけでは無く、女性の地位の低さ、教育 貧困との密接な関係から見直さねばならない。 廃絶運動以外は特に目新しい記述は無かったが 1日も早く、健康な肉体を切除するというこの伝統的風習の 犠牲者が1人もいなくなりますように。 | 集英社新書 |
| イギリス人は おかしい | 高尾慶子 |
イギリスのワーキングクラスで生活する著者から見た 大英帝国の現実生活。 著者は有名な監督とも知らずにリドリー・スコット監督 (「エイリアン」「ブレードランナー」「グラディエーター」 「ハンニバル」)息子ジェイク・スコットは 「プランケット&マクレーン」の監督。 の屋敷でハウスキーパーとして働き、スコット監督の新しい 恋人と喧嘩して辞めるまでを書いた本。 激神経質完璧主義者スコット監督に、料理を含む家事全般に 有能な著者は重宝されたそうである。 (これだけ スコット監督の私生活を暴露した本も少ないw | 文春文庫 |
| イギリス人は かなしい | 高尾慶子 |
イギリスのワーキングクラスで生活する著者から見た 大英帝国の現実生活2。 天皇皇后が訪英した折、日本の新聞は歓迎されたと 報道したそうだが、戦時中のイギリス人捕虜に悪意に 満ちた扱いを受けたという事実 婚約者がいながらダイアナ妃と付き合っていたドジー・アル・ ファイド氏(共に死亡)共々男性の愛に飢えていたダイアナを軽率 だったと語り、男女共学を認めないパブリックスクールでの 寄宿生活と軍隊生活のせいでゲイが多い、夏目漱石が住んだと いう家での生活、イギリス賃貸住宅情報、自身の恋愛観 (著者は自称かなりの面食いw ジョン・レノンを腑抜けにしたオノ・ヨーコ、 鉄ならぬ鉈の女サッチャーがイギリスを堕落させた話など 日本とは違う角度から見た広範囲に及ぶネタ満載で興味深い。 著者は最初、フランスで暮らす予定だったらしいが、 可能なら、フランス編も是非読んでみたい。 | 文春文庫 |
| わたしの イギリス あなたのニッポン | 高尾慶子 |
イギリスの老後の福祉の安定に惹かれ、英国のワーキングクラスで
生活する著者が見た大英帝国の現実生活シリーズ4。 これまで「イギリス礼賛」本は多々あったが、 決してイギリスを美化せず、日本と英国を冷静かつ公平な 視点で書いているところが非常に興味深く、評価出来る。 要するに外国で生活する(留学や駐在社員では無く)と 言う事は差別があって当然であって、差別が嫌なら日本に いろという著者には脱帽である。 差別するイギリスの若者に「差別するなら 日本のゲームも電化製品も全部使うな」と言い返して 追い払うこの達者な英語力と頭の回転力があってこそ 自力で外国で生活するという事なのだなと思い知った。 日頃、日本に色々文句がある私だが、日本は階級が 無い平和な暮らしやすい国なんだなと改めて思った。 | 文春文庫 |
| フリーダ ・カーロ 引き裂かれた 自画像 | 堀尾真紀子 |
フリーダ・カーロの絵は決してあたし好みじゃないし、 一見華やかな色彩の中によく見ると眼をそむけたく なるような凄惨な構図なのに、見入ってしまうという 不思議なオーラがある。 今や夫ディエゴ・リベラよりも評価されつつあるフリーダ。 著者は1988年にチャプルテペック公園内の近代美術館で 「二人のフリーダ」を見て以来、彼女の軌跡を克明に辿る。 初恋の相手アレハンドロ・ゴメス・アリアスを始め、 最後の生徒達まで生存する生身のフリーダを知る人を 訪ねていく。 そこには映画には描かれ切れなかった、特に晩年の 深い苦悩に満ちたフリーダを見出す。 また改めてこの人の絵はシュルレアリスムでは無い メキシコ独特のレタブロ(奉納絵:災厄から救われた後に 災厄時の絵と共に謝辞を書き込んで教会に献納するもの) に近い、自分の精神的肉体的苦痛を率直に描いた、 つまり現実絵だと思った。 印象深い逸話は「ヴァニティフェア」編集長リュースから 投身自殺した友人である女優ドロシー・ヘイルの遺影を 依頼されたフリーダが描いた絵はまさに飛び降りる寸前、 落ちていくところ、血だらけの遺体になったドロシーだった。 また「私の誕生」はマドンナのリビンクにあり、 マドンナはその絵から眼をそらす人とは仕事をしないそうである。 巻末に載っている著者との対談で 「芸術とは本来、自己の負の要素を吐き出すものであって 観念だけで造ったものは単に美術だめ。見る人に浄化作用を 与えないと駄目」「マチスはダメ」など横尾忠則のブッ飛んだ コメントが載っているんだけど、じゃあ横尾氏の作品で 浄化されるのかと突っ込みたくなったw 著者なりの絵の解読も興味深く、「映画を見て絵を見て 興味を持たれた方に是非お薦めした一冊。 | 中公文庫 |
| バカの壁 | 養老孟司 | Please wait | 新潮選書 |
| 人はなぜエセ 科学に 騙されるのか 上下 | カール・ セーガン | Please wait | 新潮文庫 |
| 世界の[宗教と 戦争]講座 | 井沢元彦 |
私にもわかるキリスト教、ユダヤ教、イスラム教 仏教、神道、儒教について。 三位一体からイスラエルとパキスタンの関係まで するーっと気持ちよく理解できる解説書。 興味がある方、興味はあるのに 今一わからない方にお勧めです | 徳間文庫 |
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